マージのタイムライン
最近は毎週のようにマージの話題をここで触れていますが、今週最後のテストネットマージが行われる予定です。
それがうまく行けば、1週間後の開発者コールでメインネットマージの日程が定まる予定になっています。
Podcastとスポンサーの募集
今年になって何度かPodcast配信をしてほしいという要望がありました。
SubstackにはPodcast機能もついていて、1人でもやろうかと考えていますが、一緒に話す人がいれば、ゆる募集しています。またニュースレター自体のスポンサーも募集してみようと思っているので、Twitter DMかメールを送って頂ければと思います!
■ Last Week in Crypto
1.A Stanford Graduate Raises $2M To Plug Privacy Into The Right Web3 Socket
Socketが$2Mドルのプレシード資金を調達しました。
IDEO Cryptoがリードし、Steel Perlot、CitizenX、LongHash Ventures、OpenSea Ventures、Baraji Srinivasan氏などが参加しています。
SocketはWeb3プライバシーインフラを開発しています。
Tornade cashやAztecなどのプライバシープロジェクトは、通貨やDeFiにフォーカスしていますが、SocketはNFTやソーシャルをターゲットにしています。
具体的には、Socketのアカウントを作成して、そこで自分のNFTの公開条件を設定できるようになり、「誰にも見せない」「友達に見せる」「全員に見せる」などを選択することができます。
また特定のNFTや残高を表示せずに、トークンの所有権だけを表示する、などの選択もできるようになる予定です。
短期的には、(ユーザーのプライバシーを守りながら)クエリ機能を提供することで収益を上げるようです。
2.Capsid: The 1st Marketplace for Non-Fungible Rights
Capsidが、$3Mドルのシード資金を調達しました。投資家は、Distributed Global、SpringWind、Xoogler Ventures、Mask Networksなどが参加しています。
Capsidは、自分のもっているNFTの使用権(コラボ、派生NFT、物販、レンタル、会員権などの権利)を発行するためのプロトコルと、それを売買できるマーケットプレイスを開発しています。
この使用権をNon Fungible Rights(NFR)と呼んでいて、それ自体がNFTになります。
NFRを使うことで、NFTホルダーは所有権を失わずに、NFTを使う権利を貸し出して、収入を得ることができるようになります。そのため、Hold to Earnプロトコルとも説明されています。
まとめると、NFR(Non-Fungible Rights)は、以下のようになります。
NFRは、NFTを特定の方法で使用する権利で、例えば、NFTアートに関連するものを作って売る権利、ゲームアバターを3D化するライセンスなど。
元となるNFT所有者は、ライセンス使用料や派生NFTの売上の一部などの収益を得ることができる。
NFR所有者は、NFTの派生物や関連サービスを開発して収益化する権限を持つ。
NFRを作成するためにNFTをステークする必要はない。
2022年3Qにローンチを予定しています。
3.Sports community platform Stadium Live raises $10M to expand its digital world for Gen Z
スポーツコミュニティのプラットフォームStadium Liveは、$10Mドルを調達しました。
KB PartnersとUSV(Union Square Ventures)がリードし、Dapper Labsや 6th mans Ventures、プロバスケットボール選手のファンドやサッカー選手のファンドも参加しています。
モバイルアプリのStadium Liveは、スポーツを他の人と一緒に楽しむソーシャルアプリです。現在はiOSでのみ利用可能で、10月にはandorid版も出る予定になっています。
アプリ内の自分のアバターをカスタマイズ、デジタルグッズの購入、友人とのチーム作成やチャット、などができます。
また「ルーム」という機能が準備されていて、アバターアイテムを使って下の画像のようなルームを作ることができます。そこで独自のイベントや観戦パーティーを開催するなどができる予定になっています。
おそらくこのルームで使えるアイテムなどがNFTになり、DapperLabsが投資してることからFlowチェーンを利用するのだと推測しています。
4.WAGMI sells tokens for USD 3.35 million to build its metaverse
Solana上のゲームプロジェクトPanzerdogsの開発会社Fragbiteが、完全子会社WAGMI を通じて$3.5Mを調達しました。
投資家はSolana Ventures、Magic Eden、Mysten Labs、Zeeprime Capital、SOLBigBrain、The Sandboxの共同創業者、などが参加しています。
今回はまもなくリリースされるゲーム内トークンによる調達になっていて、パブリックのセールは年末に予定されています。
Panzerdogsで成功したこともあって、次回の新しいゲームに投資が集まっているようです。Mysten Labsが提携しているので、新しいL1チェーンのSuiでWeb3ゲームを作るのかもしれません。
5.Coinfeeds Raises $2M Seed Raise and Launches Web3 Community Monitoring App
Coinfeedsは、FTXベンチャーズ、Coinbaseベンチャーズ、Protocol Labs、Huobiベンチャーズ、Y Combinatorがリードで、$2Mドルを調達しました。
Coinfeedsは、web3やNFTのプロジェクトに関するソーシャルメディア(Twitter、Discord、Telegram)上の言及や活動をモニターするツールです。
データは自動でキュレーションされて、何が重要かをリアルタイムでピックアップするのを手助けするものです。
すでにアプリを立ち上げていて、無料版と有料版があります。例えば、センチメントを元に分析して洞察を伝えてくれる機能は、有料になっています。また機関投資家やプロユーザー向けのAPIサポートもあります。
さらにNearやThe Graphのようなプロジェクトと提携し、それらのコミュニティのソーシャル情報をモニタリングして、まとめる機能もだしています。
6.Debt DAO raises $3.6m led by Dragonfly Capital
新しい融資プロトコル Debt DAO が、$3.5Mドルを調達しました。
Dragonfly Capitalや、GSR、Numeus、Fasanara Capital、元Coinbase CTOのBalaji Srinivasan氏やTrueFiのRyan Rodenbaugh氏、Chainlink LabsのDavid Post氏などが参加しています。
Debt DAOを利用すると、DAOやプロトコルがオンチェーンの収益を元に、資金を借り入れることができます。もし資金を返せなくなった際は、Spigotと呼ばれるスマートコントラクトが、オンチェーン収益で自動的に返済をします(つまりデフォルトの際はオンチェーン収益で貸し手を保護します)。
借り手となるDAOやプロトコルとしては、将来の収益ベースにお金を借りることができ、ネイティブトークンを売り払わなくてよくなる、というのが利点と言えます。
またDebt DAOは、DEBTトークンというユーティリティトークンを出す予定です。ローンを開始する際の手数料の支払いや、ステーキング報酬にも利用される予定になっています。
7.Quasar Finance Raises $6,069,420 to Help Bring Mass Adoption to DeFi on Cosmos
Quasar Financeが$6Mドルを調達しました。
Polychain CapitalとBlockchain Capitalがリードし、Figment、Lightshift Capital、Galileo、Binary、HashCIB、などが参加しています。
Quasarは、DeFi利用に特化したアプリ固有チェーンを開発します。Cosmosベースのチェーンになっていて、CosmosエコシステムのいろいろなチェーンのDeFi利用を簡単にし、流動性ハブのポジションを狙います。
将来的には、Polkadot、Near、その他のチェーンへの展開も可能としています。
8.Bitcoin beach wallet creator Galoy raises $4 million
Galoyが$4Mドルを調達しました。Galoyはビットコインのライトニングネットワークを決済に使えるようにするツール群を提供しています。
またこの資金調達と同時に、「Stablesats」という機能を立ち上げています。
これはビットコインを担保に、擬似的なUSドル残高を作る機能で、ユーザが法定通貨やステーブルコインを使わずにUSドルを送受信したり保持することを目的としています。
裏ではウォレットが、ユーザーのビットコインを担保として取引所(現在はOKX)に預け、この逆無期限先物を購入して、ドルの担保となるBTCをヘッジすることで、機能します。
9.NFT counterfeit detector MarqVision raises $20 million in Series A funding
AIを使って偽物を検出するMarqVisionが、$20Mを調達しました。
投資家にはDST Global Partners、Atinum Investments、Softbank Ventures、Bass Investment、Y Combinatorなどがいます。
MarqVisionは、NFTの偽物を検出するだけでなく、マーケットプレイス上の物理的なアイテムや、ソーシャルメディア上の偽物を見つけることを目標としています。
10.Volare Finance Raises Over $6 Million in Private Round, Backed by DCG, Ava Labs, & etc.
Volare Financeは$6Mドルの資金調達を発表しました。DCG、Arrington Capital、Ava Labsなどが投資しています。
Volareはオプション取引のプロトコルです。ヨーロピアンオプション、エキゾチックオプションなどのDeFiオプションを提供します。
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