zk University(zku)
先週 Hakwan Lau教授とお話する機会がありました。脳科学が専門の方ですが、最近は zk Universityという「ゼロ知識証明」の技術を学べるオンラインコースを主催しています。
このzkuは、Harmonyによって資金提供されていて、今後重要になりそうなゼロ知識証明の分野に投資をするためのHarmonyの取り組みとも言えます。
コース自体は、「zkを学びながら報酬が得られる」という良い仕組みで、次回分がもうすぐ始まるので、ぜひ見てみてください(以下の動画に出てらっしゃるのがHakwanさんです)。
zkuは、2022年5月初旬にスタートする「ゼロ知識証明技術を使ったプロダクトの作り方を学ぶ」オンラインコースの参加者を募集しています。コースは無料であるだけでなく、課題をクリアすることで最大$3,000ドル、また最終プロジェクトのローンチ時には最大年間$15,000ドルを生涯にわたってベーシックインカムとして得ることもできます。Solidityにあまり詳しくない方には、プレトレーニングコースもご用意しています。登録と詳細については、harmonyzku.one をぜひご覧ください。
ちなみに今週はアムステルダムでカンファレンスやイベントが多くあり、人と会うために自分も参加してきます。来週分では、それについて少し書ければと思っています。
■ Last Week in Crypto
1.Web3 'follow' app Context announces $19.5 million seed round
Contextが、$19.5Mを調達しました。Variant FundとSam Altman(OpenAIのCEO)がリードしています。またDragonfly Capitalや、Loot創設者のDom Hofmann氏、Zoraの創業者Jacob Horne氏などのエンジェル投資家が参加しています。
Contextでは、他の人のウォレットをフォローすることができます。またTwitterでフォローしている人にリンクされているウォレットを自動的に見つける機能も最近つきました。
友人やインフルエンサーのウォレットを見ることが、Web3時代の「フォローやサブスクライブ」の概念になるかもしれません。
2.Nomad Raises $22M Seed Round for Security-first Interoperability
ブリッジを開発する Nomad が $22Mを調達しました。
Polychainがリードし、1kx、 Ethereal、Circle Ventures、 Amberなどが参加しています。
Nomadの創業チームは、もともとSummaという企業の人たちで、2017年あたり前からブリッジを研究開発しています。たとえばKeepのtBTCや、NearのAuroraEVMの開発も担当していて、おそらくCeloのブリッジもこの人達が作っていました。
そして研究と開発の結果、Optimistic Rollupと同じように Fraud Proof(不正証明)を利用するブリッジにいきつき、Nomadとしてスケールさせていくそうです。
今後3-6ヶ月の予定として、より多くのチェーンにブリッジを展開し、またプロトコルの分散化を進めるとしています。
Loopというスタートアップが、a16zをリードに$4Mドルを調達しました。
A_capital、Alchemy Ventures、CoinListなどに加えて、PanteraのPaul Veradittakit、Imran Khan、NansenのAlex Svanevikなどのエンジェル投資家が参加しています。
Loopは、元々bloXrouteにいた2人が創業し、Web 3の決済ツールを開発しています。特に、クリプトでのニュースレター購読や従業員への支払いなど、「定期的なトランザクション」を簡単にすることを目標としています。
この領域では、Diagonal(Superfluid利用)やMeanFiなどがあります。
定期支払やサブスクリプションでの利用
DAOやマルチシグウォレットが必要になると、定期的な支払いは大変になります。例えばDAOが貢献者に支払おうとすると、年に12回、複数の鍵の所有者が署名する必要があります。
そこでLoopを利用すると、1回の署名をすれば、設定した金額を定期的にウォレットから自動的に支払うことができるそうです。
例えば毎月20ドルのニュースレター購読した場合も、毎月自動でウォレットから支払うことができます。
現在テストがされていて、6月にアルファ版の公開を予定しています。トークンについてはまだ検討していないようですが、分散ガバナンスの可能性があるようなことをコメントしています。
4.RociFi Labs Raises $2.7M to Enable On-Chain Credit Scoring for DeFi
レンディングプロトコルの RociFi は、$2.7Mドルを調達しました。Arrington Capital、Goldentree、Nexo、LD Capital、Skynet Tradingが参加しています。
RociFiは、オンチェーンのクレジットスコアを使って、担保過剰でない借り入れ、または無担保の借り入れをできるようにする予定です。
仕組み
オンチェーンデータ、TwitterやGitHubのアカウント、DAOへの参加、NFT所有、分散型IDなどの情報を参照します。それらに基づいて、1から10までのクレジットスコアが割り当てられ、このクレジットスコアが「NFT」として作られます。
クレジットスコアの数字が低いほど、低リスクの借り手であることになり、例えば1では無担保で借りることができます。現在テストネットで試すことができ、2Qにメインネットローンチが予定されています。
このようなNFTのアイデンティティや、オンチェーンのクレジットスコアは良いアイデアなので、別のところで使い回せる共通の規格がそのうち出てくればよいと思っています。
5.Dfns Raises $13.5M to Build Out Password Protection for Crypto Wallets
パリ拠点のウォレットスタートアップ「Dfns」が、$13.5Mドルを調達しました。
White Star Capitalがリードし、Hashed、Susquehanna、Coinbase、オランダの銀行ABN AMROなどが参加しました。
Dfnsは、ウォレットの秘密鍵を分割して、その断片をP2Pネットワークに分散させることで、企業などが暗号通貨を安全に管理できるようにすることを目的としています。
6.Uniswap Labs launches venture unit to invest in web3 projects
Uniswapの開発企業であるUniswap Labsが、ベンチャー投資部門「Uniswap Labs Ventures」を立ち上げました。
ファンドの規模は明らかにされていませんが、Uniswap Labsのバランスシートから直接投資されるらしく、すでにMakerDAO、Aave、Compound Protocol、PartyDAO、LayerZero、Tenderlyなど11社のスタートアップやプロジェクトに投資してきたことを明らかにしています。
また投資先の支援の一環として、ガバナンスにも積極的に参加するとし、まずはMakerDAO、Aave、Compound、ENSのガバナンスに参加すると表明しています。
7.Ignite (formerly Tendermint) launches $150 million accelerator for Web 3 projects
Cosmosの中心開発チーム Ignite (元Tendermint) がWeb 3に特化した新しいスタートアップアクセラレータを開始しました。以下の11社が$150Mドルを投資し提携しています。
Alameda Research、KuCoin Ventures、OKX Blockdream Ventures、Hashkey Capital、Chorus One、Figment、Chainlayer、Strangelove Ventures、Forbole、Everstake、Galileo
このプログラムは、6ヶ月間のコースを年に2回実施し、参加者は12ヶ月以内にメインネットにローンチさせることを目指すという内容になっています。そしてIgniteは年間最大20のプロジェクトを支援する予定です。
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