#L222
最近はEthereum L2の話題が多く、ここでも触れることが多くなっていますが、Twitterでは「2022年はL2の年だ」ということで L2 と22を合わせた 「#L222」 のハッシュタグをよく見かけます。
今週分でも書いていますが、OptimismのインセンティブプログラムやHOPのトークン発行など、ユーザとしても直接関係する進展があり、実際にL222が始まってきている感じがあります。
ただL2の中でも、ゼロ知識証明を使ったzkrollupに関して言えば、2023年にzkEVMやstarkNetがより身近になるというタイムラインかと思います。
■ Last Week in Crypto
先週の回で書いたOptimismが、OPトークンをプロジェクトに配布するインセンティブ・プログラム「OP Stimpack」を発表しました。フェーズ0と1があり、合計で230MのOPトークン(総供給の5.4%)がOptimism上のプロジェクトに配布されます。
フェーズ0
最初のフェーズ0では、230Mのうち15%が、選ばれたプロジェクトに配布される予定です。それぞれが受け取る量は、TVLとトランザクション数に基づいて決まります。
選ばれたプロジェクトと配布される予定の量はこちらに公開されていますが、Optimismネイティブだとプロジェクトが受け取るOPトークンが3倍になります。
プロジェクト側がこれらを実際に受け取るためには、「OPトークンをどう配布するか」について提案する必要があります。さらにこの提案は、OPトークンホルダーの投票によって承認される必要があります。
なので、「ユーザにも割当がある提案」がでてくると思うので、ユーザにもOPが配布されるだろうと思っています。提案の内容についてはこれから徐々に発表が増えてくると思います。
フェーズ1
そしてフェーズ0が終わった後のフェーズ1では、残りの85%のOPトークンが配布される予定で、すべてのプロジェクトが対象になります。このフェーズでは、どのプロジェクトでも、OPトークンの量と配布提案を提出することができます。
このインセンティブがうまく機能すれば、今年の夏はOptimism上のプロジェクトが一気に増えるかもしれません。
2.Zora’s latest fundraising round advances our developments of public NFT tools
NFTのプロトコルを開発する Zora は、$50Mドルを調達しました。
元a16zのKatie Haunが作ったHaun Venturesがリードで、Coinbase VenturesやKindred Venturesなどが参加しています。
Zoraのプロトコルについては前に書いたことがありますが、DOGEのNFTに使われたりしています。
現在はNFTのツール開発していて、ブログポストによれば、Zora DAOというDAOも準備中ということで、トークンも発行しそうです。
3.Bundlr Network Raises $5.2 Million Seed Round
Bundlrというプロジェクトが、$5.2Mドルを調達しました。Framework Ventures、Hypersphere Ventures、Permanent Venturesが主導し、OpenSeaとRace Capitalも参加しました。
Bundlrは、ストレージのためのチェーンである『Arweave』の利用を簡単にするネットワークです。
データを束ねる複数のノードで構成されていて、ArweaveのL2と考えると分かりやすいです。Arweave上ですべてのデータを処理するのではなく、Bundlrでデータを束ねて、Arweaveへの1つのトランザクションを送り、データをまとめてアップロードします。
またキャッシュのレイヤーとしても使えるため、アップロードされたデータを素早く検索したり、アクセスしたりすることができます。
さらに、ETH、SOL、AVAXなどのトークンで、データアップロードの料金を払うことができます。
Arweaveの利点
そもそもストレージ用のブロックチェーンArweaveは、データの永続性のために作られています。Permanent(永遠)に保存するという意味で、「Permaweb」とも言われています。
普通のデータベースでなく、Arweaveのようなブロックチェーン上にデータをアップロードすることのユースケースとして、「NFTのメタデータの保護」があげられています。数十年後に持っているNFTを見返したときに、メタデータが削除されている、というようなリスクを軽減します。
4.Ethereum bridge Hop Protocol unveils token and airdrop for early users
ブリッジプロトコル Hop Protocol が、HOPトークンの導入と、初期ユーザー向けエアドロップを発表しました。
Hopは、異なるチェーンやレイヤーでトークンを移動することができ、今はEthereum、Polygon、Gnosisチェーン、Arbitrum、Optimismの間で利用することができます。
今回、そのプロトコルの運営をHop DAOに移行していくことが発表されています。
トークン割当
チェーン間で $1000ドル以上を送り、かつ2回以上の使った人がユーザーや、流動性提供者、初期のサポーターが対象となっています。
また上で書いたOptimismのOPトークン配布プロジェクトにも選ばれているので、LPしているアドレスは今後OPトークン配布が受け取れるような気もします。
5.LootRush Secures $12m Seed Round
ブロックチェーンゲームの配信プラットフォーム LootRush は、Paradigmがリードで、$12Mドルを調達しました。またa16zやY Combinator、Axie InfinityやDapper Labsの創業者も参加しています。
LootRushは、ブロックチェーンゲームをすぐに始めることができるようにするプラットフォームです。ゲームをするためのNFTレンタル機能もあり、新しいゲーム利用者の障壁を下げることを目指しています。またNFT所有者は、レンタルでNFTを貸す側として利回りも稼ぐことができます。
今のところ利用できるのは、「Axie Infinity」のみですが、今後 Gods Unchained や Sorare なども今後追加される予定になっています。
6.Polkadot now lets you natively send tokens across parachains
Polkadotは、Cross-Consensus Messaging format (XCM)というメッセージングをローンチしました。これでPolkadotベースのブロックチェーンが互いに直接通信できるようになっています。
Polkadotの元々の目標として、Polkadot上のブロックチェーン(パラチェーン)同士がコミュニケーション可能になることでしたが、その長年のマイルストーンが達成された形になります。
あるパラチェーンから別のパラチェーンにトークンを送ることが簡単になり、かつどこかに頼る必要のあるブリッジより安全に使えると思います。
7.Bitcoin.com raises $33.6 million in private token sale
取引所やウォレットなど事業をしているBitcoin.comが、$33.6Mを調達しました。自社トークンであるVERSEトークンのプライベートセールでの調達になっています。
投資家として、KuCoin Ventures、Blockchain.comや、Roger Ver氏、Jihan Wu氏などが参加しています。
VERSEは、Binance、FTXなどの取引所トークンと似たようなものになるそうです。またいくつかの機能はUniswapやTraderJoeなどのDEXトークンとも類似するところがあるらしく、6月にはパブリックセールを予定しています。
8.Starbucks: We’re creating the digital Third Place
Starbucksが、NFTコレクションを出す予定だと発表しました。
今年の後半には、コーヒーアートを元にした最初のNFTコレクション、メンバーシップ、コミュニティから始めていく、と書かれています。また店舗でのモバイル決済と連動する可能性もあるようです。
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☕ バックナンバー:
#228 Bspeak! 2022年5月2日号 Optimismのトークン
#227 Bspeak! 2022年4月25日号 zkEVMを開発する『Scroll』
#226 Bspeak! 2022年4月18日号 Web3のウォレットフォローアプリContext
#225 Bspeak! 2022年4月11日号 分散型マップ『Hivemapper』
#224 Bspeak! 2022年4月4日号 NFTスワップ『sudoAMM』
#223 Bspeak! 2022年3月28日号 元Metaエンジニアが発表したブロックチェーン『Sui』
#222 Bspeak! 2022年3月21日号 $200M調達したプロジェクト『Aptos』とは
#221 Bspeak! 2022年3月14日号 ゼロ知識証明を利用したブロックチェーン『Espresso☕』
以降もSubstackのアーカイブからご覧ください。