ソーシャルグラフ
以前、概要を書いたCyberConnectが、Twitter連携できるようになりました。
これを記念して、NFTがもらえるキャンペーンが開催されています。Twitter連携をし、5アドレス以上にフォローされると対象となるようです。Bspeakアカウントもフォローしてみてください。
ソーシャルグラフは大切になっていきそうなので、今のうちに触っておくといいと思います。またプロジェクト側も、エアドロップの対象をCyberConnectのようなアカウントで何か条件をつけて絞れば、エアドロ目的の複数アカウント(シビル攻撃)を軽減できます。
インタビュー記事
インタビューの記事をすると、自分も楽しめて勉強になるため、月1回を目安に今後もインタビューセッションをしたいと思っています。Polywrap(dOrg)、xy finance、guild.xyz などを予定していますが、どこかリクエストがあれば、コメントなりDMなり頂ければと思います。
■ Last Week in Crypto
1.NFT Music Startup Sound.xyz Raises $5M From a16z, 21 Savage
a16z、Variant FundなどのVCや、Holly Herndon、21 Savage、DJ Dramaなどのアーティストからの出資により、Sound.xyz という音楽プロジェクトが$5Mドルを調達しました。
Soundは、ミュージシャンがクリプトによって生計を立てられるようにすることを目標としています。低~中規模のフォロワーを持つアーティストを対象としていて、ストリーミング収入を補うために、NFTを使います。
Soundの仕組み
いくつか面白い機能があるので、さらっと見ていきます。
新曲をNFT化して、固有の番号をつける
アーティストが新曲を出すとき、限定版のNFTとして発表します。NFTには固有の番号が振られるため、ファンはいち早く応援したことをアピールできるようになっています。NFTへのコメント機能
SoundのNFTは、曲のNFTを所有することで、コメントを入れることができます。NFTを売ると、所有者のコメントは消え、新しい所有者がコメントを入れられるようになります。金の卵
すべての曲NFTには、「金の卵」が隠されています。これは、コメントを残したNFT所有者の中からランダムで1人選ばれ、その人のNFTが限定版にアップグレードされるという機能です。そしてアーティストが、限定版にアートをつけることができます。discord
NFTをもっていると、Discord上のSoundコミュニティへのアクセスもできます。そこでは、アーティストとNFTホルダーが電話や共同プロジェクトなどを通じて交流できるそうです。アーティストの収益
アーティストは出版権の所有権を放棄せずに、収益の100%と転売された場合の10%を受け取ることができます。
また地味に重要なのが、アーティストが発行したNFTは、アーティストのブランドとなる点です。
どういうことかというと、FoundationやZoraなどのプラットフォームを使ってNFTを発行すると、それらの情報がブロックチェーン上に残り、シリーズ化されますが、Soundでは発行者のブランドのシリーズとして独立して発行することができます。以前書いたManifold Studioと同じ利点です。
現状と将来
すでにSound上では、7人のアーティスト(Oshi、Marian Hill等)がNFTを販売しましたが、それぞれ25個の限定版ということもあって、すべて1分以内に完売しています。
将来的には、NFTドロップの体験を改良していって、ライブ会場でグッズを購入するような感覚にしたいそうです。
先日書いたRoyalもそうですが、音楽NFTの流れは強くなってきていて、2022年は音楽NFTが流行りそうです。
2.Michael Jordan, Jeffrey Jordan Form Heir Inc., Plan NFT Platform
マイケル・ジョーダンの息子であるジェフリー・ジョーダンが共同設立したHEIRが、$10Mドルを調達しました。
Thrive Capitalがシードラウンドをリードして、Solana Ventures、起業家のAlexis Ohanian氏などの個人投資家が出資しています。またマイケル・ジョーダンが、HEIRのアドバイザー・パートナーにもなっています。
概要
HEIRは、アスリートとサポーターがつながるためのWeb3.0プラットフォームと説明されています。ちなみにHEIRという名前は、ナイキのブランド「Air Jordan」を文字っているようです。
このHEIR上では、アスリートが「ハドル」と呼ばれるグループを作ることができて、ファンがその中に入ると、NFTドロップや、VR体験、デジタルグッズのプレゼントなどに参加にできるようです。
Solana上に開発されているらしく、HEIRトークンも作られ、2022年にはローンチする予定になっています。
「ハドル」とビジネスモデル
発表を読む限りでは、ユーザが、アスリートのNFT(ハドルへの参加権利)を購入すると、アスリートがNFTの一次販売で80%、HEIRは20%を受け取ります。二次販売ではそれぞれ50%ずつ受け取ります。
そして「ハドル」に参加できる人の上限は、アスリートのソーシャルメディアのフォロワーの0.5〜1%程度に設定されるとのことです。
例えばフォロワーが10,000人のアスリートは、50~100人まで限定のグループ(ハドル)を作ることができ、その中でファンと直接交流する、となります。
この上限に達したら、「誰かがNFTを売ってくれないと入れない」状況となり、価格が高くなっていくのかもしれません。
そしてアスリートはハドル内で、舞台裏を撮影した独占映像や、Netflixで視聴した映像などのデジタルコンテンツを提供したり、ハドルのメンバーとのライブQ&Aを開催したり、投票やクイズを投稿したりすることもできるそうです。
ローンチ時に、どのアスリートが参加するかについては、NBAのトップ選手や、期待の大学選手を狙っているとのことです。
3.Ethereum Privacy Startup Aztec Raises $17M in Paradigm-Led Series A
Web3のプライバシー技術を開発する Aztec は、シリーズAで$17Mドルを調達しました。
Paradigmがリードし、A.Capital Ventures、Ethereal Ventures、Libertus Capital、Variant Fund、Scalar Capital、IOSGなどが参加しています。
Aztec概要
Aztecは、以前から開発を進めているプロジェクトですが、プライバシーを保ったzk-rollupという技術の開発しています。
普通Ethereum上の情報はパブリックになりますが、Aztecでは「パブリックなトランザクションのデータを投稿する代わりに、暗号化されたトランザクションのデータを投稿して、ブロックチェーンではゼロ知識証明を使ってそのデータの正しさを検証する」という方法をとります。
チームいわく、銀行と同等かそれ以上のプライバシー保証を実現できる、としています。
また単にプライバシーを保護するだけではなく、スケーリングのための技術でもあり、個人的にはこちらに期待をよせています。見積もりでは、ガスコストが80-90%削減されるとも言われています。
プロダクト「zk money」と「Aztec Connect」
すでに触ったことがある人もいるかと思いますが、Aztecの最初のプロダクトは個人間の送金のための zk.money です。
そして1月には、プライバシー保護されたまま( + ガスコストを抑えて)DeFiにアクセスできる「Aztec Connect」をローンチする予定になっています。
このAztec Connectは、最初は選ばれたパートナーだけに機能提供する予定になっていますが、その後SDKをリリースして、どのプロジェクトでもAztecのプライバシーとコスト削減の利点を得られるようになります。
これに関連して、まずはDeFiプロトコルのElementが、Aztecを統合すると発表しました。Elementは金利スワップ系のプロトコルです。
DeFi + Aztec
当初、AztecをつかったElementのトランザクションは、DAIのみ利用可能になります。具体的には、zk.moneyのポータルから、DAIの固定レート市場を購入することができるようになります。
今Elementのトランザクションを分析してみると、Aztec Networkを統合することで、6 - 40倍のガス節約が可能という見積もりだそうです。
またAztecはまとめてトランザクションを処理するので、「同じ時間帯に同じ種類の取引を行うユーザーの数が増えれば増えるほど、Elementを使用する際のコストが安くなる」という性質もあります。
4.Hubble Protocol Raises $3.6M to Boost DeFi on Solana
Solana上のステーブルコインのプロジェクト「Hubble Protocol」は、$3.6Mドルの資金調達を完了しました。
Three Arrows Capital、Jump Capital、CMS、Spartan、Delphi Digital、Mechanism Capital、DeFi Alliance、DeFiance Capitalなどが参加しています。
Hubbleでは、資金を担保にUSDHというステーブルコインを発行することができます。来月ローンチ予定になっていて、HBBトークンを発行し、徐々にDAOに移行していく計画になっています。
概要
自分の理解では、Ethereum上のLiquityというプロジェクトに似ています。
例えばHubbleは、ステーブルコインUSDHの発行にあたり、
手数料は、0.5% を一度払うのみ
ポジションを維持するには 110%の担保率を保つ(リカバリーモード時は150%)
発生した手数料はHBBトークン保有者と共有される
トークンによるガバナンス
となっていて、この点はほとんどLiquityと同じです。
一方、Liquityとは違って、Hubbleでは複数のトークンを担保にすることができるそうで、まずは SOL, ETH, BTC, FTT, RAY, SRMを担保に利用できるようにする予定になっています。
ちなみにこの点に関しては、どちらかベターという話ではなく、分散性や利便性、また発行できる上限(全体としてスケーリングするかどうか)などとのトレードオフだと思っています。
LiquityやReflexerは、真に分散されたネイティブトークンのみ(ETHのみ)を担保とするというポリシーがあり、分散性を保とうとしていますが、その分ステーブルコイン(それぞれLUSDやRAI)の発行上限は、ETHの流通量が上限になります。
そこでHubbleのように、いろいろなトークンを担保として受け入れれば、ステーブルコインUSDHの発行上限は、ETHのみの担保よりは増えると言えますが、その分リスクを持ち込むことになります。
例えばBTCを担保として採用すると、Solana上にネイティブのBTCは持ち込めないので、ラッピングして発行するどこかの組織やプロトコルを信頼する必要がでてきます。
5.Crypto Connectivity Startup GIANT Raises $5M From CoinFund
GIANT Protocolが、$5Mドルを調達しました。投資家はCoinFundがリードし、Gumi Cryptos、Blockchange、Entheos、Argonautic、Bronco Fundも参加しています。
GIANTは、帯域幅をトークン化し、電話番号をウォレットにして、どこでもプロバイダーに縛られずにネットを利用できるようにすることが目標です。
HeliumとGIANT
この分野で先行しているHeliumというプロジェクトは、ユーザがホットスポットを設置することで、新しい独自のネットワークを作っています。
一方でGIANT(Global Internet Access Network Token)は、通信会社と協力して、既存のインフラを利用してシステムを設置することを計画しているそうです。
すでにいくつかの通信事業者が契約を結んでいるそうですが、どことの連携かは明らかになっていません。
調べてみると、このプロジェクトのCEOは以前、有料の機内用Wi-Fiアクセスアプリ「Wificoin」を立ち上げていて、Gumi cryptosもそちらに投資をしていたようです。そしてWificoinの拡大を目指して、地上のホットスポットとの統合を計画しているようですが、それが今回のGIANTなのだと理解しています。
個人的には、Heliumのほうがweb3ネイティブっぽい、草の根型のネットワークであり、トークンを利用する意味があるものかと思っています。
6.Nike buys NFT collectables startup RTFKT
ナイキは、RTFKT(発音は、artefactという発音するそうです)を買収し、メタバースへ進出することを発表しました。
RTFKTは、カルチャーとゲームを融合させたNFTを作るスタジオです。最近ではアーティストの村上隆氏とのパートナーシップ「CloneX」を立ち上げ、すでに$75Mドル以上の取引量があるとのことです。
ナイキはプレスリリースで、「最新のゲームエンジン、NFT、ブロックチェーン認証、拡張現実を活用して、一点もののバーチャル製品や体験を生み出す」と書いています。
7.Adidas Originals nets $23 million after resolving issues in its first NFT mint
ナイキに続いてアディダスの話題ですが、アディダスがNFTのドロップで、5,924 ETH($23.5M)を売り上げました。
Bored Ape Yacht Club(BAYC)というNFTや、メディア「PUNKS Comic」とのコラボのNFTになっています。
そのため、gmoneyのPOAPや、BAYCのNFT、Mutant Ape Yacht Club NFTなどのNFTを持っている人がアーリー販売に参加できました。価格は0.2ETHでしたが、2万個のNFTが即完売し、そのあとの一般販売も 9620個のNFTがすぐに売り切れたようです。
現状の価格は、販売時よりも4倍高い 0.84 ETH($3300)となっています。そしてAdidas とパートナーは、将来のイベントのためにまだ380個のNFTを保有しています。
8.Shopify and NFTs · Shopify Help Center
有名企業の話題が続きますが、Shopifyが、NFT発行と販売をできるようにする計画を発表しました(CEOは最近、tobi.ethというENSドメインも購入してしています)。
近々、一部のユーザーにEthereum、Polygon、Near、Flowなどのチェーン上でのNFTの発行を可能にするそうです。買う側は、Shopify Payments、Shop Pay、クリプトの支払い、クレジットカード/デビットカードなどで支払いをすることができます。
そうはいっても、まだベータ版ということで、米国でShopify Plusを使ってるユーザで、かつ「ソーシャルメディアでちゃんと存在感があるユーザ」が対象になっています。
eコマース系では、NFTに参入する最初の有名企業と言え、ほかも追随してくるかと思います。
9.Katie Haun to depart a16z, form new fund focused on crypto and Web3: report
a16zのジェネラルパートナーであるKatie Haunは、クリプトおよびWeb3スタートアップに特化した新しいファンドを設立するために、a16zを離れることを発表しました。
以前tim ferrisのポッドキャストに出ていたときに聞いたことがあるのですが、昔は司法省でシルクロード(ビットコインで違法なものを売るサイト)の捜査などをしていたそうです。
その後、a16zに入り、Coinbaseのボードメンバーなどを務めています。そして今後は1人GPとして、クリプト/web3に特化して新しいファンドを立ち上げるそうです。そしてa16zが投資する予定だと報じられています。
10.Twitch co-founder Justin Kan launches a gaming NFT marketplace
ゲーム実況サービス「Twitch」の共同創業者が、Solana上のゲームNFTのマーケットプレイス「Fractal」を発表しました。他の創業者には、Zyngaを創業したRobin Chanなどがいます。
Fractalは、ゲーム会社がファンに向けてNFTを提供する一次市場と、ユーザー同士がNFTを売買する二次市場、両方の役割を果たします。
11.Router Protocol Raises $4.1M to Bridge EVM and Non-EVM Chains
複数のブロックチェーンを接続することを目指すRouter Protocolは、Coinbase Venturesなどから$4.1Mドルを調達しました。
他にもBison Ventures、DeFi Capital、Polygon、QCP Capital、Shima Capital、Wintermute、Woodstock Fundが参加しています。
この分野は需要は明らかなので、多くのプロジェクトがでてきていますが、クロスチェーンのブリッジを「セキュリティの高い状態で」実施できる必要があります。
Zero Layerなどは面白そうなものの1つですし、アプリ側の視点でいうとAxelarも大切なインフラになるかもしれず、過去に書いた回もぜひご覧ください。
L2やチェーンが増える中で、ブリッジがどうなっていくのか、どこが主流となるのかが2022年の注目ポイントです。
11.Bridgesplit Announces $4.25 Million Seed Round
Bridgesplitは、$4.25Mドルを調達しました。
CoinFundとJump Capitalがリードし、Coinbase Ventures、Solana Ventures、Not Boring Capital (Packy McCormick)、Sfermion、Liquid2 (Joe Montana)、a41 Ventures、Rucker Park Capitalも参加しています。
他にも、Anthony Pompliano氏や、Twitter Cryptoチームのエスター・クロフォード氏などが参加しているようです。
概要
Bridgesplitは、NFT + DeFiのプロトコルをSolana上で開発しています。例としては、NFT担保のレンディングや先物取引、NFTの分割化などがあります。
すでにBridgesplitは、メインネット上でアルファ版を限定的に開始していますが、1月には、アルファ版をオープンにする予定になっています。
その後は、選ばれたコミュニティメンバーに、ベータ版をリリースし、NFT担保付きレンディングなどをリリースしていく計画だそうです。
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