タイプ0のzkEVM
Base上のアプリ
Baseがローンチしてから、すでにBase上のアプリが増えてきました。
趣味で作られている Storybase.xyz もその１つです。「Base上の（ポンジ）共同執筆プロジェクト」と説明されています。笑
誰でも物語りの続きを書き込んで、「物語りの次の展開」を決めることができます。
そして自分が書く文章は、NFTとして発行されます。（ミント価格は、1文字につき0.00005 ETH + ガス）このときのミント手数料が、以前の執筆者たちに還元されます。
※Baseで作られるアプリが増えるにつれて、スキャムも増えてきていると聞くので、お気をつけください。
■ Last Week in Crypto
１．Announcing Zeth: the first Type Zero zkEVM
RISC Zeroが、ZKPを使ったEthereumブロック証明技術Zethを発表しました。これを使って、Risc ZeroのzkVMの中に、zkEVMを作ることができます。仮想コンピュータの上に、別の種類の仮想コンピュータを動かすイメージです。
Risc Zeroは、この実装を4週間ほどで完了させたそうですが、色々なプロジェクトが長い時間をかけてzkEVMを作っていることを考えると、とても効率が良い方法と言えます。
タイプ0のzkEVM
前にも書いたことがありますが、zkEVMについては Vitalikが「EVMとの互換性の度合い」を表すものとして、以下のようにブログでまとめていました。
タイプ1: Taiko, PSEが開発しているもの
タイプ2: Scroll, Polygon zkEVMの将来
タイプ3: Scroll, Polygon zkEVMの今のバージョン
タイプ4: zkSync, StarkNet
タイプ1に近づくほど、Ethereumとの互換性がある、となります。
そして今回のZethは、標準的なEthereumブロックを構築できるというタイプ1の利点に加えて、Ethereumノード（Reth）からのコードを再利用しているので、「タイプ0のzkEVMと言える」とRisc Zeroが記載しています。
この「RiscZeroのzkVMでzkEVMを定義する」というアプローチが実は一番効率的という可能性があり、zkEVMを作ってるプロジェクトの人たちも注目していました。
ちなみにRiscZeroのzkVMは、色々な用途につかえる仮想マシンで、計算に加えて証明をつくれるのが特徴です。第三者は、その証明をチェックすれば、計算が正しく行われたことがすぐに分かります。「Trustless Computing」や「Verifiable Computing」とも言われ、将来クリプト以外でも使われる可能性があります。
２．Base’s Commitment to Decentralization with the Superchain
今月はBaseがローンチして賑わっていますが、Coinbaseは、Baseの分散化のためにOptimimsmチームと協力して、いろいろな取り組みをすることを発表しました。
技術的な点では例えば、
コントラクトのアップグレードをマルチシグ化：スマートコントラクトのアップグレードを単一の団体や個人がトリガーできないようにする
チャレンジャーキー：Baseチーム or Optimism Foundationのどちらかが、障害や不正行為の際に、無効な出力提案を削除できるようにする
などです。トークンをだして分散化させるというよりは、Optimismチームが関与できるようにして分散させる内容です。
公共財の資金調達をサポートする
またBaseは、公共財の運営資金をサポートするため「Baseのシークエンサーからの収入の2.5％」または「L2トランザクションからBaseが得る利益の15％」のどちらか大きい方を、Optimismに寄付するそうです。（この分は、OP上の他プロジェクトへの再分配などに使われる予定です。）
そしてBaseはこの寄付の見返りとして、今後6年間にわたって、OPトークン供給量の最大2.75%を獲得でき、ガバナンスに参加します。
ガバナンスに参加することが目的なので、売ることが前提ではないですが、今の価格で約$175Mドルを、6年かけて獲得するという内容です。
※投票可能な総供給量の9%以下に制限され、かつ透明性のあるコミュニケーションをすると約束しています
３．Lumina Fundraising Announcement
Luminaというプロジェクトが資金調達を発表しました。L1チェーンであるMinaを開発する Mina Fundationや、Jump、Big Brain Holdings、O(1) Labsが支援しています。
Luminaは Mina Protocol上のプライベートDEXです。zkKYCをつかって、プライバシーを保ったまま、コンプライアンス遵守しつつ、トークンを交換することができることを目指します。
画像: Litepaper
４．BlockTower co-leads $5 million strategic funding round for DeFi lender Maple Finance
DeFiレンディングプロトコルのMaple Financeは $5Mドルを調達しました。
BlockTower CapitalとTioga Capitalがリードし、Cherry Ventures、The Spartan Group、GSR Ventures、Veris Ventures、Maven 11 Capital、Framework Venturesが参加しています。
Maple Financeは前に書いたことがありますが、機関投資家向けDeFiで、借り手のプロフィールに基づいて金利や融資額がきまり、過剰担保をしないでよくなっています。（信用力のある借り手は無担保で借りることもできるようです）
今後ラテンアメリカとアジアに事業拡大し、金融サービスやプロトコルとパートナーシップをしていく予定になっています。
５．DAO Voting from Layer 2 with Flexible Voting
Ethereum財団やUniswap財団からグラントをもらって開発している Flexible Voting のチームが「L2からのDAO投票をする方法」の実証実験を発表しました。
Ethereumのメインネット上でガバナンストークンを使ったDAO投票をするのはガス代が高くなります。そこで Flexible Voting では、OptimismやArbitrumのようなL2上から投票できるようにするために、以下のような構成で開発されています。
L1トークンをブリッジしてL2投票トークンをアンロックする
L1ガバナンス提案のメタデータをL2で利用可能にする
L2 投票を集計して、L1のGovernorコントラクトに送る
今回の実証実験でGitcoin、PoolTogether、Fraxが採用していて、今後もオンチェーン投票を改善させていく予定になっています。
Ethereum財団の中のPSEというグループがやっているプロジェクト「Bandada」がリリースされました。アプリを試すことができます。
Bandadaは、匿名個人からなるプライバシー保護グループを、簡単につくって管理できるアプリです。SaaSとして使うことも、自分の環境でホストして使うこともできます。
ユースケースとしては、以下のようなものが挙げられています。
GitHubで貢献したメンバーでグループを作る
DAOや会社の中で、匿名フィードバック、内部告発、投票など匿名のやりとり
特定のNFTを保有するウォレットのグループ
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