Macro
Macro というDAOが発表されました。6th Man Ventures などが投資をしているようです。
どのあたりがDAOなのかはまだ分かりませんが、Twitterで「私達のDAOは~」と書かれているので、ここではDAOと書いておきます。
けっこう面白いプロジェクトで、以下の機能を持っています。
エンジニアが勉強できるコース(フェローシップ)
コード監査
web3エンジニアの紹介
ベンチャー投資
フェローシップはすでに実績があって、コースをうけた卒業生がUniswapやCoinbaseなどに就職してるようです。
またベンチャー投資については、Macroから投資をうけたプロジェクトは、コード監査を優先的に利用できたり、卒業生を紹介してもらえるという特典が付くようです。
個人的には、この投資事業がメインで、他の要素は「有望プロジェクトに投資できるように付加価値をつけている」というように見えます。資金だけじゃない価値を提供できないと、プロジェクト側から選ばれずに、投資することができないからです。
プロジェクトに必要なコード監査や人材獲得をサポートするのは、分かりやすい付加価値だと言えます。個人やプロジェクトは試しに申し込んでみると良いかもしれません。
■ Last Week in Crypto
1.EyesFi Raises $2M with Multicoin and Sets to Launch New Product with Like2Earn Model
NFT価値発見プラットフォームEyesFiは、$2Mの資金調達を発表しました。
Multicoin Capitalがリードし、Puzzle Ventures、Delta Blockchain Fundなどが参加しています。
EyesFiは、2021年にEyesFi.comを立ち上げて、現在はNFTキュレーションプラットフォーム EyesFi.xyz を開発しています。
ユーザーはメガネNFTを持って、価値があると思うNFTをキュレーションしたり、「いいね」したりすると、報酬が得られるようになります。そのため、Like to Earnモデルと説明されています。
またキュレーションしたNFTの将来的な価値が高くなれば、より多くのトークン報酬を受け取ることができる予定になっています。
さらに他のユーザともコミュニケーションができるソーシャルプラットフォームにもなるようです。
アルファテストが7月前半に開始される予定で、将来的にはEYEトークンとSPXトークンの2つが発行されます。
EYEはメガネNFTの発行や報酬に利用され、SPXはソーシャルのガバナンストークンとして利用される計画になっています。
2.Vibe Bio Launches To Transform Drug Development For Patients With Rare Diseases
Vibe Bioが、$12Mの資金調達を完了したことを発表しました。
Initialized Capitalがリードし、Naval Ravikant、Balaji Srinivasan、6th Man Ventures、Andy Palmerなどが参加しています。
これも先週書いたDeSciのプロジェクトです。希少疾患の治療方法の開発に資金提供をすることが目標です。
仕組み
Vibe Bioは、VIBEトークンの保有者によるコミュニティで、患者、科学者、投資家などのメンバーからなるDAOです。
VIBEトークンを使って、どの希少疾患の研究開発をするか、どこに資金提供するかについて提案をし、投票します。
そしてこの提案を、DAOとは独立した外部の医薬品開発の専門家が審査をします。この評価を含め、資金提供する治療法をDAOで決めます。
実際の開発
取り組む治療法などを決めたら、医薬品の開発をします。
VIBEトークンの販売で調達した資金を使って、医薬品開発者、科学者、研究機関、医療施設などに資金を提供し、進める予定になっています。
ここで開発された治療法が商品化されたり、他の製薬会社によってライセンス化されたりすると、DAOや患者支援団体に資金が還元されます。Vibe BioのDAOは、このリターンを将来のプロジェクトの資金として利用することもできます。
VIBEトークンは今後リリース予定ですが、詳細はサイト内のフォームに記入すると得られるようです。
3.SithSwap: Seed Round Announcement
StarkNet上のAMMであるSithSwapは、シードラウンドで$2.65Mを調達しました。
Lemniscapがリードで、Big Brain Holdings、GSR、DWeb3 Capital、Ghaf Capital Partners、エンジェル投資家のAnthony BeaumontとEtienne Royoleが参加しています。
SithSwapは、低い手数料とスリッページで取引できるようにするAMMです。前にAndreがFantom上で作ったSolidlyと同様の機能をもっていて、SolidlyのStarkNet版のように見えます。
例えば最も良いレートで取引できるようにするために、2つタイプのプールがサポートされる予定です。
Stableプール…ステーブルコインや、sETH-wETHのような相関するトークン用
Volatileプール…相関性のないトークン、その他のトークン用
またネイティブのSITHトークンと、veSITH(NFT)があり、veSITHの保有者は、ペアに対して投票でき、それによってどの流動性プールが毎週のトークン排出量のシェアを受け取るかを決めます。このあたりもSolidlyと同じです。
今後はStarkNet上で、SITHのパブリックセールをする予定になっています。また7月下旬にはテストネットでのローンチを計画しています。
4.Uniswap Labs acquires NFT marketplace aggregator Genie
Uniswap Labsが、NFTマーケットプレイスのアグリゲーター「Genie」を買収しました。
色々なマーケットプレイスで取り扱われているNFTを、Uniswap上で取引できるようになる予定で、早ければ今秋にもローンチするそうです。
また買収の一環として、4月15日までに利用したことのあるGenieユーザー、またはGenie Genesis NFTを保有するユーザーにUSDCをエアドロップすることを発表しています。
5.Ex-Sushi CTO Raises $8M for NFT Lending Platform Astaria
NFTのレンディング プラットフォームのAstariaは、$8Mドルのシード資金を調達しました。
True Ventures、Arrington Capital、Ethereal Ventures、Wintermute、Genesis Trading、LedgerPrime、Hypersphere Ventures、The LAOなどが参加しています。
Astariaでは、ユーザーがNFTを担保にして、ETHを借りることができる予定です。将来はEthereum以外の複数のチェーンを統合し、ETH以外の暗号通貨を借りることもできるようになる予定になっています。
NFTfiやArcadeなどのNFTレンディングを違うのは、借り手・貸し手の両方向の承認を必要とせず、トランザクションを効率化する点、ということらしいです。
デリバティブのDEXであるdYdXが、Cosmosベースの独自ブロックチェーンを作ると発表しました(現在は、Ethereum L2としてStarkEx上で運営されています)。今後数カ月でローンチされる予定です。
オフチェーンのオーダーブックとマッチングエンジンを開発して、独自チェーンで稼働させることで、分散性を犠牲にせずに高性能を保つ予定です。
このようにアプリ仕様に合わせてカスタマイズできるのも独自チェーンの利点です。
他にも例えば、トランザクションにガス代を払うのではなく、普通の取引所のように「注文自体は無料で、取引が成立したら手数料を支払う」という仕様になるそうです。この手数料は、バリデータとステイカーにいく予定です。
アプリ独自チェーン
Ethereumからセキュリティを借りることができるL2ではなく、アプリが専用のチェーンを作ることに対しては賛否両論あります。
Compoundチームも、Substrateを使って「Compoundチェーン」を作ると発表してしばらく経ちますが、あまりうまくいっていないようです。どういう理由かは分かりませんが、Polkadotを使うのは間違えだったとツイートしています。
dYdXは、StarkNetが動いたらそちらで稼働するものと思っていましたが、まだコストが高い点、またStarkNetを待たないといけないジレンマがあったため、独自チェーンでいくと判断したのだと思います。
アプリが専用でチェーンを作るデメリットの1つは、セキュリティを自分たちで担保しないといけない点で、多くの場合は時価総額の高いトークンが必要になりますが、dYdXくらい成長していればある程度は堅牢なのかもしれません。
7.Solana's developers unveil web3-focused mobile phone
先週ニューヨークでやっていたイベントで、Solana Labsが「Saga」と名付けられた新しいAndroidスマホを発表しました。web3専用に開発されていて、NFTマーケットプレイス、DEX、秘密鍵のセキュリティ対策もされているそうです。
Solana Mobileという子会社がスマホの開発をしています。Sagaに加えて、モバイル向けクリプトアプリを作成するためのツールキットも提供する予定です。
端末は$100ドルのデポジットで予約可能で、最終的な価格は $1,000ドルになると言われています。
8.Solana-based NFT marketplace Magic Eden reaches $1.6 billion valuation
Solana上のNFTマーケットプレイスであるMagic Edenは、$130Mドルを調達しました。
Electric CapitalとGreylock Partnersがリードし、Lightspeed Venture Partners、以前の投資家であるParadigmとSequoia Capitalも参加しています。
Magic Edenは去年の10月にローンチして、まだ1年も経っていませんが、シェアを伸ばしています。出来高ではOpenSea、LooksRareに続く第3位のマーケットプレイスになっていて、週や日によってはOpenSeaを超えるときもあります。
「Eden Games」の機能では、これまで45個のゲームがローンチして、Solana上のゲームNFTの全ボリュームの90%を占めるそうです。
今後は、独自NFTコレクションの立ち上げを支援するLaunchpad機能を改善する予定です。またSolana以外のチェーンをサポートすることも計画しているそうです。
9.Ledger Launches NFT Marketplace and Services Platform for Enterprises
ハードウェアウォレットのLedgerは、企業向けのNFTマーケットプレイス「Ledger Market」を開始すると発表しました。
Tag Heuer、RTFKT、Brick/Babylonといったブランドと提携し、マーケットプレイスにNFTを掲載しています。
また同時に、企業が安全にNFTを作れるようにするプラットフォームである「Ledger Enterprise Create」、NFT報酬がもらえる学習型ゲーム「Ledger Quest」、教育プラットフォーム「Ledger Academy」も発表しています。
10.Increment Raises $1.56M to Bring Multi-Currency Perpetual Swaps to zkSync 2.0
Incrementが、$1.56Mを調達しました。
ParaFi Capitalをリードに、Delphi Ventures、Dialectic、AngelDAO、LedgerPrime、SkyVision Capitalなどが参加しています。
Incrementは、色々な通貨のPerpetualスワップを可能にするプロトコルで、zkSync上で開発されています。
ユーザーは暗号資産を担保に、為替のロング/ショートができたり、流動性を提供して手数料を得るといったことができるようになります。すでに早期アクセスのベータv1が完了し、現在はベータv2に参加することができます。
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