Uniswapトークンのステーキング
Uniswap財団が、ガバナンスの変更を提案しました。UNIトークンを委任して、ステークしたユーザーに手数料を分配する仕組みも含まれています。
面白いのは「Uniswapに溜まる手数料を分配のためにETHに変換する」というプロセスを、外部アクター(裁定機会をねらうすべての人)に任せている点です。
どのようなものかというと、「誰でも、ステーキングコントラクトに10 ETHをデポジットすることで、あらゆるプールのすべての手数料を受け取れる」ようにします。
これにより、外部アクターが、完璧な瞬間をねらって「手数料が10 ETH相当の価格を少し超えたらすぐclaimする」となるので、内部にオラクルを必要としない最適な実行がされます。
(この外部アクターは、レンディングプロトコルでポジションの清算を実行するkeeperのような立ち位置です。)
ステーキング報酬の分配の流れ
具体的な数字はまだ暫定ですが、以下のように提案されています。
報酬の払い出しは ETH
報酬の額は 10 ETH
期間は30日
流れとしては、(あるプールの手数料がclaimされ)ステーキングコントラクトに10 ETHの報酬が入ったら、そこから30日間かけて、UNIステーカーに比例配分されていきます。
単純なケースとして、アリスだけが 10 UNI をステークしたとします。アリスは報酬のすべてである10 ETHを、30日間かけて獲得します(1日あたり 0.33 ETH)。
この30日間の途中で、ステーキングコントラクトに新しい10 ETHが入ったとします。
3日目にそうなったとすると、報酬プールが19ETHになるため、今後は30日間かけてこれを獲得していきます。そのためアリスは1日あたり0.633 ETHを獲得することになります。
アリス以外のUNIステーカーがいるときは、比例配分になります。例えばボブが、アリスと同じように10UNIステークしたとすると、アリスとボブはそれぞれ50%ずつ受け取るので、0.633 ETHを50%ずつ受け取ります。
UNIホルダーへの手数料還元は長年期待されていたため、この提案のあとUNIは50%ほど急騰しました。配当とみなされて証券に認定されないのかが気になりますが、実装されればトークンに価値が獲得されるモデルだと思います。
そしてこれが可能になるのであれば、「プロトコル収入をトークンステーカーに配分する」というモデルを他のプロジェクトも真似するでしょうし、Pacmanの投稿をみてるとBlurもすぐに取り入れてきそうです。
■ This Week in Crypto
1.Modular blockchain developer Inco raises $4.5 million, launches first testnet
プライバシー特化のモジュラー型ブロックチェーンIncoが、シードで$4.5Mドルを調達しました。
1kxがリードし、Circle Ventures、GSR、Polygon Ventures、Robot Ventures、Alliance DAO、zkSync開発元のMatter Labsなどが参加しています。
Incoは、Cosmos SDKをつかったチェーンで、EigenLayerでセキュリティを高めています。
FHEという暗号技術をつかって、アプリにプライバシーを持たせることができます。
2.Andreessen Horowitz invests $100 million in restaking project EigenLayer
a16z cryptoが、EigenLayerに$100Mドルを投資しました。このシリーズBは、a16z cryptoのみが投資しています。
EigenLayerは、このニュースレターでも何度も触れていますが、リステーキングによって、Ethereum validatorから「経済的セキュリティ」を借りることのできるプロトコルです。
すでにEigenLayerのリステーキングには、$8 bドル近いお金がロックされています。
3.Bitcoin Zero-Knowledge Rollup Citrea Raises $2.7M in Seed Funding
Chainway Labsは、$2.7Mドルを調達しました。Galaxy Venturesがリードとなり、Delphi Ventures、DA特化チェーンAvailの共同設立者Anurag Arjun氏などが参加しています。
こなプロジェクトは。ビットコインの ZKロールアップ「Citrea」を開発しています。EVMをベースになる予定で、Q2にテストネットをリリースする予定になっています。
Farcaster上で生まれたmemeコインのプロジェクト $DEGENが、資金調達をしました。1Confirmationがリードとなり、Farcasterユーザが参加し、490ETH($1.5Mドル)を調達しています。
5.Helius raises $9.5 million Series A round to expand platform for developers on Solana
Solana上の開発者プラットフォームであるHeliusは、シリーズAで$9.5Mドルを調達しました。
Foundation Capitalがリードし、Reciprocal Ventures、6th Man Ventures、Chapter One、Propelなどが参加しています。
Heliusは、開発者が簡単にSolana上でアプリを作れるツール群を提供しています。これまでJupiterのエアドロップやHeliumのSolana移行などを支援してきているそうです。
6.Clave's Breakthrough: $1.6M Pre-Seed Investment Round is Completed
Claveが、プレシードで$1.6Mドルを調達しました。zkSyncを開発するMatter Labsがリードになっています。
Claveは、zkSync上のモバイルウォレットで、Face IDだけでアカウントを作ることができます。またアカウントアブストラクションを使って、ガス手数料を支払う必要のないトランザクションやアカウント復元など、簡単にブロックチェーンを使うことができるようにしています。
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