dAppsのUXを良くする『Slide』
Ethereumマージ
今週いよいよEthereumマージが完了する予定になっています。カウントダウンをするサイトによって、予定時刻にバラつきがありますが、今週の木曜あたりになっています。
ちなみにTwitterを見ていて知ったのですが、Googleで The Mergeと検索すると、カウントダウンが表示されるようになっていました。
クリプトとゲーム
最近はゲームプロジェクトや、ゲームに投資するファンドも増えています。
個人的には、ゲームでいうとStarkNet上でのオンチェーンゲームに興味を持っています。クリプトネイティブなゲームとして、何か面白い仕組みを組み込んだものが出てくるかもしれません。
もう1つ興味があるのは「クリプトをまったく意識しないゲームだけどプレイしてるうちにバックエンドではNFTを獲得している」というモデルのゲームです。ここについては今後少し書こうと思っています。
■ Last Week in Crypto
１．Crypto Startup Slide Raises $12.3M to Connect New Users to Web3 Apps
Dappsに良いユーザ体験を提供するプロジェクトSlideは、$12.3Mを調達しました。
PolychainとFrameworkがリードとなり、Coinbase Ventures、Circle Venturesなども参加しています。
Slideは、メールアドレスでウォレットを作れたり、クレジットカードでNFT購入ができるようにする機能を、dapps側に提供しています。
今回の資金調達と同時にステルスモードから抜け出し、複数のパートナーとクローズドなローンチをしています。年内には完全にオープンなローンチをする予定になっています。
２．Mysten Labs, creator of the Sui blockchain, closes $300 million raise led by FTX Ventures
ブロックチェーンSuiを開発するMysten Labsが、$300Mを調達しました。
FTX Venturesがリードで、a16z Crypto、Jump Crypto、Binance Labs、Coinbase Ventures、Circle Ventures、Lightspeed Venture などが参加しています。
半年前に書いたことがありますが、元Facebookの人たちが開発しているチェーンです。— 2022年3月28日号「元Metaエンジニアが発表したブロックチェーンSui」
クリプト開発のためのプログラミング言語「Move」を作ったのも、Mysten Labsのチームです。
Sui自体はマスアダプションを目的としたチェーンで、前にも書いたように、ゲームや分散型ソーシャルメディアに最適なチェーンにしたいようです。
特にゲームNFTに注力していて、「ゲームをすることで変化するNFT」などの機能も開発されています。
例えば、「ドラゴンを倒した剣（NFT）が、火を放つ能力を得られる」といった変化機能です。
デモ動画もいくつかあがっていて、機能が説明されています。
３．B+J Studios Raises $10 Million to Bring NFT Super-Apps to Life
B+J Studios が、$10Mドルを調達しました。
Brevan Howard Digital、Big Brain Holdings、 Foundation Capital、 Starting Line、 Republic Capital、 Solana Labs幹部などが投資しています。
B+J Studiosの最初のプロダクトのCupcakeは、物理的なアイテムを使って、NFTを取得するときのプロセスを簡単にします。
ユーザーは、Cupcakeの開発した「NFCタグ」にスマホを近づけると、すぐにウォレットを作成でき、NFTをその場でミントすることができます。メタトランザクションを利用していて、ユーザはガス代を払わなくて良くなっています。
実際にLollapaloozaというシカゴの音楽フェスで利用されました。
参加者は会場で宝探し（Cupcakeのタグ探し）をして、スマホを近づけてNFTを集め、NFTを持ってる人は舞台裏に入れるようになったり、他のファン体験ができるようにしています。
４．DeFi investing platform Credix raises $11 million in Series A round
分散型クレジットのCredixは、$11.25Mドルを調達しました。Valor Capital Group、Victory Park Capital、ParaFi Capitalが参加しています。
CredixはSolana上に作られているクレジット市場で、機関投資家と新興市場のフィンテック企業をマッチングします。Goldfinchにも似ていますが、新興国の借り手が資本にアクセスできるようにするためのプラットフォームと言えます。
投資家は、個々の案件を引き受ける機会（高リスク高リターン）や、流動性プールに投資する機会（低リスク低リターン）を利用できます。
借り手は、新興国のフィンテック企業がメインで、USDCで資金を受け取って、それを現地通貨に換えて現地の人たちに貸し出しをします。
借り手は、クリプトを担保にする必要はなく、オフチェーンの法的契約と現実世界の資産（ローン、債権、車など）が担保になります。
すでにブラジルで事業を開始していて、今年後半にはメキシコとコロンビアへの事業を開始する予定です。また今後ガバナンストークンも発行する予定になっています。
５．Former Revolut employees raise $78 million for web3 energy startup
Web3 × エネルギーのプロジェクトTesseractが、$78Mドルを調達しました。株式とトークンによる調達になっています。
BaldertonとLakestarがリードし、Accel、Low Carbon、Ribit Capital、Box Group、Creandum、元F1レーサーNico Rosberg氏などが投資しています。
Tesseractは、元Revolutの幹部が創業した企業です。詳細は明らかになっていませんが、insiderの記事によれば、電力企業から固定価格で電力を買いつけて、それを個人に提供する予定になっています。
電力購入契約（PPA）をトークン化し、例えば1トークン=1ワットの電力を使う権利とするそうで、ウェブサイトでは「最大で10倍安い」「手数料無料のエネルギー」を説明されています。
６．Web3 wallet Omni raises $11 million in seed funding at a $50 million valuation
ウォレットを開発する「Omni」が、$50Mドルの評価額で$11Mドルを調達しました。Spartan Group、GSR Ventures、Eden Block、Lattice Capitalなどが参加しています。
前はSteakwalletという名前のウォレットでしたが、ウォレット内でスワップが簡単できたり、20以上のプロトコルにステーキング（Liquid Staking含むステーキング）ができるようになっています。
また、ウォレット内でブリッジを使って違うブロックチェーンにトークンを移動したり、モバイルアプリで色々なブロックチェーン上のNFTを表示したりすることができます。
今は主要なEVMチェーン、Arbitrum、Optimism、PolygonなどのL2で使うことができ、zkSyncとStarknetもサポート予定になっています。
FWB創業者である Coopahtroop氏 が、クリプト+音楽のアーティストやスタートアップに投資するファンド「Coop Recordsファンド」を立ち上げました。
レーベルとストリーミングのサービスが権力を握ってる業界を、NFTで変えたいとしています。つまり、アーティストがレコード会社に曲を売ることなく、自分で資金を集めて、自分の作品から利益を得ることができることを目標としています。
Coop Recordsファンドは、インキュベーター、VC、レコード会社の役割となって、アーティストが上記のようにできることをサポートしていく予定になっています。
８．Binance Labs Co-leads the Seed Round for Hooked Protocol to Drive Community-Owned Economies
BinanceとSequoiaが共同リードとなり、Hooked Protocolがシード資金を調達しました。金額はまだ発表されていません。
Hooked Protocolは、トークンを利用したコミュニティ主導のソーシャルネットワークを構築しているようで、ユーザーは、学んだり稼いだり、ゲームをすることができる予定です。
まずはBNBチェーンで開始され、その後他のL1に拡大される予定です。
Arweaveチェーン上のプロジェクトを支援する企業Community Labsが$30Mドルを調達しました。
Lightspeed Venture がリードし、Arweave、Bain Capital Crypto、Blockchain Capital、Distributed Globalなどが参加しています。
Arweaveは分散型データストレージのプラットフォームとして選ばれることが多く、最近ではウクライナ戦争を記録したツイートや動画などをアーカイブするために利用されています。
Community Labsは、Arweave上のDEXである「Verto」も開発していたり、Arweaveを使ったNFTストレージのサービスを開発しています。
１０．Gameplay Galaxy raises $12.8M for Web3 competitive gaming platform
Gameplay Galaxyは、$12.8Mドルを調達しました。
Blockchain Capitalがこのラウンドをリードし、Merit Circle、Com2uS、Mysten Labs、Solana Ventures、Yield Guild Games、Hustle Fundが参加しました。
web3ゲームを開発していますが、Mysten LabsとSolana Venturesが支援していることから、SuiとSolana上のゲームになるのかと思います。
ユーザーは、レースに出場して稼ぐことができたり、NFTを獲得することができるようになる予定です。これらのクリプト要素は必須ではなく、クリプトを意識せずゲーム単体でプレイもできるようにするそうです。
AI開発インフラのSpice AIは、$13.5Mドルを調達しました。
Madrona Venture Capitalがリードで、Blackbird Ventures、Basis Set Ventures、Alumni Ventures Blockchain Fundなどが参加しています。
メインのプロダクトであるspice.xyzは、ブロックチェーンのデータをSQLベースで探索できて、機械学習アプリやAIアプリの開発を助けることが目的になっています。
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