第300号
今週でBspeak!は記念すべき第300号を迎えました 🙌 いつも読んで頂いてありがとうございます!
■ Last Week in Crypto
1.Peter Thiel's Founders Fund backs Ethereum scaling network Layer N
Layer Nが、$5Mドルを調達しました。
ピーター・ティールのFounders Fundと、Dao5が共同リードし、Kraken Ventures、Mirana Ventures、GSR、Amber Groupなどが参加しています。
Layer Nは「DeFi特化のロールアップ」です。同じくDeFi特化のSeiとポジショニングが似ていますが、Layer NはEthereumのL2です。
またOptimisticロールアップとZKロールアップのハイブリットのアプローチをとっていて、必要なときだけ証明(zk fraud proof)を生成し、効率化しています。
まもなくトレードに特化した高性能なロールアップ Nord をリリースする予定になっています。
それを使うと、DEXが簡単に独自ロールアップをたちあげることができ、それらは共有メッセージングレイヤーをつかって流動性が共有されます。
2.Movement Labs raises $3.4 million in pre-seed to grow 'Move'
Movement Labsが、$3.4Mドルを調達しました。投資家には、dao5、Varys Capital、Blizzard Fund、Borderless Capitalなどが参加しています。
Movement Labsは、スマートコントラクト開発言語であるMoveをベースにしたネットワークを開発しています。
Avalancheコンセンサスを使ったL1チェーン(M1という名前のチェーン)が作られ、このL1はAvalancheのサブネット技術をベースにしていて、EVM互換性も持ちます。
そして開発者やプロジェクトは、Movement SDKというツールキットを使うことで、Move VMを搭載したappchain(L2)を簡単に作ることができます。
そのappchain同士は相互互換性をもち、またL1チェーンの流動性を利用することもできる、という構造のようです。つまり水平方向にスケールし、垂直方向にコンポーザビリティを持つ、というものです。
3.Mountain Protocol launches yield-bearing stablecoin, announces seed fundraise
Mountain Protocolが、資金調達を発表しました。
CastleIsland Venturesがリードし、Coinbase Ventures, New Form Capital, Daedalusなどが参加しています。
また同時に、バミューダ規制当局の認定をうけた利回り保証型ステーブルコイン「USDM」を発表しました。
このERC20トークンは、米国債の利回りにアクセスでき、かつDeFiプロトコルでも使用できます。利回りは、LidoのstETHのように、毎日リベースというかたちで残高に自動で反映されます。
USDCなどのステーブルコインは、DeFiなどで運用しない限りは利回りはありませんが、USDMは保有しているだけで残高が増えていきます。(米国債の利回り分なので、現在だと年5%前後です。)
4.「EN」ABCDE:Why Are We Investing in Gravity
Gravityが、資金調達をしました。金額はわかりませんが、Delphi Digital、Matrix Partners、ABCDEなどが参加しています。
Gravityは、取引所のUXと、DEXのセキュリティを組み合わせた「ハイブリッド取引所」です。
GMXやdydxのようなデリバティブ取引(Perpetual)のプロトコルで、zkSync上にローンチを予定しています。
ロールアップではなく、Validium(DAがオフチェーン)の方式をとっているので、ロールアップよりもかなり安く、かつ各ユーザーの取引が他のユーザーから見えないようになっています。
※トレードオフとして、セキュリティレベルはロールアップより劣ります
5.Announcing Parallax's $4.5M fundraise!
Parallaxというスタートアップが、$4.5Mドルを調達しました。Dragonfly capital、Circle Ventures、エンジェル投資家のBalaji氏などが参加しています。
ステーブルコインや暗号通貨が使える国境を超えた決済システムを開発しています。
リモートワーカーやフリーランサーが海外から報酬を得るユースケースに重点を置いていますが、出稼ぎ労働者の送金などにも拡大しています。
最初の製品では、米ドルを受け取るために仮想口座をつくることができます。またその米ドルをフィリピン・ペソのような現地通貨に変換することもできます。
ステーブルコインを使用することで、より速く安く送金でき、競合のPayPalやWiseとの差別化を図っています。
6.Portals, the protocol aggregator building ‘One-Click DeFi’, secures $500K seed extension
DeFiプロトコルのアグリゲーターPortalsは、シードエクステンションで$0.5Mドルを調達しました。
Bankless Ventures、DCGなどが参加しています。
Portalsは、ワンクリックでDeFi使えるようにすることを目指しています。#281 Bspeak! 2023年5月8日号でも書きましたが、プロトコルやチェーンの違いを気にすることなく、利用したいトークンだけを選んで、ワンクリックで取引することができます。
金利スワップ、流動性プール、ステーキングなど、複数ステップを1回のトランザクションに束ねることができます。
7.Octav Raises 2.65 Million to Help Label DeFi Transactions
DeFiのラベリングと税金照合プラットフォームであるOctavは、$2.65Mドルのシード資金を調達しました。Nascent、Polymorphic Capital、Parallel Studioなどが参加しています。
DeFi取引を解読するプラットフォームを作っています。他のデータプラットフォームと違い、すべてのデータを理解しやすい形で提供することを目的としています。
最初はDeFiヘビーユーザがターゲットですが、ライトなユーザでも使えるような製品を目指しています。
8.0xPass raises $1.8M from Balaji Srinivasan and others to build secure login systems for web3
0xPassが、$1.8Mドルを調達しました。
AllianceDAO、Soma Capital、Alchemy Ventures、Blockchain Builders Fund、Formulate Ventures、Kommune、Hashed EM、Signum Capital/UOB、Nonce Classic、またBalaji氏などが参加しています。
0xPassは、開発者がいろいろな認証方法をウォレットに組み込むことをたすけるツールです。web2アプリのようなオンボードが提供できるようになります。
0xPassのビジネスモデルとしては、鍵管理システムのアクセス料を使用量にたいして手数料をとる、というモデルになる予定です。
Alliance DAOのインキュベーション発のプロジェクトで、もともとアカウントアブストラクションがメインでしたが、今はMPCを全面にだしているようです。
9.Progressive Decentralization of the RPC Layer: Centralization to Federation
Infuraは、2023年末までに分散化バージョンをリリースする予定との発表がありました。
複数の事業体によって運営されることで、単一障害点のリスクを軽減することを目的としています。(前にも書いたことがありますが、すでに早期アクセスプログラムを開始しています。)
今年の後半には、限られた数のローンチ・パートナーが参加して運営するモデルにする予定です。DAOか財団のどちらかになりそうとのことでトークンが出る可能性もあるかもしれません。
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300号おめでとうございます!