Gitcoinラウンド14
寄付プラットフォームのGitcoinで、グラントラウンド14が始まりました。Gitcoinの仕組みについてはこちらで書いていますが、Quadratic Fundingという仕組みにより、寄付した金額以上の影響を与えることができます。Bspeak!も募集しているので、支援いただけると嬉しいです☕
テストネットのMerge
先週はRobstenテストネットでのマージが無事成功しました。マージ後の動作の様子をみた上で、残り2つのテストネットでもマージを予定し、その後メインネットでのマージになります。まだ具体的な日程は分かりませんが、夏か秋頃には実施できると言われています。
■ Last Week in Crypto
1.'Always Sunny' Actor Rob McElhenney Launches Web3 Writers Room With Ethereum NFTs
Adimが、a16zがリードするラウンドで、$5Mドルのシード資金を調達しました。
Adimは、キャラクターとIPを開発し、物語をつくるコミュニティを作っています。キャラやIPが成長していくとともに、スピンアウトさせる予定になっています。
具体的には、NFTでキャラクターを作り、そのキャラを、ゲーム、テレビ番組、映画、本などに登場させていくというモデルになります。得られた収益の一部は、コミュニティが共同で保有するウォレットに戻し、次のキャラクターの制作などを支援し、これを繰り返していくそうです。
キャラクターをつくり、派生創作を促す意味では、NounsやBlitmapにも少し似ています。
2.CharmVerse: DAO Operations Platform powering the future of work
DAO運営のプラットフォーム CharmVerseは、$3.8Mドルのシードラウンドを調達しました。
投資家には、Global Founders Capital、GSR Ventures、Spartan Group、Opensea Ventures、Alliance DAO、Orange DAO、POAP Venturesなどが参加しています。
DAOの貢献者がタスクを調整したり、DAOトークンやNFT、POAPを持っている人だけがアクセスできるチャットスペースを作ったり、ということができます。
ウォレット以外に、Discord経由のログインができるように設定でき、Discordのロールをインポートすることもできるそうです。
またDAO内の複数のバウンティを、1つのトランザクションで支払うことができたり、Gnosis Safe(マルチシグウォレット)もサポートしています。
他にも提案を作るためのSnapshotをサポートしていたりと、DAOツールを1つにまとめたプラットフォームと言えます。
3.Samudai closes $2.5M pre-seed to empower DAOs and build the contributor economy
Samudaiが $2.5Mを調達しました。
投資家には、FTX Ventures、Sino Global Capital、A&T Capital、Coinbase Ventures、Lunar Ventures、NxGen、Paradigm Shift Capital、DWeb3 Capitalが投資をしています。またBalaji(元Coinbase CTO)やSandeep氏(Polygon)など多くのエンジェルが参加しています。
これもまたDAOツールで、カンバンボード、チームグラフ、分析ダッシュボードなどの機能をつけているそうです。
今年の夏に少人数のユーザーにアルファ版をローンチし、2022年後半にパブリック版をローンチする予定です。
4.Curio Raises $3.7M to Build Advanced NFT Intelligence Tools
Curioが$3.7Mを調達しました。 Seven Seven SixのAlexis氏がリードで、Polygon CEOや、Opensea CEO、OrangeDAO、Coinbase Ventures、Naval Ravikantなどが参加しています。
Curioは、NFTのデータを集めたダッシュボードで、時間を節約したり良い判断を下せるような機能がつけられています。例えば、アラート、Drop情報の一覧、ダッシュボード、フォローできる機能などがあります。
Backdが$3.5Mドルを調達しました。
Advanced Blockchain AGが主導し、Spartan Group、Maven 11 Capital、Struck Crypto、Apollo Capital、Divergence Venturesなどが参加しています。
Backdでは、ユーザが流動性プールに資金をデポジットして利回りを得ることができます。また「アクション」というものを設定できるプールになっています。
このアクションとは、「オンチェーンの条件を設定して、その条件になったら流動性を他の場所に送ることができる」という機能です。これでより高い利回りを得ることが目的のようです。
最初のアクションとしては、AaveやCompoundでの担保の追加に、流動性を利用するというアクションが予定されています。Aaveなどの利用者は、清算を回避するためにこの流動性を使うことができ、この手数料がBackdの流動性提供者に入ってくる予定です。
(アクションを実行するためには、Keeperと呼ばれるボットのオフチェーンネットワークに依存します)。
ガバナンス・トークン
コミュニティが、流動性プールの資金をどこに利用すべきかなどの戦略や、アクションの提案、アップグレードなどについて投票して決めていきます。ガバナンストークンは流動性提供者やキーパーに報酬として配布され、トークン保有者は、プロトコルの手数料の一部を得ることができるようになります。
6.Floor announces $8 million in funding to make NFTs understandable and accessible
NFTポートフォリオ・トラッキングのためのモバイルアプリ Floor は$8Mを調達しました。6th Man Venturesがリードとなっています。
アプリはまだ一部のユーザ限定ですが、NFTポートフォリオ追跡、価格アラート、複数ウォレットのサポートなどが機能として備わっています。
今後、NFTのウォッチリストを作成する機能などが予定されています。
7.Entropy announces $25 million seed round led by Andreessen Horowitz
以前Bspeak!で少し触れた「分散型カストディアンEntropy」が、$25Mドルを調達しました。
a16zがリードで、Dragonfly Capital、Ethereal Ventures、Variant、Coinbase Ventures、Robot Venturesなどが参加しています。またNaval Ravikantなどのエンジェル投資家も参加しています。
Entropyは、マルチパーティ計算(MPC)を使う分散型カストディを開発しています。個人がクリプトを安全に持ちつつ使用できるようにするプロジェクトです。
資金を動かすときに、時間的制約などの独自のルールを実装できるようにするようです。DAOなどのグループには大切な機能です。
分散型カストディというとQredoのようなプロジェクトもありますが、テッククランチの記事によると、Entropyは「Qredoのような企業向けではない」と創業者が答えています。
また「JPモルガンが使うとは思っていなく、クリプトネイティブな人のためのものを作っている」としています。
8.MachineFi Lab Raises $10M to Incentivize IoT Data Collection for Web 3
IoTデバイスデータを集めることにインセンティブを与える「MachineFi Lab」が、$10Mを調達しました。
投資家はSamsung Next、Draper Dragon Fund、Jump Crypto、Hashkey Capitalなどが参加しています。
MachineFiは、「IoTeX」を開発しているチームです。
IoToxは、IoTのためのEVMのチェーンで、ブロックチェーンを利用したカメラやサプライチェーン管理用デバイスなどのデバイスを動かしているそうです。
MachineFiでは、モバイルの位置情報に注力していき、将来的に考えられるユースケースとしてsleep-to-earnやdrive-to-earnなどいろいろな to earn を考えているそうです。
9.Alan Howard invests in Polygon-based web3 data startup Navigate
Navigateが、$7.6Mドルを調達しました。Distributed Globalがリードで、Kraken Ventures、Outlier Venturesなどが参加しています。
SAFTでの調達ということで、将来NVG8トークンを発行することになっています。
データの共有とマネタイズ
ユーザーがNavigateのプラットフォーム上でデータを共有すると、報酬としてNVG8トークンを受け取ることができます。
どのようなデータかというと、大気汚染、二酸化炭素排出量、水圧、騒音レベルのデータを、IoTデバイスを使ってアップロードすることができるようにしたいようです。
そしてNavigateのマーケットプレイスでは、このようなデータを開発者や企業が利用して、アプリを開発することができるようになります。
Navigateは、最初のアプリケーションとして、「Navigate Maps」という主要都市の地図を提供する予定になっています。衛星を使った地図ではなく、ユーザーがアップロードしたデータを使って、常に更新されるコミュニティ所有のアプリを目指します。
10.PartyBid creator PartyDAO raises $16.4 million led by a16z
NFT入札プラットフォームPartyBidを開発するPartyDAOは、a16zリードで$16.4Mを調達しました。
Standard Crypto、Compound Crypto、Dragonfly Capital、Uniswap Ventures、Loot創始者のDom Hofmannなどが支援しています。
PartyBidは、複数の人が資金をプールしてNFTに共同で入札し、所有ができるようにするものです。成り立ちやこれまでのビジネスモデルについては去年書いているので気になる方はご覧ください。「NFTに共同入札ができる『PartyBid』とは」
11.Orderly bags $20 million raise in boost for DeFi protocol
Orderly Networkは、$20Mドルを調達しました。
Three Arrows Capital、Pantera Capital、Dragonfly Capital、Sequoia China、Jump Crypto、Alameda Research、GSR Ventures、MetaWeb.VCが投資しています。
Orderlyは、Near Protocol上のオーダーブック取引プロトコルです。それを使った最初のアプリとしてWOO DEXという取引プラットフォームが稼働しています。
12.Ancient8 Raises $6M to Build Software Infrastructure for GameFi
Ancient8は、$6Mドルを調達しました。
Makers FundとC² Venturesがリードで、Pantera Capital、6th Man Ventures、IOSG Ventures、Folius Venturesなどが参加していて、過去にはDragonfly, Coinbase, Alameda Research などが投資をしています。
ゲーマーやクリプトコミュニティが使う「GameFiアイデンティティ」などを開発しています。ユーザが、Web3ゲームでの成果を見せたり、新しいゲームを見つけたり、スカラーシップや勉強用の教材にアクセスできるようになります。
今後数カ月の間に、GameFiアイデンティティなど関連プロダクトをローンチする予定になっています。
13.Skolem announces $20 million Series A round led by Galaxy Digital
Skolemが$20Mを調達しました。
Galaxy Digitalがリードで、Point72 Ventures、Jump Crypto、Fenwick and West、Morpheus Ventures、Dragonfly Capitalが参加しています。
Skolemは、DeFiにアクセスしたい機関投資家に、データ提供とトランザションをサポートするサービスです。
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