SKALEとActivateについて
Ethereum上でサイドチェーンを構築し、性能を補完するプロジェクトのSKALEですが、ConsenSysの新しいプラットフォームActivateで、トークンローンチをすることが発表されました。ConsenSysチームからは別件でコンタクトがあり、テレカンなどをしていたのですが、間に合えばSKALEとActivateに関するインタビューセッションをメルマガに載せようと思っています。
また今週2月20日(木)19:00から面白そうなイベントを日本で行うそうなので、ぜひ参加してみてください。私も行く予定でしたが、急遽予定が入っていけなさそうです。
■Last Week in Crypto(先週のニュース)
主に海外の記事や英語の論文について触れます。
大手のレンディングサービスBlockFiが Winklevoss Venturesがリード投資家で、$30 millionドルを調達しました(シリーズB)。その他Castle Island Ventures、Morgan Creek Digitalなどが参加しています。
今回の調達資金を使って、暗号通貨にあまり精通していない人向けの製品を増やしていく予定です。調べてみると、BlockFiは去年8月にシリーズAで$18millionを調達していて、約半年でシリーズBの調達となり、速いペースで成長しているとみることもできます。2019年は収益が20倍にもなり、現在 $650millionドル以上の資産を保有しています。そうはいっても何もせずにトップを独走できるというわけでもなく、クリプトのレンディングは明らかに需要があり競合がひしめいているため、BlockFiは引き続き資金を投入する必要があります。
AuthereumがEthereumのメインネットでローンチしました。Authereumという名前は「Authenticate(認証する)+ Ethereum」からきていると思われますが、名前の通り、ログイン機能を提供します。どのdappに対しても、単一ログインのインターフェイスを提供することで、シードフレーズを必要とせずに誰でも簡単にEthereum上のアプリを使用することができます。ユーザー名、メール、パスワードでサインアップし、Wyreを経由しデビットカードで資金をデポジットできます。
ダウンロードも必要なく、任意のブラウザ/デバイスから利用でき、現在はすべての手数料をAuthereumが肩代わりする仕様になっていて、Ethereum上のアプリの入り口としてはとても良い作りになっています。
DeFiの最初のオプション市場が開始されました。このOpynを利用すると、ユーザーはCompoundのDAIとUSDCデポジットのプットオプションを利用でき、12か月間の期間、合意価格でポジションを売却することができます。
プットオプションは、一定の期間内に、決まった量を、事前に決めた価格で「売る権利」のことです。買い手側が対価としてプレミアム(お金)を支払うので、プットオプションを売った側はそこでまず利益を得ることができますが、その代わり買い手側が、権利を行使したときに権利行使価格(事前に決めた価格)で買い取る義務があります。その時の価格によっては損失を被ります。
Opyn上では見た目を提供し、裏側ではConvexity Protocolに接続します。Convexity Protocolは、『oToken』という、プットオプションをERC20トークン化して、売買する市場のプロトコルです。株式市場ではオプションをうまく使うと相対的に大きな利益に繋がることがありますが、暗号通貨ではどのように普及していくのか、DeFiのリスクヘッジとして使われていくのか、興味深いです。
4.Following TRUMP, FTX adds futures contracts for five more presidential candidates
デリバティブ取引所FTXは先週TRUMP先物契約を開始しましたが、さらに他の大統領候補の5つの先物契約を追加しました。新しく追加されたのは、バーニー・サンダース(BERNIE)、ジョー・バイデン(BIDEN)、マイク・ブルームバーグ(BLOOMBERG)、ピート・ブッティジーグ(PETE)、エリザベス・ウォーレン(WARREN)です。
TRUMPと同様に、今年の大統領選挙で候補者が勝利した場合、契約は1ドルに失効し、それ以外の場合は0ドルとなります。すでにバーニー、ブルームバーグ、バイデン、トランプを合計して100万件取引が行われているそうです。
分散型予測市場がよりも先にFTXのようなデリバティブ取引所がこういった面白いことを始めてきました。皮肉なことに、もっとも選挙に関心の高いはずの米国市民がこの商品に参加する資格がなく、リアルな状況が契約価格に組み込まれないのは少し残念ですが、新しい商品や市場の形としての第一歩になるかもしれません。
5.Polkadot Approaches Beta Launch - Claim Your Dots Today with Coinbase Custody!
Web3 Foundationは、Coinbaseのカストディ企業と提携し、PolkadotのトークンであるDOTのカストディサービスを提供すると発表がありました。セールに参加し、Coinbase Custodyアカウントを持っている人は、そのアカウントを使ってDOTをClaim(請求)できるようになりました。またCoinbase Custodyを使わない請求方法も同時に公開されました。
実際にやってみると、KUSAMAネットワークのときと同様に、MyCryptoというウォレットを使って受け取る形で、「コントラクトと対話する」というイメージを掴むことができます。将来は一部の公共機能はコントラクトが担う、というビジョンがより正確に見えてきます。またPolkadot.jp.orgのポータル も使いやすく、段階的なローンチが楽しみです。
6.Announcing MetaCoin—The Governance-Minimized Decentralized Stablecoin - Applications
MolochDAOとSpankchainの作成者Ameen Soleimaniが、MakerDAOの弱点を取り除くステーブルコイン「MetaCoin」の仕様をリリースしました。MakerおよびDAIのように2つトークンを利用しますが、相違点がいくつかあります。
たとえば、ETHが唯一の利用可能な担保になっていて、Makerオラクルシステムを使用して清算を決定するのではなく、MetaCoinはUSDCやUSDTなどの法定通貨担保ステーブルコインのTCR(投票を使ったリスト)を作り、それらのUniswap上での出来高を加味した平均価格を真とします。また、金利設定において、MakerDAOでは人間がガバナンスによって決定されますが、MetaCoinではアルゴリズムが金利を変更します。
ガバナンストークンとしてのMetaは、緊急シャットダウンを開始するために使用され、またローンの利息の一部を使って市場で買われます。したがってローンが増えるほど価格が支えるというロジックになります。
最初Metaトークンは、MolochDAOおよびMetaCartel DAOのメンバーと、新組織SweatDAOで配布されます。これらのDAOに入るには、以前書いた通り、ETHをデポジットする必要があり、脱退の際は返却されます。
MetaCoinはDAIと競合しないように書かれていますが、基本構造は類似していますし、MakerDAOの価値がいくらかMetaのほうに流れていくかもしれません。
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