■ Last Week in Crypto
Aztecがプライベートとパブリックの両方をあわせもった「ハイブリッド」な zkロールアップを発表しました。2024年初頭までにテストネットをローンチすることを予定しています。
以前Podcastで話したように、元のAztecのプロダクトを終了したのは規制圧力ではなく、プログラマビリティ(スマートコントラクト)を追加するためのピボットです。
この新しいAztecのロールアップは、プレイベートとパブリックの両方の性質をもつため、ユースケースとしては、
パブリックなDAOのためのプライベート投票
パブリックなゲームのプライベートセッション
パブリックなAMMでのプライベートトレード
などが可能になります。
「セキュリティ、分散性、スケーラビリティ、プログラマビリティ、プライバシー」の5つをすべてカバーするのは、今のところAztecだけかもしれません。
ちなみに「プログラマビリティ」と書きましたが、新しいAztecはzkEVMではありません。EVMはプライバシーと相性が良くないためです。開発者はNoirという言語を使って、スマートコントラクトを書くことになります。
個人的には、Ethereumのスケール環境としてのzkEVMが普及したあとは、より機能的なVMが望まれるのではないかと思っています。これはzkVMといわれたりするもので、RiscZeroやzkWasm、Polygon Midenなどです。(もちろんEVMのネットワーク効果は揺るがないと思います。)
クリエイターがトークンをカスタマイズできるツールVibeは、$4Mドルを調達しました。
Aglaé Ventures (LVMH)、Alchemy Ventures、Soma Capitalや、Naval Ravikantなどが参加しています。
NFTを使ったロイヤルティポイントや物理的なアイテムの引き換えなどの機能を、ノーコードで使うことができます。またVibeで作られるNFTは、他のチェーンとのブリッジも可能です。
現在Vibe Genesis というNFTのAllowリストに申し込むことができます。(このニュースレターの配信の日の午後には締め切りのようです。)
3.Crypto Firm FARE Protocol Raises $6.2M Ahead of Token Launch
FARE Protocolは、$6.2Mドルを調達しました。
Twitch創業者のGoat CapitalとC Squared Venturesがリードで、6th Man Ventures、Arrington Capital、Eniac Ventures、Spark Digital Capital、Morningstar Ventures、Quantstamp、DWeb3などが参加しました。
FAREは、アプリのための「確率コントラクト」を開発しています。
最初のユースケースは、「FAREトークン」のランダムなミントとバーンです。トークンをバーンする確率が、ミントよりも高くなるように設計されていて、このランダム性は検証も可能です。
今年後半にArbitrum上でトークンローンチを予定しています。
複雑なDeFiアクションを誰でもバンドルできるようにするPortalsは$2Mドルを調達しました。
Lightshift Capitalがリードし、Poolside、Basement Labs、LongHash Ventures、Daedalus Angels、Machism Capitalなどのファンドや、0xMakiなどのエンジェルも参加しています。
DeFiを簡素化するプロジェクトです。ユーザーは、プロトコルやチェーンの違いを気にすることなく、利用したいトークンだけを選んで、ワンクリックで取引することができます。
上のように、スワップするだけのような画面ですが、金利スワップ、流動性プール、ステーキングなど、複数ステップを1回のトランザクションに束ねることができます。
またAPIを使うことで、流動性プールやトークンの価格、ポジション、残高など、Web3データをとることもできます。
5.OpenTrade Raises Over $1.5M for Building Crypto Structured Financial Products
Web3のトレジャリーや企業向けにオンチェーンの仕組み金融の商品をつくるOpenTradeは、$1.5Mドルを調達しました。
Sino Globalがリードで、Circle Ventures、Kronos Research、Kyber Ventures、Polygon Ventures、Outlier Venturesが参加しています。
最初のプロダクトは、米国債、コマーシャルペーパー、サプライチェーンファイナンスなどをトークン化する予定で、Circleのインフラをもとに開発されています。
各プールの裏付けとなる資産は、カストディアンをつかって分離された口座で保持されます。そしてユーザーは、USDCかEUROCを使って流動性プールに入金し、それと引き換えに、仕組み金融商品に連動するトークンを受け取ります。
6.zkLink Secures Additional $10M in Funding as Mainnet Launch Approaches
ZkLinkが、$10Mドルを調達しました。Coinbase Ventures、BigBrain Holdingsなどが参加しています。
zkLinkは、マルチチェーンのトレードインフラで、開発者がAPIを使って、オーダーブックDEXやNFTマーケットプレイスなどを作成することができます。
そして異なるL1やL2チェーンから集約された流動性を利用することができます。
7.Cetus completed its seed round fundraising led by OKX Ventures and Kucoin Ventures
SuiとAptos上のDEXであるCetusが、調達を発表しました。
金額は明らかになっていませんが、OKX とKuCoin がリードし、Comma3 Ventures、NGC Ventures、Animoca Ventures、IDG Capital、Leland Ventures、AC Capital、Adaverse、Coin98 Venturesなどが参加しています。
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