KrakenのL2
大手取引所 Krakenが、独自のL2を立ち上げることを検討していているとの報道がありました。Polygon、Matter Labs、Nil Foundationなどの技術を検討しているとのことで、CoinbaseのBaseに対抗するような戦略です。
■ This Week in Crypto
1.Decentralized AI compute platform Ritual closes $25 million fundraise
分散型のAI計算プラットフォームRitualが、$25Mドルを調達しました。Archetypeがリードし、AccompliceやRobot Venturesなどが参加しています。
Ritualは、Polychain Capitalで働いていた2人が創業したプロジェクトで、AIのための分散型コンピューティングネットワークを構築しています。
開発者がAIを利用するときの計算に使えるインフラのようです。またRitualを使った最初の実例としてInfernetというものを開発しています。
このInfernetに対して、スマートコントラクトがAIの出力と証明を計算するように要求することができます。
来年早々にアルファ版のプラットフォームを予定しています。
2.A16z crypto leads $4.2 million seed investment in UK web3 infrastructure firm Pimlico
イギリス拠点の企業Pimlicoが、シードラウンドで$4.2Mドルを調達しました。a16z cryptoがリードしています。
Pimlicoは、アカウント・アブストラクションの規格を使った「スマートアカウント」でEthereumを使いやすくすることを目指しています。
前にBspeak!でも書いたことがありますが、スマートアカウントではガスを肩代わりしたり、ETHではないERC20トークンをガスにしたり、アカウント復元、Face IDの認証など機能が可能になります。
去年Pimlicoは、1confirmationをリードに、Consensysなどからプレシードで$1.6Mドルを調達していました。
3.Llama raises $6 million to streamline smart contract access management
ガバナンスプラットフォームのLlamaがシードで$6Mドルを調達しました。Founders FundとElectric Capitalがリードしています。
Llamaをつかうと、スマートコントラクトにガバナンスとアクセス制御をつけることができます。
具体的には、Llamaのプラットフォームから、「ある特定のトランザクション」を実行するための権限を設定するすることができます。
このある特定のトランザクションとは、プロトコルのアップグレード、資金の移動、パラメータ変更、緊急停止、などです。
またガバナンス参加者に、役割にあった機能を実行する権限を与えることができます。(役割ベースのガバナンス)
例えば、
リスク管理者の役割の人だけが、リスクパラメータを更新することができる(トークン保有者が拒否権を行使しなければ、すこし時間が経った後に更新される)
グラント審査の役割の人は、少額なら少なめの賛成でも通るような提案ができ、高い金額なら多くの賛成が必要なように提案できる
といった細かな役割設定をすることができます。
4.Ethereum scaling startup Stackr raises $5.5 million in seed round
Stackr Labsが、$5.5Mドルを調達しました。
Archetypeがリードし Lemniscap、Scalar Capitalなどが投資をしています。
Stackrは「マイクロロールアップ」(アプリ固有のロールアップ)を作ることができるインフラです。開発者がWeb2プログラミング言語を使ってアプリを作ることができます。
Stackrは将来的には他のチェーンとの統合も視野に入れているそうです。
Citadelというゲームプロジェクトが、シードで$3.3Mドルを調達しました。
1kx、Shima Capital、HASHED、Matchbox DAO、Ready Player DAOなどが参加しています。
Citadelは、Ethereum上のフルオンチェーンゲームです。プレイヤーは宇宙空間をテーマにした世界で、2Dピクセルの宇宙船を操縦して、小惑星帯で鉱石を探します。プレイヤーの戦略が複雑な経済を作用するような仕掛けがされています。
元Coinbaseの3人が立ち上げたDefinitiveが、$4.1Mドルを調達しました。
BlockTowerがリードし、Nascent、Coinbase Ventures、CMT Digital、Geometry、Robot Ventures、MatrixPortなどが参加しています。
Definitiveはプロ向けDeFiプラットフォームで、機関投資家が簡単にクリプトの利回りにアクセスしたり、リスクの監視ができます。
例えば advanced yieldというプロダクトでは、投資家は1回入金すればいいだけになっています。入金後は、報酬トークンを売ったり、リバランスしたりという処理を、Definitiveが自動で実施します。
7.Euro stablecoin startup lands €3.3 million seed round
ステーブルコインのスタートアップStablRが、シードで3.3Mユーロを調達しました。Deribit、Maven 11、Theta Capitalなどが参加しています。
先月から、StablR Euro (EURR) というユーロのステーブルコインを発行しています。
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