■ Last Week in Crypto
1.AlchemyNFT Raises $6 million for Remix Platform to Autograph NFTs
AlchemyNFTが、$6Mドルの資金を調達しました。創業者は、AlphaWallet の創業チームです。
今回はSAFT(将来出るトークン)による調達で Framework Ventures、Mechanism Capital、LongHash Ventures、Crypto.com Capitalなどが参加しています。
サイン入りのNFT
AlchemyNFTの最初の製品は「AutographNFT」です。NFTに、Twitterを使ってサインを入れてもらうことができ、NFTの価値を高めることができるプラットフォームになっています。
例えば創業者のVictor Zhangは、Vitalikに対して、「The Alchemist 」というNFTへのサインを依頼しました。そしてVitalikは、Twitter経由でNFTにサインをしています。
他にも、所有者が自分のNFTに対して音楽やサインを加えたり、クリエーターが後から付加価値をつけて支援者に報いるような使い方が考えられます。
今後のプロダクト
またAlchemyNFTは、このAutographNFTだけでなく、TokenScriptという技術を使って新プロダクトのローンチも予定しています。
プランがここに書かれていますが、NFTをリミックスしたり、組み合わせたり、変異・変形させるような合成NFTを実現しようとしているようです。またweb2のIDをweb3のIDに紐付けることも計画されています。
2.Biconomy Raises $9M to Make Building Dapps Easier for Developers - CoinDesk
ブロックチェーンのインフラを開発者に提供するBiconomyは、$9Mドルを調達しました。
SAFTによる調達で、DACMとMechanism Capitalがリードし、Coinbase Ventures、Bain Capital、NFX、Huobi Innovation Labs、Primitive Venturesなどが参加しました。
また、AaveのStani Kulechov氏、FalconXのPrabhakar Reddy氏、FlashbotsのStephane Gosselin氏、Hasu氏などもこのラウンドに参加しました。
Biconomyのプロダクト
Biconomyは現在、ブロックチェーン開発者向けに2つの製品を提供しています。
1つ目は「Gasless」と呼ばれるもので、DeFiアプリがユーザーに代わってガス料金を支払えるようにし、より良いUXを簡単に組み込むことができるものです。
2つ目は「Forward」と呼ばれるもので、ETH以外にステーブルコインやERC20トークンでもガス手数料を支払えるようにする実装を簡単にすることができます。
また、すでにテストネットでは展開されていますが、今週あたりには「Hyphen」という新ツール(API)を発表する予定になっています。これによって、Ethereum <> PolygonやL2の間のトークン転送を、開発者が簡単に実装できるようになります。
リレーヤープロトコル
さらに近い将来の計画として、Mexaという分散型リレーヤー・プロトコルをローンチ予定になっています。
これ合わせて、ネイティブトークンであるBICOが導入されます。今年の3Q/4Qにローンチを予定していて、コミュニティでガバナンスをし、ステークホルダーにインセンティブを与えることが目的となっています。
3.EthSign raises seed funding to put signed documents on the blockchain
EthSignが、$0.65Mを調達しました。Draper Associates、Hashkey Capital、ImToken Venturesなどから支援しています。
EthSignは、分散ストレージやスマートコントラクトを使って、Docusignのような電子サインをEthereumブロックチェーン上で提供します。ホームページを見るとすでに181の契約が締結されています。
またEthereumだけでなく、Polygon、Near、BSC、Fantom、Avalanche、Arbitrumでも展開されていますが、将来的にはさらに他のL2にも導入する予定になっています。
自動実行される契約
EthSignは、ブロックチェーン上で契約を締結するだけでなく、「スマートアグリーメント」という自動実行される契約も導入しています。これは先月、EthSign 3.0を発表した際に導入されたものです。
例えば、海外のエンジニアに仕事を委託するとき、スマートアグリーメントで契約をむすびます。そのとき完了してほしい作業をトリガー条件として設定し、仕事の報酬分をコントラクトにロックします。
このエンジニアが仕事を完了すると、Chainlinkのオラクルがそれを検知してスマートコントラクトのトリガー条件を満たし、自動的に報酬がエンジニアに支払われる、という流れになります。
EthSign 3.0を発表したときの発表を読むと、今後はSAFE/SAFT契約の署名、DAO統合などもサポートしていく予定になっています。
コカ・コーラ社は、デジタルアートやアバターを扱うTafiと提携し、NFTを発表しました。
国際フレンドシップデーを記念して、OpenSeaのこのページで、NFTの宝箱を1つだけ売りだしています。この宝箱の中には4つのNFTがセットになっています。
中に入っているNFTは、画像、音楽、動画になっていて、
仮想世界のDecentralandで着用できる「バブルジャケット」
ボトルを開ける音や氷にコーラを注ぐ音を収録した「サウンドビジュアライザー」
1940年代に発売されたトレーディングカードを元にしたデジタルカード「フレンドシップカード」
1956年に発売されたコカ・コーラ社のレトロな自動販売機をメタバース用に再構築した「ヴィンテージクーラー」
と説明されています。
落札者は、上記のアイテム以外にも、価値のあるサプライズにアクセスすることができることになっていますが、これは開封したときにわかるそうです。
オークションは8月2日に終了予定で、収益は障がいのある子どもや大人を支援する国際組織「スペシャルオリンピックス・インターナショナル」に全額寄付されます。
記事を書いている日曜日の時点で、50ETH(約1300万円)の入札がありますが、オークション終了に向けてより高い入札があると思います。
5.Ethereum-based video streaming platform Livepeer raises $20 million
動画ストリーミングのプロトコルLivepeerは、$20Mドルを調達しました。
LPTというトークンがすでに流通していますが、今回の調達は株式によるシリーズBになっています。Digital Currency Group、Northzone、Coinbase Ventures、CoinFund、Animal Ventures、The Blockの創業者Mike Dudasが設立した6th Man Venturesも参加しています。
Livepeerとは
Livepeerは2017年から運営していて、昔触ったことがあるのですが、動画を安くトランスコードできる分散ネットワークです。
ここでいうトランスコードとは、生の動画ファイルを、デバイスに合わせて最適な視聴ができるように再フォーマットする処理です。
画像:whitepaper
誰でもLivepeerのネットワークに参加して、自分のコンピュータのリソースを提供して動画のトランスコードを手伝い、ETHまたはステーブルコインで手数料を得ることができます。
中央集権的なサービスと比較して、動画のトランスコーディングに関連するコストを10分の1に削減できると主張しています。
また記事によると現在は、PlayDJ.tv、Korkuma.com、Vimm.tvなどがLivepeerを利用しているとあります。
6.Solana-based stablecoin exchange Saber raises $7.7M in seed funding
Solana上で、ステーブルコインとラップトークンを交換するDEX「Saber」が$7.7Mドルを調達しました。今回のラウンドはエクイティ資金調達で、Jump Capital、Multicoin、Solana Foundationなどが参加しています。
Saberは現在、Ethereum、Terra、Solana、Bitcoinのブロックチェーンの資産をサポートしていますが、今後「すべての主要なチェーン、特にPolygonとCeloを視野に入れている」と発表しています。
Solana内でのTVL
Saberは、EthereumでいうところのCurveと同様に、ステーブルコイン同士とラップトークン同士を交換することができます。またUniswapのようなAMMとしても機能しています。
まだ先月ローンチしたばかりですが、DefiLlamaでロックされた総価値(TVL)をみると、Solana上の分散型アプリケーションの中で第3位の規模になっています。(RaydiumとSerumに次ぐ)
7.Australian Lending Startup Loda Gets $15M to Further Crypto Collateralization Efforts
オーストラリアのスタートアップ Loda は、クリプトを担保に資金を貸す金融機関として、$15M規模の流動性プールを作りました。
この最初の流動性プールには、Framework Ventures、Spartan Capital、One Block、Mechanism Capital、Liquefy Labs、Apollo Capital、Maven 11、Ledger Prime、Cluster Capital、Signum Capital、X21などの投資家が協力しています。
初期段階として、ユーザーが暗号通貨を担保にオーストラリアドルを借りることができます。
多くの金融機関は、暗号通貨をローンのための担保として受け入れませんが、Lodaはその手段を提供しようとしています。つまり「現金を一時的に使いたいが、暗号通貨を売りたくないという保有者」にとって魅力的な選択肢となります。
8月にプラットフォームが稼働すれば、ローンの金利は一律5%台になる予定になっています。
8.A16z Leads $20M Bet That Celo’s Valora Becomes a ‘Global Gateway to Crypto’
CeloブロックチェーンのモバイルウォレットであるValoraが、a16zなどから$20Mを調達しました。その他には、Polychain Capital、SV Angel、Nima Capital、NFX、Valor Capitalなどが参加してます。
もともとはCeloを開発するcLabsの社内プロジェクトでしたが、今回の調達によって、独立した会社として進めていくことも発表しています。
使い勝手はVenmoそのものなので、今後1,2年で米国外のクリプトに触れていない層へ広まるかもしれません。
9.$3.3 million raised for Ethereum options protocol built on Optimism and Synthetix
Optimism上のオプション取引プラットフォーム Lyra が、シード資金として$3.3Mドルを調達しました。Framework VenturesとParaFi Capitalがリード投資家となっています。
Synthetixプロトコルのエンジニアが共同創業したプロジェクトで、Synthetixも利用しています。今後Q3にはメインネットでローンチ予定になっています。
これまでEthereumのメインチェーンではガスコストが高すぎてできなかった複雑なコントラクトが、Optimism上でどんどん展開されていくことを期待しています。
10.Lending Platform Vauld Raises $25M in Round Led by Peter Thiel-Founded Venture Firm - CoinDesk
レンディングのプラットフォームVauldは、$25Mを調達しました。ピーター・ティールのValar Venturesが主導しています。その他に、Pantera Capital、Coinbase Ventures、CoinShares、CMT Digital、Gumi Cryptos、Robot Venturesなどが参加しました。
Vauldは、Bank of Hodlersがリブランドしたレンディングのプラットフォームです。
シンガポール拠点ですが、チームの大半はインドに拠点を置いているそうです。今回の資金調達によって、チームを拡大し、さまざまな国でライセンスを取得する予定になっています。
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以降もSubstackページからご覧ください。