StripeのL1 「Tempo」について
StripeとParadigmがとりくんでいる、決済に特化したブロックチェーン「Tempo」ですが、もう少し詳細が発表されました。すでにAnthropic、Deutsche Bank、DoorDash、Nubank、OpenAI、Revolut、Shopify、Visaなどの企業と提携しているそうです。
Tempoの主な目的はペイメントで、決済や送金などステーブルコインの利用を念頭に置いて設計されているようです。そのため機能やスペックとしては、
手数料は低く、予測可能(突然スパイクしない)
組み込み型 AMM があり、ステーブルコインでガス代の処理ができる
決済むけのUX(メモ、アクセスリストなど)
オプトイン型のプライバシー
スケーラブル(10万TPS以上、かつ1秒以内のファイナリティ)
Reth上でつくられ、EVM 互換をもつ
となっています。
またEthereum L2ではなく、独自L1としてつくっている理由としては、「パートナー企業たちは分散したバリデータをもっているチェーンかどうか気にするから」としています。(表向きにはこういっていますが、本音は違うと個人的には思っています。)
■ This Week in Crypto
1.Story-based IP tokenization platform Aria raises $15 million at $50 million valuation
Aria は、$15Mドル を調達しました。Polychain Capital と Neoclassic Capital がリードし、Story Protocol財団なども参加しています。
Ariaは、Story上で、音楽IPのトークン化をするプラットフォームです。
2025年2月には、Justin Bieber、BTS、Miley Cyrus の楽曲の「印税をうけとる権利」を裏付けとしたトークン「APL」をリリースしています。
今後、アート、映画、TVなどに拡張する予定になっています。
収益は、IPトークン化のときの手数料や、取引&ステーキング手数料、IPのストラクチャード商品などから得る予定になっています。
Wildcat Labsが、$3.5Mドルを調達しました。Robot Venturesがリードしています。
レンディングプロトコル「Wildcat」を開発していて、貸し手と借り手が自由にパラメータを設定でき、AaveやCompoundと違って、担保が100%以下でも借り入れができます。
収益モデルは、借り手が払うAPRの5%をプロトコル手数料として徴収する方式です。たとえば金利10%のとき、借り手は10.5%を支払うことになります。
すでに利益をだしていて、Wintermuteなども借り手として利用しています。
前に少し触れたことがあるEtherealizeという組織が、$40Mドルを調達しました。
Electric CapitalとParadigmがリードしています。
Ethereumは、元Ethereumのマージを仕切ったDanny Ryan氏と、元ウォール街トレーダーVivek Raman氏がすすめている組織です。
機関投資家向けにEthereumやETHを提案する活動や、ZKプライバシーのインフラや、トークン化された債券市場のための決済エンジンとアプリの開発も進めています。
Plural は、$7.13Mドル のシードラウンドを発表しました。Paradigm がリードし、Volt Capital、Maven11、Neoclassic Capital も参加しています。
Pluralは、再生可能エネルギー(電力の生成・消費・保存・送電)に投資するためのインフラを開発しています。電力をトークン化して売買できるようにするようです。
5.A16z-backed Lead Bank hits $1.47 billion valuation with $70 million raise
フィンテック・クリプトに強い銀行 Lead Bank が、シリーズBで $70Mドル を調達し、評価額は $1.47Bドル に到達しました。
今回のラウンドには、新規投資家として ICONIQ と Greycroft が参加し、既存投資家である a16z、Ribbit Capitalなども引き続き出資しました。
Banking-as-a-Service プラットフォームを拡大し、Stripe や Visa と提携し、ステーブルコイン決済カード「Bridge」を支援するなど、フィンテック・クリプト分野での存在感を強めています。(上のTempoとの連携も発表しています。)
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