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Siloインタビュー / 分散型ソーシャルグラフCyberConnect

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Siloインタビュー / 分散型ソーシャルグラフCyberConnect

#205 Bspeak! 2021年11月22日号

TheCoffeeTimes ☕
Nov 21, 2021
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Siloインタビュー

今回はETHGlobalハッカソンで賞をとったSiloの創業者にインタビューをしました(いつも通り、原文である英語は Mirror上 で公開します)。

本文にも登場しますが、Fei、Frax、Reflexerの創業者などからシード資金を調達したようで、近々Gnosis Auctionによるトークン配布も予定しています。(ちなみにこれらの情報はまだアナウンスされていなく、Bspeak!の読者が世界で初めて知るそうです☕)

パーミッションレスのレンディングは、今後3-6ヶ月で盛り上がり、DAOやトークンにとって重要なパーツになると思っています。

 

それでは以下、インタビューになります。

f:id:CoffeeTimes:20211121085957p:plain

サイロについて

CoffeeTimes: Aihamさん、こんにちは! Siloとは何か、簡単に教えてください。

 

Aiham: Siloプロトコルは、Uniswapが流動性に実現したことを、レンディングで実現します。どういうことかというと、好きなトークンを担保にして、別のトークンを借りることができるようになります。これを、1)パーミッションレスで、2)リスクを隔離した、レンディングプロトコルで実現します。

 

CoffeeTimes: どのような仕組みになってるんですか?

 

Aiham: 「サイロ」と呼んでいる隔離されたマネーマーケット(プール)によって実現します。このサイロは、ブリッジアセット(ETHなど)とトークンの2つのみを扱うプールです。

そしてブリッジアセットが全サイロを接続します。

f:id:CoffeeTimes:20211121090124p:plain

例えばSiloプロトコルに、$UNI-ETH のサイロと、 $BAL-ETH のサイロがあるとします。

ユーザは UNIサイロに$UNIを担保として預け、BALサイロから$BALを借りることができます。この裏側では、Siloプロトコルが2つの完全に分離されたポジションを作ります。

  • $UNIを預けてETHを借りる(ポジション1)

  • そのETHを預けて$BALを借りる(ポジション2)

f:id:CoffeeTimes:20211121090139p:plain

ポジションを分けることで、リスクも分けることができます。これにより、$UNIが操作された場合でも、UNIサイロにいる流動性提供者のみがリスクにさらされることになります。BAL サイロのユーザーは(ポジション2 が $UNI担保ではなくETHで担保されているため)、完全に隔離されています。 

リスクを特定のサイロに隔離することで、他のサイロに保有されている資産にシステミック・リスクを引き起こすことなく、新しくてまだリスクの高いトークンでもレンディング市場ですぐ利用することができます。

 

CoffeeTimes: おー、すごく面白いですね。ちょっと気になるのですが、SiloはLPトークン(例:Uniswap LP)にも対応しているのでしょうか?

 

Aiham: いえ、現時点ではUniswap LP用のサイロは作成できません。少し説明させてください。

まずSiloは、「Uniswap V3」の TWAPのオラクルを使用しているため、Uniswa v2 の LPトークンの市場をサポートできないんです。

そして Uniswap V3 LPトークンは、NFT(ERC721)であり、現在はサポートしていません。ただ今後サポートする計画はあります。そうなるとユーザーはLPトークンを担保として預け、プロトコル内の他のトークンを借りることができます。

 

CoffeeTimes: ありがとうございます。ちなみにこのプロジェクトを始めたきっかけは何ですか?

 

Aiham: 既存のレンディングプロトコルに不満を感じたためです。何度も悪用されているのを目の当たりにしました。そのため、3つの重要な点を提供するレンディングプロトコルを作る必要があると感じるようになりました。

  • 設計によるセキュリティ(ゲートキーパーによるセキュリティではなく)

  • すべてのトークンを扱える(上位10位や30位のトークンに限らない)

  • 資産効率が良い

残念なことに、最近おきている攻撃は、Siloのアプローチを正当化するものでした。一部の人は、既存のレンディングプロトコルを使用することにはリスクがあると学び始めています。

 

CoffeeTimes: パーミッションレス・レンディング・プロトコルは大きな話題になると思いますが、FuseやEulerなどのプロジェクトがあります。これらとの違いは何でしょうか?

 

Aiham: DeFiは未来の金融インフラです。市場機会は巨大なもので、勝者総取りの市場ではありません。DeFiのコンポーザビリティにより、開発者がイノベーションを起こしたり、ユーザーがより良い価値を提供しているプロトコルに乗り換えたりすることが、頻繁に、安価にできるからです。つまりユーザーを得るには、価値を提供し続けることが必要です。

Siloチームを含め、DeFiの構築者の多くは、根っからのDeFiヘビーユーザです。SiloもEulerもRariも、その他の多くの人も、既存のレンディングプロトコルが抱える問題の解決策を提供しようとしています。

私には、Eulerは既存のシェアプール型のレンディングプロトコルを大幅に改善しているように見えますが、分離されたプール(マネーマーケット)と表現するかどうかはわかりません。

Kashiと、RariのFuseは、分離されたマネーマーケットを実装していますが、一長一短があります。

 

Kashiは、想像できる限りのトークンのペアに対して、隔離されたマネーマーケットを作っています。DAIだけでも、DAI-ETH、DAI-WBTC、DAI-COMなど、30以上の市場を用意しています。このデザインは、プールを極端に隔離することで高いセキュリティを実現しています。しかし流動性は、細分化され、薄く分散しているため、資産効率が高くありません。

 

RariのFuseは、2つのトークンに限らず、任意の数のトークンで構成できる隔離されたプールを作ります。効率化を図るため、FuseのプールはAaveやCompoundのような機能を持っています。

しかしプールは複数のトークンで構成されるため、FuseのTetranodeプールのように、トークン資産の1つが何らかの理由で信頼できなくなると、そのプール全体が危険にさらされます。これだと、Tetranodeプールの中の19個トークンのうち1個でも信頼できないものが入ってると感じるユーザーは、プール全体を使いたくなくなってしまいます。つまり、プール内の全トークンのリスクをユーザーが共有するという、CREAM/Aaveと同じ問題に戻ってしまうのです。

また、各Fuseプールには、プールのパラメータを変更できる管理者がいるため、プールのセキュリティは単一の障害点があることになります。ちなみに他のレンディングプロトコルでは、トークンホルダーのガバナンスがこの機能を実行していますね。

 

CoffeeTimes: なるほど。

 

トークンについて

CoffeeTimes: 将来Siloも独自のトークンを導入する予定みたいですが、このトークンを使って何ができるのでしょうか?

 

Aiham: Siloはコミュニティによって管理されます。コアチームはDAOのために働いています。私たちは、トークンホルダーがトークンモデルを決めていくことを望んでいるので、ガバナンスという1つの用途だけで、まずローンチすることにしました。トークン保有者は、DAOトレジャリーを管理し、担保要因を調整するなどの機能を持ちます。

 

CoffeeTimes: 配分などはすでに決まっているのですか?

 

Aiham:トークンの配分とリリースのスケジュールは決まっていますが、コミュニティの皆さんの利益に沿うようなトークンモデルの設計をコミュニティと一緒に考えていきます。今のところ次のようなものであるべきだと考えています。

  • ユーザーが保険に加入するインセンティブを与える。この点については、Nexus mutualに相談しています

  • ユーザーがトークンを保有し、ガバナンスに参加するインセンティブを与える

  • レンディングのプリミティブとしてSiloをベースに開発するインセンティブを与える

現在、多くのトークンモデルを設計してきたエコノミストと話をしています。目標はトークンモデルをコミュニティに提案し、コミュニティがそれを実現する前に議論し、改善することです。

 

CoffeeTimes: ありがとうございます。トークンはどのように配布されるのでしょうか?

 

Aiham: 真の分散化には、コミュニティがこのプロジェクトの重要なコントロールを所有するためのフェアな機会を提供されて初めて達成されます。そのため、今後3週間ほどで流動性のブートストラップイベントを実施する予定です。

誰もが参加できるフェアな機会を提供するために、トークンをGnosis Auctionを通じて一般に提供する予定です。このGnosis Auctionは、安全で簡単かつ透明性のある公正な価格発見メカニズムです。

 

CoffeeTimes: そうでしたか。LBPなどと比べて、Gnosis Auctionをつかう利点は何でしょうか?

 

Aiham: Gnosis Auctionの仕組みは、バランサーLBPのような既存のアプローチに比べて、以下のようなメリットがあります。

  • オークションが終了すると、誰もが1トークンあたり同じ価格を支払うことになります。トークンが流通する際の価格は1つになります。これにより、誰もが安心して参加できます。

  • ユーザーは参加価格をコントロールできます。オークションが終了するまで、入札したり、入札額を変更したりすることができます。基本的には、ハイプやFOMOなしで、コミュニティがトークンに正しい価値を割り当てるための完璧な方法です。

  • ラグプルの可能性を排除します。

  • ボットがトークンを購入して、オークションで売り戻すことはできないので、フロントランニングにも強いです。

 

今後の予定について

CoffeeTimes: オークション以外に、今後数ヶ月の間に予定している将来の計画について、簡単に教えてください。

 

Aiham: 

今後6ヶ月間は、以下のような基本的なことに注力していきます。 

とはいっても、友人でありシード投資家でもあるFei ProtocolのJoey Santoro氏、FraxのSam Kazemian氏、ReflexerのAmeen氏、BarnBridgeのTyler Ward氏、ParaFiのSantiago R Santos氏、Tyler Reynolds氏などとも機会を探っています。この件については、プロトコルの製品ビジョンを形成するために、コミュニティで共有していきます。

2021年4Q - 2022年2Q

  • Silo DAO

  • 流動性を高めるためのイベント

  • セキュリティレビューと監査

  • Siloプロトコルのベータ版

  • 担保要素の最適化

  • 金利モデルの最適化

  • トークノミクス

  • データ分析とパフォーマンスの追跡

  • UI/UXの改善

  • TWAP Oracleのセキュリティ

  • ブリッジ・アセット・イールド戦略のための開発ツールキット

 

Siloの創業ストーリー

CoffeeTimes: チームのメンバーは、昔から界隈で活動していると聞きましたが、現在のチームはどのようにして結成されたのですか?

 

Aiham: 過去にDeFiのプロジェクトで一緒に働いていた者や、友人を通じて知り合った者もいます。今はチーム全員がフルタイムでSiloに取り組み、プロトコルの成長に全力で取り組んでいます。

 

CoffeeTimes: ありがとうございます。最後にいつもお聞きしているのですが、日本のクリプトシーンについて印象に残っていることがあれば教えてください。また読者に向けて何か言葉をいただけますか?

 

Aiham: 日本のコミュニティは、最も活発なコミュニティの一つです。Discordサーバーにも日本のコミュニティのチャンネルがありますので、ぜひ参加していただきたいと思います。私自身、日本のプロジェクトのレベルの高さに感心していますし、開発者がコントリビューターチームに参加してくれることを望んでいます。

 

CoffeeTimes: お時間をいただき、ありがとうございました。Siloについてもっと知りたい場合は、どこへいけばいいでしょうか。

 

Aiham: Twitter, Discord, Mediumなどをチェックしてみてください。 Docs | Twitter | Discord| medium | Website  | Telegram

 

 

■ Last Week in Crypto

1.Web3 infrastructure startup CyberConnect raises $10M in seed funding

Web3の「分散型ソーシャルグラフプロトコル」を開発しているCyberConnectは、$10Mドルを調達しました。

Multicoin CapitalとSky9 Capitalが共同でリードし、Animoca Brands、Draper Dragon、Hashed、Zoo Capital、Smrti Lab、Mask Networkなどの投資家もこのラウンドに参加しています。今回は、エクイティ+SAFT(将来のトークンによる投資契約)による調達だったそうです。

 

ソーシャルグラフの重要性

この「分散型ソーシャルグラフプロトコル」は、開発者がソーシャルメディアやメタバースなどのアプリを開発するのを手助けするツールです。どういうことかというと、開発者がこのツールを使うことで、フォローやフォロワーのリストなどのデータを呼び出せるようにすることができ、毎回ソーシャルグラフを開発するコストや手間が省けます。

(ソーシャルグラフとは、Twitterのフォローリストなどプラットフォーム上での、ユーザ同士の関係性などのことです。)

またユーザとしても、自分のソーシャルグラフデータを自分で所有し、異なるアプリ上でそれらを使い回すことができます。

これはEメールが、アプリを変えてもスムーズに利用できるのと同じです。Eメールの場合は、この構造のおかげで競争も促進され、メールクライアント、セキュリティサービスなどでイノベーションがありました。それが次は、ソーシャルサービスのまわりにこのような変化がおき、クリプトによって可能になります。

 

今後とCYBERトークン

このプロトコルは、Ethereum上で今月末にローンチされる予定になっています。また将来的には、$CYBERというトークンが発行され、分散型のガバナンスに移行していく予定になっています。

今はアプリで、ENSのアドレスを検索したり、フォローすることができるので、試しにbspeak.ethをフォローしてみてください。

またCyberConnectは、ソーシャルグラフのデータをどのように活用できるかを示すために、「Cyber Chat」というアプリも開発していて、CyberConnectプロトコルと統合されます。

ちなみに貢献者やモデレーターなどを探しているそうなので、興味のある人は、Discordをのぞいてみると良いと思います。

 

2.A16z leads $13 million funding round for privacy startup Nym Technologies

スイスのスタートアップ Nym Technology が13Mを調達しました。a16zがリードとなり、Lemniscap、Digital Currency Group、Huobi Ventures、HashKey、Fenbushi Capitalなどが参加しています。

Nymは、プライバシーを保護するネットワークです。インターネットのデータを中継し、難読化するノードに対して、NYMトークンでインセンティブを与えます。こうして、個人のオンライン上の活動を保護することができます。

大学の研究室のときにこの辺りを少し勉強していたので、もう少し細かく見ていきます。

 

ミックスネット

普通、メッセージが暗号化されていても、コンピュータのネットワークを監視することで、メッセージの送信元、送信先、サイズ、送信時刻などのメタデータを観察することができてします。

VPNを使うと、通信の監視は難しくなりますが、VPNを提供する第三者に依存しています。

プライバシーネットワークとしてTorがありますが、トラフィック・アタックなどの分析攻撃はされかねません。またTorネットワークを維持するためのネイティブなインセンティブもありません。

 

※分析攻撃とは、例えば時間差をつけたレスポンス・トラフィックを送って、観測ノード上のトラフィック量の時間変化グラフの相関を読みとって経路を推定するなどのことです

 

そこでNymは、メッセージを複数たばねて、それらを複数回ミックスしながらをルーティングする分散型ネットワーク(ミックスネット)で、プライバシー保護します。

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Nymネットワーク上の各メッセージは、最終送信先にたどり着くまでランダムにノードを経由します。そのため監視をしても、Nymの送信先や到着元を見分けることができず、暗号化されているため各メッセージの内容も読むことができません。

そしてノードには、トークンによる報酬(インセンティブ)があり、ネットワークが維持されます。

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さらにこのネットワーク上で、ゼロ知識証明の技術を使うことで、「自分が誰であるかを明かさずに、特定の活動にアクセスする権利を持っていることを証明できる」というサービスも提供するそうです。

 

3.a16z leads funding round for startup trying to build a crypto social credit score

ソーシャルネットワークのためのweb3ツールを開発するMem Protocol が、a16zがリードで$3.1Mドルを調達しました。元CoinbaseのCTOであるBalaji Srinivasan、PolychainのOlaf Carlson-Weeなどが出資しています。

Facebookなどの既存ソーシャルネットワークでは、ユーザーの個人情報とコンテンツが収益源となっていますが、最近のクリプト系のプロジェクトでは、「ユーザ自身で自分のデータを管理できるようにしよう」という大きな流れがあります。先程のCyberConnectもそうですが、Memもこの文脈のプロジェクトです。

 

Mem protocol

まずは、Q&Aアプリをリリースする予定で、知識を共有することで収入を得ることができるようになります。

将来的にはソーシャルメディアの履歴、チェーン上の活動、職業経験などのデータを、Memを使ってユーザーが管理できるようにします。このときMemはデータを管理しません。

そしてアプリ開発者が、Memを組み込むことで、パーソナライズされた体験を開発するアプリに加えることができるため、ウェブトラッキングより透明な手段となりえるかもしれません。

 

現在と今後

Ethereum上のオンチェーンデータを探索するためのインターフェースを開発しています。またウォレットやトークンの関係性などを記録するプロトコルも設計していて、2022年初頭にローンチする予定です。どうやらMemは、独自チェーンを作ることができるSubstrate上で作成されているようです。

最終的には、製品のレビュー、ソーシャルメディア、就職活動など、さまざまな用途に利用できることを目指しています。

 

4.Ethereum Layer 2 developer StarkWare raises $50M, now valued at $2B

ZK-rollup技術を使ったL2のソリューションを開発するStarkWareが、$50Mドルを調達しました。

このラウンドはSequoia Capitalがリードし、Paradigm、Three Arrows Capital、Alameda Research、Founders Fundなどの既存の投資家が参加しています。StarkWareはすでに利益を上げているようですが、早く成長させるために新たな資金を確保したそうです。

 

StarkExとStarkNetの違いと、トークン

StarkWareの「StarkEx」は、dYdX、Sorare、Immutableなどで使用されています。そして今月末には、Ethereum上で「StarkNet」の Alpha版 をローンチ予定だとしています。

StarkExとStarkNetの違いですが、

  • StarkExは、許可が必要なパーミッション型のシステム

  • StarkNetは、許可なしのパーミッション・レス型の分散型zkロールアップ

です。つまりStarkNetを使うことで、どんな開発者でもEthereumのように許可なしにスマートコントラクトをのせることができます。

MakerDAO、Aave、Argentなど、いくつかのプロジェクトが、すでにStarkNetの上に構築することが知られています。

これまでのラウンドはすべてエクイティでの調達であったそうなのですが、パーミッションレスの製品に関しては、独自のトークンの発行を検討しているかもしれません。

 

5.VCs Back ‘Pawn Shop of the Metaverse’ With $3M Raise

Pawnfiが、$3Mを調達しました。DCGがリード投資家となり、Animoca Brands、Dapper Labs、Polygon、DeFi Allianceなどが参加しています。

Pawnfiは、NFTを担保にローンを組むことができるプロトコルで、鑑定や清算のサービスも提供しています。NFT以外にも、LPトークン、マイナーな暗号通貨にも対応しています。

いまのところ需要の高いサービスは、CryptoPunksのような高価値のNFTに対するレンディングと、ゲーム内のNFTのレンタルのようです。

将来的にこの分野が成熟してくると、DecentralandやThe Sandboxのようなゲームで、メタバースのAirbnbのような土地貸し出しをするようになるかもしれません。

 

6.Popular DAO Voting Platform Snapshot Labs Raises $4M

いまやDAOの重要な投票ツールになっているSnapshotが、$4Mドルを調達しました。

これまではGitcoinの寄付に頼っていましたが、今回初めての資金調達となります。投資家は1kx、The LAO、MetaCartel Ventures、Gnosis、StarkWare、Coinbase Ventures、BoostVC、Scalar Capital、Fire Eyes DAO、LongHash Ventures、Coopérative Klerosが参加しています。

Snapshotは、バランサーで働いていた人がサイドプロジェクトとして始めたものです。初期バージョンをオープンソース化した後は、YamやYearnなどですぐに利用され、現在はAave、Uniswap、Sushiなどを含む 2000以上のコミュニティが利用していてます。

 

バックエンドでの利用

Snapshotのコードは何度も他のプロジェクトにフォークされ、バックエンドに使用されることが多くなっていて、創業者もこれを奨励しています。

例えば、先週のENSのエアドロップの際、ユーザーが受け取る前にENS憲法に投票することを要求するようにしていましたが、そのときもSnapshotを使用していました。

今後は、DeepDAOやBoardroomなどのDAO開発キットに搭載できるようにするなど、バックグラウンド統合を簡単にすることや、多くのユーザの利用に耐えれるようにスケールすることを進めていく予定になっています。

将来的には独自トークンの可能性を示唆しているようですが、まだ優先順位は高くないそうです。

 

7.Cosmos liquid staking protocol pSTAKE raises $10 million in seed funding

CosmosのLiquid Stakingプロトコル『pSTAKE』が、$10Mドルを調達しました。プライベートのトークンセールでの調達です。

投資家にはThree Arrows Capital、Galaxy Digital、Sequoia Capital India、DeFiance Capital、Coinbase Ventures、Tendermint Ventures、Kraken Ventures、Alameda Research、Sino Global Capitalが参加しています。

 

CosmosのLiquid Staking

Ethereumでいう Lido と同じカテゴリのプロジェクトです。Cosmosでは初のLiquid Stakingプラットフォームになります。

Liquid Stakingとは、ステークされている資産に流動性を与える仕組みです。LidoやpSTAKEなどのプラットフォーム上からステーキングすると、同等の価値を持つトークンを受け取ることができ、それをDeFiなどで利用することができる利点があります。

 

8.Spectral Raises $6.75 Million to Build a Decentralized Credit Bureau

DeFi信用枠(クレジット)のプロトコルSpectralは、Polychain Capitalがリードで$6.75Mドルを調達しました。Galaxy Digital、ParaFi Capital、The GraphのVC部門なども参加しています。

エンジェルもMariano Conte(元MakerDAO)、Stani Kulechov(Aave)、Andre Cronje(Yearn)、Richard Ma(Quantstamp)もなどが参加しています。

最初の製品は、オンチェーン履歴を活用したクレジットスコアで、貸し手が、借り手のリスクを評価することができるようにします。

プログラム可能なため、いろいろなコントラクトと組み合わせることができるクレジットスコアとなります。

 

9.Arrow Markets Announces Summer Seed Raise of $1.4M from Leading Web3 VCs

Avalanche上のDeFiオプション取引を開発するArrow Marketsが、$1.4Mを調達しました。

Framework Ventures、QCP Soteria、DeFi Capital、Alameda Ventures、RenGen、CMS Holdings、Avalanche Foundation、Delphi Digital Venturesが出資しています。

Arrowは、AMMベースのDeFiオプションになっていて、収益の一部を、保険提供者(流動性プロバイダー)に分配します。

Avalanche上のプロジェクトが増えてきて、投資も増えてきました。夏のSolanaで見たような盛り上がりになっていて、Solana Summer, Avalanche WinterというのをTwitterで見かけました。

カリフォルニアにSolanaビーチがあり夏のイメージがありますし、Avalancheは雪崩という英単語なので、奇しくも名前ともマッチしています。

 

10.Former FanDuel Executives Launch BetDEX, the World’s First Decentralized Sports Betting Protocol, and Secure Largest Ever Seed Round by a UK Startup

Solana上の分散型スポーツ予測市場 BetDEX が シードで$21Mを調達しました。ParadigmとFTXがリードとなり、Multicoin Capital、Sino Global Capital、Solana Venturesなどが参加しています。

2022年前半にローンチを予定し、最初はUSDT、SOL、SAMOでの賭けを受け付ける予定です。

 

11.Alex Raises $5.8M to Bring DeFi to the Bitcoin Ecosystem

Stacksチェーン上のDeFiプロトコルであるAlexは、$5.8Mドルを調達しました。12月にプロトコルのローンチを予定しています。

Alexは、固定金利・固定期間のビットコインの貸し借りを可能にするDeFiプラットフォームを開発しています。またこのプロトコルは、トークンの発行やDEX(AMM、オフチェーンオーダーブックの両方)をサポートしています。

 

12.Square unveils white paper for decentralized protocol that lets you exchange bitcoin, fiat and more

決済サービス大手のSquareが「BitcoinのためのDEX」のホワイトペーパーを発表しました。プロトコル名はtbDEXです。

「中央集権的な仲介者やブローカーを必要とせずに、法定通貨とクリプトを直接オンランプ/オフランプをユビキタスに実現する」とあります。

分散型アイデンティティ(DID)と検証可能な証明書(VC)を利用して、現実世界でのアイデンティティの証明をし、資産の交換をする分散型ネットワークと説明されています。

このホワイトペーパーはGithubで公開され、コミュニティが貢献できるようになっています。

 

13.Polkadot Parachain Auctions: Acala Wins Neck-and-Neck Race With Moonbeam

Polkadotのオークションが始まりましたが、DeFiプラットフォームのAcalaが獲得しました。

12月中旬までにオークションにかけられ、選ばれた5つの parachainが、12月17日に同時にPolkadot上で稼動し接続されます。

PolkadotのインデックスSubQueryによると、1つの参加者がPolkadot上の投票の約40%を占めていたそうで、おそらく主要な取引所が個々のユーザーのDOTをまとめて投票していると言われています。

 


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☕ バックナンバー:

#204 Bspeak! 2021年11月15日号 Tempusインタビュー

#203 Bspeak! 2021年11月8日号 Aave v3でレンディングはどう変わるか?

#202 Bspeak! 2021年11月1日号 Facebookメタバース内のNFTとは?

#201 Bspeak! 2021年10月25日号 目をスキャンして受け取る『Worldcoin』

#200 Bspeak! 2021年10月18日号 NFTの共同投資を簡単にする『Koop』とは

#199 Bspeak! 2021年10月11日号 レンディング・プール『Fuse』でできること

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#197 Bspeak! 2021年9月27日号 ソーシャル投資プラットフォームのPrysm

#196 Bspeak! 2021年9月20日号 オラクルを利用したブリッジ『LayerZero』

#195 Bspeak! 2021年9月13日号 NFTの分割&売買プラットフォーム『SZNS』

#194 Bspeak! 2021年9月6日号 Lootの熱狂と起きていること

#193 Bspeak! 2021年8月30日号 音楽投資プラットフォーム『Royal』とは

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