予測市場はインデックスの時代へ
#443 Bspeak! 2026年7月6日号
TeslaのCybercab
先週、Telsaのロボタクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」が、初の公道テストを始めました。まずはオースティンから始めています。
私は今オースティンに住んでいるので、実際にCybercabが道で走ってるのを見かけるようになり、先日ジムへ行ったときには、スーパーチャージャーで(自分の車の隣で)充電をしていたのでつい写真を撮ってしまいました。
以下の金色の車がCybercabですが、車の中にはハンドル、アクセル、ブレーキがなく、画面があるだけの、自動運転タクシーです。
さらにイーロン・マスク氏は、このCybercabを、「2027年までに$30,000ドル以下で販売する」と先週Twitterで発言しています。
もしこれが実現すれば、前から説明されてきたビジョンである「所有者が使っていない時間にロボタクシーとして稼働し、収益を生み出す」という世界に近づきます。
今週の市場コーナー
クリプト市場に関してですが、状況は先週と大きく変わっていません。どういうことかというと、ビットコインのサイクルの底値圏に近づいていますが、あと「一段下落する可能性がある」という見方が大半になっています。
しかしすでに底打ちした可能性もゼロではなく、またここからの下げは限定的なため、現金を残しながらもドルコスト平均法などで少しずつ拾っている人もでてきました。
サイクルの時間軸的には10月がターニングポイントとなりそうですが、それより早く動くとすれば、Clarity法が大切なイベントと考えています。
最速では7-8月に進展がある可能性もあり、7月17日には公聴会も開かれる予定です。
さらに先週、MCSA(全米主要郡保安官協会)が、これまで反対していたClarity法に対する立場を「中立」へと変更しました。
これはわりと大きなニュースで、MCSAは、1億2000万人以上のアメリカ国民を代表する組織であり、ここの反対は、上院における法案成立の障害となっていました。今回この反対でなくなったということで、法案可決にかなり近づいたといえます。
■ This Week in Crypto
Adjacent Raises $2.5m Pre-Seed to build Prediction Market Indices
予測市場向けインデックスプロバイダーであるAdjacentが、プレシードラウンドで$2.5Mドルを調達しました。Night Capital、VanEck、UFO Holdings、Maven11、DCGが参加しています。
Adjacentは、予測市場に特化したインデックスプロバイダーです。
簡単に言うと、株式市場におけるS&P500やNASDAQ指数のようなものを、PolymarketやKalshiなどの予測市場向けに作ろうとしている会社です。
例えば、Polymarketには以下のような市場があります。
「共和党が上院を取るか?」
「民主党が下院を取るか?」
「2028年大統領選で誰が勝つか?」
これらを個別に見るのではなく、複数の市場をまとめて、
「共和党全体の政治的期待値」
のような形で指数化します。
透明性を重視し、インデックス算出方法はすべてガバナンスポータル上で公開されています。
また最初のインデックスとして、米国選挙向けインデックス「RED」と「BLUE」をローンチしました。
連邦政府、州政府、地方政府などのいろいろなレベルで、「政党がどのくらい支配権を持つと市場が予想しているか」を追跡するために利用されます。
こういったインデックスが整備されてくると、ETF、インデックス商品、デリバティブなど、予測市場ベースの金融商品ができるようになってくるかもしれません。
今後は、グローバル選挙、金融市場、マクロ経済など、さまざまな分野へインデックスを拡大していく予定です。
2.Visa, Stripe, Coinbase and more join Open USD stablecoin that shares reserve revenue
Visa、Stripe、Coinbase、Mastercard、BlackRockなど140社以上が、新しいステーブルコインOpen USD(OUSD)を発行するためのコンソーシアム「Open Standard」を発表しました。
OUSDの特徴は、準備資産から得られる収益の大部分を、参加企業に還元する仕組みです。
企業は、手数料無料かつ発行量の制限なくOUSDを発行・償還でき、ステーブルコインの利用拡大に応じて収益を得ることができます。
今年後半のローンチを予定していて、単一企業が管理するのではなく、参加企業が共同でガバナンスをする独立組織によって運営されます。
ローンチメンバーには、Visa、Mastercard、American Express、Discoverといった決済ネットワークに加え、BlackRock、BNY、Standard Charteredなどの金融機関、Google、Shopify、IBMなどのテクノロジー企業、またCoinbase、Bybit、OKX、MetaMask、Ripple、Galaxyなどのクリプト企業もいます。
またOUSDは、Tempo上でネイティブ発行されるようで、Base上でもB20という規格で発行されるそうです。
ちなみにこのニュースをうけて、USDCを発行するCircleの株価は急落しました。Circleのビジネスを脅かすものがでてきたと市場がみたようです。
しかし個人的にはこれは一時的なものだと思っています。USDCにはすでにDeFi統合などで強いネットワーク効果が効いているので、簡単に覆せるものではないからです。
またOUSDの「共同でガバナンスをする形式」で進めていけるかもまだ懐疑的です。
3.Robinhood links with dYdX Labs to launch new DEX Arcus
先週はRobinhoodチェーンがローンチしました。ArbitrumベースのEthereum L2として稼働していて、RWAをメインに多くのパートナーを巻き込み、盛り上がっています。
そんな中、dYdXは、Robinhoodと提携し、プロトコルを「Arcus」にリブランドしました。
パーペチュアルと95銘柄のトークン化株式を取引でき、その株式トークンをパーペチュアルの担保としても使うことができる予定です。また未上場株式(Pre-IPO市場)へのアクセスも提供する計画です。
またRobinhood Cryptoは、Arcusへ出資したことも明らかにしていますが、詳細は非公開になっています。
4.Venice AI becomes a unicorn with $65M Series A as its privacy-first AI platform takes off
プライバシー重視のAIプラットフォームを開発するVeniceが、シリーズAで$65Mドルを調達し、評価額が$1Bドルとなりました。
Dragonflyがリードし、Coinbase Ventures、North Island Venturesなどが参加しています。
Venice AIは、200以上のAIモデルにアクセスできるサービスを提供していて、ユーザーのデータを保存しないことを特徴としています。
独自のデータセンター上で、オープンソースの「検閲されていない」AIモデルをホストするほか、OpenAIやAnthropicなどのクローズドモデルにも接続しています。ユーザーの入力データは暗号化され、Veniceのシステムには保存されません。
すでに収益化にも成功しており、年間売上高は$70Mドルを超えていて、黒字化しています。
またVenice AIは、独自トークン「VVV」と「DIEM」も発行しています。ユーザーはVVVをステーキングしてDIEMを発行し、AIクレジットを受け取ることができます。(しかし、暗号資産で支払うユーザーはまだ全体の約8%程度)
今後は調達した資金を使って、自社でGPUを購入してデータセンターを開発することで、外部GPUのレンタル依存を減らし、利益率を高める計画です。
5.eToro leads $12.5 million round in onchain perps exchange Extended
パーペチュアルの取引所Extendedが、戦略ラウンドで$12.5Mドルを調達しました。ラウンドはeToroがリードし、Jump Cryptoも参加しています。
Extendedは、元Revolut社員によって創業され、2024年後半に取引サービスを開始しました。StarkWareのスケーリングエンジン「StarkEx」上に開発されています。
eToroによると、この投資は、今年初めに買収したセルフカストディウォレット「Zengo」との提携に関連するものです。
AIインフラを開発するTHEAが、戦略的ラウンドで$8Mドルを調達しました。Maven 11 Capital、The Spartan Group、Hack VCなどが参加しています。
Thea Networkは、AIサービス向けの決済レイヤーです。公開情報からではあまり詳細がわかりませんが、オフチェーンでの計算結果をZK証明としてSolanaに投稿することで、パフォーマンスを保ちながら検証可能にしているようです。
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