FacebookのNFT対応
Meta社が、Facebook上でPolygonとEthereumベースのNFTのテストを開始しました。
Facebookユーザーが、プロフィールページでNFTを紹介できるようにする「デジタル・コレクタブル」のタブなど、スクリーンショットが投稿されています。
ブームが落ち着いてきたので、すぐにFacebook上で多くのユーザが使う想像はあまりできません。Facebookではなくクリプト時代のソーシャルが新しく登場するのではないかと思っています。
■ Last Week in Crypto
新しいレイヤー1のブロックチェーン Linera が、$6Mドルのシードラウンドを完了しました。a16zがリードで、Cygni Capital、Kima Ventures、Tribe Capitalも参加しています。
Lineraチェーンは、(1)低遅延、(2)かつWeb2のような方法で線形にスケールするブロックチェーンを目指しています。
(1)の低遅延に関しては、メンプールを削除して、かつ検証者間のやり取りを減らすことで、反応を高速化しています。ユーザからのアクションに対して、高速(ほぼリアルタイム)に対応することを目指します。
(2)のスケーリングについては、必要に応じて処理ユニットを追加されるシステムになっています。チェーンのシャード(個々の処理)がバリデーターを追加していく仕組みのようで、追加すればするほど、線形にスケールする予定になっています。
Lineraの創業者は元Metaの社員で、Libraに携わっていたり、Noviのリード研究者をやっていた人です。
それにしてもLibraの開発に携わっていた人は、Sui、Aptos、そしてこのLineraなど、それぞれ異なるL1を開発しているのが面白いです。
2.Web3 network Peaq raises $6 million in a round led by Fundamental Labs
分散型IoTネットワークを目指す Peaq は、$6Mドルを調達しました。
Fundamental Labsがリードで、HashKey、Delta VC、GSR、Cypher Capitalなどが参加しています。
Peaqは、モビリティ、ロボット、デバイスなどに関連する分散型アプリを開発する人にインセンティブを与えるネットワークです。
また機械に「マシンID」というデジタルIDを割り当て、中央集権的な第三者に頼ることなくIDを共有できるようです。ユースケースとしては、カーシェアリングやEVカー用の充電スタンドシェアリングなどが挙げられています。
そして機械が稼ぐ利益や所有権を、ユーザが共有できるようになり、これを IoTの進化系で EoT = Economy of Things (モノのエコノミー)と説明しています。
Peaqのブロックチェーンは、Substrateをつかって作られていて、将来はPolkadot上のパラチェーンになることを目指しています。
IoT系では、HeliumやHivemapperなどが立ち上がっていますが、この領域も面白くなりそうです。
開発者向けのWeb3認証ツールを作っている Dynamic が、$7.5Mドルを調達しました。
a16zがリードで、Castle Island Ventures、Solana Ventures、Circle Ventures、Breyer Capital、Hypersphere、Chapter Oneが参加しています。
創業者の2人はMITで出会い、イスラエル国防軍などで一緒に働いていたそうです。
Web3 認証
アプリにログインするとき、Web2の場合はメールアドレスとパスワードで認証するのが一般的です。Dynamicは、ウォレットでアプリにログインすることができるようにする認証システムを、開発者むけに提供する予定です。
すでにクローズドベータ版を開始していて、今年後半には一般公開される予定です。
4.Azuro raises $4 million to build a decentralized betting ecosystem
分散型の賭け(ベッティング)プラットフォーム「Azuro」が$4Mドルを調達しました。
Hypersphere、Gnosis、Merit Circle、SevenX、Quiet Capital、Formless Capitalなどが参加しています。
Azuroはベッティング市場そのものではなく、誰でも流動性のあるベッティング市場を作ることができるようにする「プロトコル」を開発しています。
これまで予測市場は、Augur、Gnosis、Polymarketなどが開拓者として頑張っていましたが、流動性が足りず、流行りませんでした。
そこで予測市場に流動性プールを導入したのがAzuroです。DEXが、オーダーブックのモデル → AMMになって流動性が増したのと同じことを、予測市場でやろうとしていると言えます。
仕組み
Azuroプロトコルでは、データプロバイダー、流動性プロバイダー、フロントエンド提供者の3つが登場します。
データプロバイダーは、最初のオッズや、予測市場の結果をオラクルとして提供し、報酬を得ます。
流動性プロバイダーは、流動性を提供して利回りを得ます。
フロントエンド提供者は、予測市場のフロントエンドを作って提供し、報酬としてプロトコル利益が共有されます。
NFTの利用
またAzuroでは、これまでの予測市場と違って、賭けポジションをNFTとして発行することができます。そうすることで、2次市場でも売買できるようになります。
また例えばスポーツベッティングだったとして、賭けたときのスポーツの試合が、歴史的な瞬間になった際は、賭けポジションNFTがコレクタブルになる、というゲーム性も出てきます。
今後の予定
最近Gnosis Chain上でローンチし、Azuro上の最初のアプリ Bookmaker が稼働しています。現在はスポーツベッティング、Eスポーツベッティングの市場があります。
今後はPolygonなど他チェーンへの拡大や、NFTベットマーケットプレイスを作る予定になっています。
予測市場は昔から試行錯誤されているユースケースなだけあって、そろそろ使われるプロトコルが出てきてもおかしくありません。
5.Zigazoo, a Social Network for Kids, Raises $17M to Further Web3 Ambitions
キッズ向けのソーシャルネットワーク&NFT教育プラットフォーム「Zigazoo」が、$17Mドルを調達しました。
Liberty City Venturesがリードで、Causeway、Dapper Labs、Animoca Brands、Lightspeed Venture などが参加しています。
Zigazooは最近NFTコレクションを開始していますが、今後さらにNFTドロップをしたり、新しいファンクラブ機能といったZigazooアプリ内でのトークンユーティリティを増やしていく予定になっています。またユーザーが独自マーケットプレイスを作成できるクリエイタースタジオも計画しています。
NFTはFlowチェーン上に作られ、Zigazooアプリを通じて購入できるようになっていて、取引だけでなく、NFTをプロフィールや動画に含めることも可能になっています。
6.New Ethereum token standard paves way for rentable NFTs
レンタル可能なNFTを利用できるようにするトークン規格が、Double Protocol によって提案されていて、最終段階になりました。「ERC-4907」というトークン規格です。
NFTの所有者は、期間を指定して、他の人がそのNFTを使用することを許可することができます。そして期間が終了すると、そのユーザーはNFTにアクセスできなくなります。
ユースケースとしては、メタバース土地の貸し出しなどが挙げられています。
7.Sequoia and Quona lead $6 million seed round for DeFi protocol MoHash
DeFiプロトコルMoHashが$6Mを調達しました。
Sequoia Capital IndiaとQuona Capitalがリードで、Jump Crypto、Hashed Ventures、Coinbase Ventures、Ledger Prime、CoinSwitchが参加しています。
MoHashは、流動性をあつめて現実世界の債務資産によって高利回りを提供するプロトコルのようです。ガバナンストークン(GoHトークン)が、プロトコルの管理や、ユーザーや流動性プロバイダーへの報酬のために導入される予定です。
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