ストラテジー社のSTRCと、その利回りをDeFiに持ち込むSaturn
#435 Bspeak! 2026年5月11日号
Austinへの引っ越し
起業のために、2024年からSan Francisco・ベイエリアに住んでいましたが、最近テキサスのAustinという街へ引っ越しました。
カリフォルニアは生活費が高く、また家族で生活するには危険なところも多いと感じたためです。(独り身であれば New YorkやSan Francisco は機会も多くいいところだと思います。)
Austinについてですが、街と自然のバランスがよく気に入っています。また、ベイエリアほどではありませんが、起業家や投資家も増えてきています。
ちなみにここ数年(特に2020年以降)で、税制や政治的理由から、カリフォルニアからAustin に移住する人が増えています。有名な人でいうと Joe Rogan や Elon Muskなどが移り住み、Teslaの本拠地もAustinに移しています。
また最近カリフォルニアでは、「billionaire tax」という課税が提案され、2026年11月に住民投票にすすむ見込みですが、それが流出をうながしてしまっているようです。
「$1B 以上の資産に対して5%」の課税をするものですが、未実現の利益も対象になるため、まだ現金化できないスタートアップ創業者などは払うことができず移住せざるを得ない、という問題を抱えています。これが本当に通るかはわかりませんが、こういった税制・政治的背景で、All in PodcastのDavid Sacksも半年前に移住したとポッドキャストで言ってました。
ヒューマノイドと1X
クリプトプロジェクトに早いステージで投資することができるプラットフォーム「echo.xyz」というのがあります。過去の例として、MegaETHなどの大型のプロジェクトにアーリー投資することができ、プライベート投資を民主化しています。(最近Echoは、Coinbaseに買収されています)
私自身は、ユーザ登録だけして使っていなかったのですが、先週echoから初めて通知がきました。それはロボット・スタートアップの 1X に投資できる(セカンダリーとして既存投資家から買える)というもので、クリプトプロジェクト以外も取り扱っているとは知らなかったので、これは新しい発見です。
ヒューマノイドロボット(人型ロボット)は大きな市場になるとおもっているので、勉強も兼ねて、1Xに投資してみることにしました。
アメリカでみている感じでは、ヒューマノイドロボットとして有望なのは、Tesla(Optimus)と Figure AI ですが、1Xも家庭用ロボットとしては一番早くに市場に製品を届けそう(2026年に出荷予定)なので良いポジションにいると思っています。
事前オーダーも始まっていて、1台 = $20,000ドルまたは月$499ドルのサブスクで注文することができます。
個人的にヒューマノイドロボットは、月5万円とかで家事代行サブスクを提供するようになっていくと思っていますが、それも「次の10年」ではなく「今後3-4年で起こる」ような変化だと思っています。
San Francisco市内では、ここ数年で、タクシーの4分1が自動運転タクシー(Waymo)になったことを考えると、家庭用ロボの普及が急速にすすむのも不思議ではありません。
■ This Week in Crypto
Bitcoin上のクレジットレイヤーを開発するSaturnが、シードで$2Mドルを調達しました。The Spartan Groupがリードし、Anchorage、Susquehanna Cryptoなどが参加しています。
簡単にいうとSaturnは、最近話題となっている「STRC」をつかったDeFiプロジェクトです。このSTRCとは、Strategy社が発行している「高利回りの優先株」で11.5%の年利を提供しています。
これまでSTRCは米国の証券口座経由でしかアクセスできませんでしたが、Saturnでは米国外のステーブルコインユーザが、STRCの利回りを享受することができます。
具体的には、ユーザは、「USDat」という米国債を裏付けとするステーブルコインを買うことができ、それをステークすると、STRCの利回りを得られる、ということのようです。フロントエンドでは現在、9.71%のAPYとなっています。
TVLは$125Mドルを超えていて、他のDeFiでも利用できるため、
Morphoを使った資本効率の高いSTRC運用
Pendleによる固定/変動金利マーケット
Stacks上へのSTRC展開
などに使うこともできます。
また将来的なガバナンストークンの初期供給量の最大5%を、Season 1参加者向けに割り当てる予定であることも発表しています。
オンチェーン再保険企業OnReが、$5Mドルを調達しました。
Solana特化のトレジャリー企業であるForwardと、RockawayXが共同でリードしています。
さらにForwardは、OnReの利回り付きトークン「ONyc」に最大$25Mドルを投入する予定です。
このOnReという会社は、バミューダで認可された再保険会社です。
利回りトークンであるONycは、引受された再保険リスクの分散ポートフォリオへのエクスポージャーを得ることのできるRWAトークンで、従来は大手機関投資家しかアクセスできなかった再保険市場をオンチェーン化し、アクセスを民主化しているといえます。
またトークン化による利点でもありますが、Solana上の主要DeFiプロトコルに統合されていて、レンディング、借入れ、ループ戦略(レバレッジ)などの担保として利用できます。
3.OpenTrade raises $17M to expand stablecoin yield infrastructure after topping $200M TVL
ステーブルコイン利回りインフラを開発するOpenTradeが、$17Mドルを調達しました。
Mercury FundとNotion Capitalがリードし、a16z crypto、AlbionVC、CMCC Globalなども参加しています。
OpenTradeは、機関投資家向けのレンディングおよびステーブルコイン利回りのプラットフォームです。
今回の資金で 「Curation+」というVaultのキュレーションを進めていく予定です。
これは、フィンテック、ネオバンク、トークン発行体むけに、RWAとオンチェーン資産を組み合わせた利回り戦略を設計する仕組みです。
一般的なDeFiのVaultキュレーターは、プロトコルを選ぶことが中心ですが、OpenTradeでは、規制準拠の資産運用管理を活用し、RWAとオンチェーン金融商品を組み合わせたポートフォリオ設計をします。
また「position-tracking token(ポジション追跡トークン)」によって、従来金融やオンチェーンの資産発行体が、独自インフラなしでDeFiへアクセスできるようにしています。
2025年に$250Mドル以上の取引量を処理しており、2026年末までに$1Bドル超へ拡大する見込みだとしています。またTVLは$200Mドルを突破しています。
4.Payward to Acquire Reap to Expand B2B Offering with Global Payments Infrastructure
Krakenの親会社Paywardが、ステーブルコインのカード発行・決済インフラを開発する「Reap」を、最大$600Mドルで買収すると発表しました。現金とPayward株式による支払いになっています。
Reapは、クレカネットワーク、銀行レール、ステーブルコイン決済を統合したAPIベースのインフラを開発していて、法人カード発行やクロスボーダー送金などを提供しています。2025年には売上と決済量が約3倍に成長したとしています。
5.Coinbase doubles down on Centrifuge investment, taps platform as tokenization partner for Base
Coinbaseが、RWAのトークン化プラットフォームを開発するCentrifugeへの戦略投資をし、さらにBase上でのトークン化パートナーとして採用しました。
Centrifugeは、ETF、クレジットファンドなどの金融資産を、オンチェーンで取引可能にするするインフラを提供します。トークン化、コンプライアンス、利回りAPI、DeFi接続などをまとめた、Coinbaseの流通網と組み合わせることで、機関投資家むけに拡大を狙います。
またCentrifuge最近「deSPXA」をリリースしています。これは S&P 500ファンド「SPXA」への価格連動し、
Janus Hendersonが運用
S&P Dow Jones Indicesと提携
という構成になっています。
これによって株式インデックスファンドへのアクセスをひろげ、24時間、流動的にトレード可能にします。
6.Ekiden has raised $2M to bring institutional-grade, high-frequency trading infrastructure on-chain
Ekidenが、オンチェーン上で機関投資家向けの高頻度取引(HFT)インフラを開発するために、$2Mドルのシード資金を調達したことを発表しました。今回のラウンドには、Aptos、GSR、Flowdeskなどが参加しています。
Ekidenは、HFTむけのパーペチュアル取引所を開発しています。
特徴として、
15ms未満の約定速度
Merkle proofを使ったオンチェーン決済
composableな設計
FIX / CCXT API対応
などをあげています。
ぜひ今週分をシェアお願いします🎉
☕ Twitter: @CoffeeTimesTW
☕ バックナンバー: Substackのアーカイブからご覧ください。


