スケーリングロードマップ
Vitalikが、L1とL2で「1秒あたり10万件のトランザクション(TPS)」を目標とする詳細を、ブログに記載しました。ロールアップ中心のロードマップを引き続き進めていくとしています。
また速度不足を改善するために「DAサンプリング」という技術(Celestiaが切り開いた技術)をつかった戦略を提案しています。中期的にはEthereumの1スロットあたり16MBのDA帯域幅を目指し、最大で58,000 TPSを目指すとしています。(いまは1スロットあたり最大375kB)。これでも不十分な高帯域幅を要求するアプリにはPlasmaを提案しています。
またこのブログ投稿で書かれているもう1つの案は、Gas Limitを増やして、Ethereum L1自体をさらにスケーリングすることです。L2とL1の間でスケーラビリティに大きな差があると、資産としてのETHの経済的健全性が脅かされ、エコシステム全体が不安定になる可能性があると指摘しています。
しかしこれにはL1を中央集権化させるリスクが伴うため、慎重なアプローチが必要だとしています。
■ This Week in Crypto
1.'Network State' project Praxis secures $525 million to build crypto-friendly city
ネットワーク国家のプロジェクト「Praxis」が、$525Mドルの資金調達しました。大きな金額ですが、The Wall Street Journalの記事によると、このうち$500MドルはGEM Digitalからで、「トークンが取引所に上場したら、資金にアクセスできる」という契約になっているようです。
そのほかの投資家として、Arch Lending、Manifold Tradingが参加し、またFarcasterのDan Romero氏や、WorldcoinのMax Novendstern氏なども参加しています。以前には、Paradigm、Alameda Research、Three Arrows Capitalからも資金を調達しています。
トークンは、都市の不動産のトークン化のようになりそうだと勝手に予想しています。都市の場所はまだ決定していませんが、技術者を誘致し、暗号通貨、AI、エネルギー、バイオテックなどを加速させるための制度や規制を整備する経済特区になることを目指しています。
このようなネットワーク国家のプロジェクトとしては他にもProsperayaやVitaliaなどがあります。
2.Bitcoin-backed stablecoin developer Hermetica raises $1.7 million in seed funding
Bitcoin担保型ステーブルコインを開発するHermeticaが、$1.7Mドルのシード資金を調達しました。UTXO Managementがリードしています。
Hermeticaは、ビットコイン上で発行される利回り付きの「USDh」を開発していて、カストディパートナーシップや流動性向上に力を入れていく予定になっています。
3.Opacity Network raises $12 million seed round for ZK-based data verification platform
Opacity Networkは、シードラウンドで$12Mドルを調達しました。
ArchetypeとBreyer Capitalが共同でリードし、a16z Crypto Startup Accelerator(CSX)、Finality Capitalなどが参加しました。
Opacityは、ユーザーが詳細なデータを開示することなく情報を証明できる技術を提供し、主にDePIN分野で活用されています。(例えば、NoshやTeleportが運転者情報の検証に使用しています。)
4.Azra Games raises $42.7 million in Series A, bringing total funding to $68.3 million
Web3ゲーム開発企業Azra Gamesは、シリーズAで$42.7Mドルを調達しました。
Pantera Capitalがこのラウンドをリードし、a16z cryptoやa16z gamesなども支援しています。この資金は、AIを活用したAAAモバイルコンテンツの研究開発にもあてられる予定になっています。
Drop Protocolは、CoinFundがリードしたシードラウンドで$4Mドルを調達しました。CMS Holdings、Anagram、Interop Ventures、Cosmostationなどが参加しています。
Drop Protocolは(Cosmos SDKを使って)インターチェーン資産のためのリキッドステーキングプロトコルを開発しています。
Predicateは、$7Mドルを調達しました。1kx、Tribe capital、Figmentなどが参加しています。
Predicateは、開発者やコミュニティが「トランザクションの前提条件」をきめて管理できるプラットフォームです。
トラストが最小限な方法で、強制可能な前提条件を設定することができ、個人や組織などが、オンチェーンとオフチェーンのデータを使ったポリシーを作り、資金フローや許可リストなどのルールを作ることができます。
7.zkPass raises $12.5 million Series A at $100 million token valuation
zkPassは、シリーズAで$12.5Mドルを調達しました。このラウンドにはdao5やAnimoca Brandsなどが参加しています。
zkPassはゼロ知識証明を使って、ユーザーが個人データを共有せずに情報の証明できるプロトコルを開発しています。トークンは2025年初頭にリリースされる予定です。
8.Blockchain Capital leads $33 million Series C in African stablecoin exchange Yellow Card
アフリカのステーブルコイン取引所であるYellow Cardは、$33MドルのシリーズCラウンドを完了しました。Blockchain Capitalがリードしています。
APIとウィジェット製品を開発し、国際企業がアフリカ市場にアクセスするためのゲートウェイを提供する予定です。
9.ZEROBASE Raises $5M to Build Privacy-Preserving Prover Network
リアルタイムZK証明ネットワーク「ZEROBASE」が、$5Mドルを調達しました。
投資家としては、Binance LabsやLightspeed Faction、Dao5、Matrix Partners、IDGなどが参加しています。
高速かつ低コストでzk証明を生成できるようにし、今後ノードの分散化を進める予定です。
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