Morpho上の固定金利レンディング
#446 Bspeak! 2026年7月27日号
今週の市場コーナー
The DeFi Reportのポッドキャストで面白いデータを見ました。それは高値づかみ組がまだ完全には諦めていないことを示すデータで、92,000〜108,000ドルでBTCを買った層は、まだ18%しか移動していないというものです。
これまでのサイクルの底では、このような高値づかみ組は50%ほど入れ替わっていたため、今回も底打ちするには、「いま含み損になっている投資家が、もう少し売るか、長期保有者として完全に定着する必要がある」といえます。
そのためまだサイクルの底をつけていないと考える側の人たちは、何ヶ月も上がらないことで投資家が少しずつ諦めていくという「時間による投げ売り」がくると予想しています。
一方でBTCの需給のほうをみると、ETFの激しい流出は止まっていて、売り手は減っています。しかし、上昇相場を始めるほどの強い買い手もまだいません。
CLARITY法
市場コーナーと関連しますが、米国のクリプトの取り扱いを明確化する法案「CLARITY法」は進展しています。ベッセント財務長官も「残り1ヤード」の位置にあると発言しています。
また反対側の意見として「大統領の倫理」があげられていて、ハードルの1つとなっていましたが、政治関係者のトークンローンチを禁止する大統領令にトランプ大統領が署名したことで、一歩前進しました。
そして今週にも上院での採決を目指しています。下院はすでに通過したため、上院さえ通れば、(トランプ大統領はすでに支持側にまわっているため)成立の確率は高いと思っています。
予測市場はどうみてるかというと、Kalshiは「8月休会前に上院採決される確率」が68%となっていて、Polymarketでは「年内に法律として成立する確率」が40%になっています。これは「採決の可能性は高いが、今年中の成立までは楽観できない」と市場は見ていることになります。
ちなみに8月7日までに採決がなければ、次は中間選挙後になりそうなので、今後1〜2週間はこのトピックで価格が何度か振れるような展開になるかもしれません。
■ This Week in Crypto
1.Variant Leads Seed Round in Tenor
固定金利レンディングのTenorが、Variantがリードするシードラウンドを調達しました。
Nascent、Coinbase Ventures、Latticeなども参加しています。
Tenorは、アセットマネージャーや大口の借り手向けに、固定金利レンディングプラットフォームを開発しています。
Morphoの新しい固定金利の仕組みである「Midnight」の上に開発されていて、ホワイトリスト付きマーケット、猶予期間などのカスタマイズ可能なマーケット、権限管理付きの組織アカウント、OTCマッチング、高度な機能(未約定の指値注文で変動金利を得るなど)を提供します。
世界の固定金利市場は$200Tドル(200兆ドル)規模といわれていますが、その多くは今もレガシーなインフラの上で動いていて、電話とスプレッドシートで管理されている領域も大きく残っています。Tenorは、ステーブルコインとオンチェーンのレンディング市場が、貸し借りのメイン手法になる世界を見据えています。
プロダクトはすでにBase上でローンチ済みで、今後他チェーンへの展開も予定されています。現在はクリプトレンディング市場だけですが、今後はFXやクレジットにも拡大する予定です。
AIエージェント向けのインフラを開発するAlpheaが、$5Mドルを調達しました。MH Ventures、IBC Group、Titans Ventures、Becker Ventures、Yellow Labsなどが参加しています。
Alpheaは、AIエージェントに特化した「AIネイティブな分散型クラウド/実行環境」を開発していて、AIエージェントの実行、ストレージ、ネットワーキング、価値の決済までを1つの環境で提供することを目指しています。
世界中のアイドル状態のPCやスマートフォン、エッジデバイスをネットワークに接続する、分散型の供給モデルになっているのが特徴です。
資金は、分散型AIインフラのスケール、ビルダーや企業向けの新プロダクトの開発、エンジニアリング・リサーチ・エコシステムにわたるコアチームの拡大に使われる予定です。
今後数週間で、ロードマップやエコシステムでの協業についても発表するとしています。
3.Tiger Global Leads Round for $1 Billion Bank Startup Augustus
Augustusが、評価額$1Bドルで、$180MドルのシリーズBを調達しました。
Tiger Globalがリードし、HummingbirdやQEDに加えて、Nubank、Ramp、Circle、Deelの創業者などが参加しています。
Augustusは、海外のフィンテックや銀行に対して、米ドル口座と決済レールへの直接アクセスを提供する「クリアリングバンク」を開発しています。
独自のコアバンキング基盤「Marble」は、Swift、ACH、SEPAといった従来の決済レールに加えて、ステーブルコインにも対応しています。
5月には米通貨監督庁(OCC)から国法銀行チャーターの条件付き承認を取得していて、すでにKrakenなどが顧客になっています。今後は、ラテンアメリカ、東南アジア、中東、アフリカのフィンテックや銀行への展開を加速する予定です。
分散型AI推論ネットワークのdGRID AIが、シードで$5Mドルを調達しました。Waterdrip Capital、IoTeX、Paramita VC、Zenith Capitalなどが参加しています。
dGRIDは、開発者やアプリに、低コストで検証可能なAI機能を提供することを目指しています。ノードが推論の実行ログをネットワークにアップロードし、品質の証明をオンチェーンで生成する仕組みになっています。
発表によると、2026年上半期だけで15,000人以上の有料ユーザーから$23Mドル以上の収益をあげているそうです。資金は、ノードネットワークの拡大やエコシステムパートナーの拡充に使われる予定です。
5.World Foundation raises $52.5 million in WLD token sale with one-year lockup
Worldプロトコルを運営するWorld Foundationが、WLDトークンの戦略的セールによって$52.5Mドルを調達しました。売却されたトークンには、すべて1年間のロックアップがついています。
Pantera Capitalがリードし、Bain Capital Crypto、Eightco Holdings、Selini Capital、Susquehanna Cryptoなどが参加しています。
資金は、「World ID」を拡大するために使われます。AIエージェントの普及によって、オンラインで「人間であることの証明」の需要が高まっていて、すでにZoom、DocuSign、Okta、Vercel、TinderなどのプラットフォームがWorld IDと統合しているそうです。
World Networkには3,900万人以上が参加していて、そのうち1,800万人以上がOrbでの認証を完了しています。さらに今回のセールを含めると、プロジェクト全体の調達額は約$492.5Mドルとなってます。
最近はOpenAIの上場の噂も相まって(WorldもSam Altmanが共同創業しているため)、さらに期待がでてきているようです。
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