スーパーボウルの広告
アメフトNFLの王座決定戦「スーパーボウル」は、アメリカの一大イベントですが、多くの人が見るため、中継の合間に流すCMが毎年注目されています。
今年のCM枠は、30秒で約8億円 という価格だったそうです。これ加えてCM作成費もかかるので、CMを出すコストはさらに大きくなりますが、それだけ宣伝効果があるとも言えます。
今年は初めてクリプト企業がCMを流しました。例えばCoinbaseは、QRコードをひたすら流し続けるCMが話題となり、結果アクセスが集中したためサーバにつながらなくなったそうです。
またライバルのFTXも凝ったCMを配信し、話題となりました。対照的な動画ですが、新規ユーザ獲得争いがメインストリームで行われています。
■ Last Week in Crypto
1.Unlocking Decentralized Identity with Verite
USDCを発行するCircleが中心となって、Coinbase、MetaMask、Phantom、Solana、Compound、Blockなどが、デジタルIDのプロジェクト Verite を発表しました。
オープンソースの分散型アイデンティティの規格で、誰でも自由に開発することができます。
個人データを開示することなく、証明証を発行し、KYCや投資家ステータス、ソーシャルの評判などで利用されることを想定しています。そしてDIDはウォレットで管理できるようになるそうです。
ユースケース
DIDが利用できると、クリプトの中だけでも以下のようなことが実現できます。
DeFiにおいて、借りる側の評判をもとに、担保率を決めることができて、資本効率があがる
KYCをして規制準拠した形でDeFiのプロトコルに参加できる
普通のIDをもたない団体や個人が金融を利用できる
貢献にもとにDAOのガバナンスができる
今後DIDは、ステーブルコインと同じように様々な種類のものが多く出てくると思います。
Veriteの場合は特に、「DeFiやUSDCのエコシステムにおけるコンプライアンスのニーズを満たすこと」に注力したいようです。
Circleとしては、規制準拠しながらUSDCを伸ばしていきたいのは当然で、Circleが発行したレポートによると、2023年はUSDCの金利収入だけで $2.2 Billion にもなると見積もっています。
世界で最も昔(1972年)からVCを運営している Sequoia Capital が、トークンのファンドを立ち上げると発表しました。サイズは$500-600Mと記載されています。
Sequoiaはすでにクリプトに投資をしてきていますが、新しいファンドでは主にトークンに特化し、ステーキングや流動性提供、ガバナンスへの積極参加をしていくことになるようです。
またオープンソースの研究を継続的に支援するなど、コミュニティの関わりを続けていくとのことです。
3.Ethereum wallet Rainbow raises $18 million in round led by Reddit co-founder's VC fund
モバイルのウォレット「Rainbow」は、$18Mドルを調達しました。Reddit共同創業者のAlexis Ohanian氏のVCがリードになっていますが、Loot・Blitmap創設者のDom Hofmanや、Yconbinatorも参加しています。
モバイルファーストのRainbowは、UXを重視したデザインで人気になっています。今後は、DEXアグリゲーターの統合など、機能を追加していくとしています。
ロールアップなどの方法で Ethereum がスケーリングするにつれて、オンチェーンゲームのようなアプリが増えていくと想像していますが、そういったときにモバイルウォレットが活躍するのだと思います。
現状は、パソコン上のブラウザウォレット(メタマスク等)が多く利用されていますが、このスタイルが大きく変わるタイミングも来年あたりにはくるかもしれません。
4.Solana NFT data site Solanalysis rebrands to Hyperspace and raises $4.5 million
Hyperspaceは、DragonflyとPantera Capitalがリードした$4.5Mを調達しました。Jump Capital、Solana Capital、NFX、Galaxy Digital、Shima Capital、Coinbase Ventures、Sfermion、6th Man Ventures、Soma Capital、Social Capital、Folius Venturesが参加しています。
元々Solanalysisという名前で、Solana上のNFT情報を掲載しているデータサイトでした。今回の調達と合わせて、Hyperspaceにリブランドし、NFTマーケットプレイスのアグリゲーターを同時に発表しました。
ここでは、主要なマーケットプレイスに掲載されているNFTを一箇所で見ることができ、そのまま購入することもできます。
5.Salad Ventures Raises $13.5M to Build GuildOS, Full-Stack Operating System For GameFi
Salad Venturesは、$13.5Mドルをプライベートのトークンセールで調達しました。
以前Multicoin Capitalがリードで $2Mドルを調達していますが、それに続くもので、Alameda Research、Alan Howard and BH Digital、C2 Ventures、Foundation Capital、Gemini Frontier Fund、Winklevoss Capital、Crossbeam Venture Partners、Polygon Studiosなどが名を連ねています。
今回の資金調達は、GuildOSの開発や教育プロジェクトなどに使用されます。
このGuildOSとは、ユーザがどのブロックチェーンゲームでも、Play to Earnギルドを始めて、管理できるプラットフォームです。
具体的には、「アイテムを貸し出した相手のアカウント、ウォレットを管理しながら、ゲーム内でのアクションをダッシュボードから実行できるツール」で、2022年第2Q中にリリースする予定になっています。
Rabbitholeが$18Mを調達しました。GreylockとTCG Cryptoが共同でリードとなっています。
少し前に書きましたが、RabbitHoleは色々なプロトコルを実際に使ってみることで報酬を得られるようにする『教育プラットフォーム』です。
これは (1)プロトコル側の「貢献してくれるユーザーが見つからない」という課題と、(2)ユーザー側の「何が適切なプロトコルかわからない」という課題を同時に解決するためのプラットフォームになっています。
Uniswapでスワップしたら100 XP、流動性提供をしたら200 XP、のようなクエストがあり、達成していくことで経験値が貯まっていきます。
この経験値を元に報酬がもらえたり、プロジェクト側が早期ユーザの招待に利用したりということが考えられますし、これを参加条件とするDAOも出てくるかもしれません。つまり自分のウォレットが、揺るがない履歴書になります。
DAO化
すでにRabbitHoleは、DAOへの分散化を目指すことも発表していて、クエストの作成プロセスを以下の役割に分散化させていってます。
・クエストの提案者
・The Graph上にサブグラフを作成する開発者
・クエストを完了したユーザーに配布されるNFTを作るクリエイター
・クエスト用のコンテンツクリエーター
などの役割があり、報酬をうけることができます。
7.CoinFund Joins $9M Round for Digital Infrastructure Inc’s Bid to Decentralize Vehicle Data
運転者が、車のデータをコントロールできるようにするためのプラットフォーム「DIMO」が $9Mを調達しました。CoinFund、Variant Fund、Slow Venturesなどが参加しています。
IoTネットワークを作ろうとしていて、やっていることはHeliumに似ています。
Heliumのような家におくホットスポットではなく、車に設置するデバイスを配布するというものです。すでにこの「データマイナー」という小さなデバイスが、今は数百以上の車に取り付けられているそうです。
このデバイスを使うことで、ユーザは運転する車に関するデータを非公開で共有できます。その結果、保険などの金融や、カーシェアやメンテナンスなどのサービスを利用できたり、データの共有によって報酬(DIMOトークン)を得られるようになるそうです。
今後はソフトウェアをオープンソース化し、開発者がこのデバイスを使ったアプリを作れるSDKを出す予定です。そしてトークンを利用してプロジェクトの分散化を進め、ドライバーやアプリ開発者によるガバナンスをしていきたいようです。
8.USV, Multicoin Lead $30M Raise for 3Box’s Ceramic Data Network
IDレイヤーの「Ceramic」を開発する3Box社が、$30Mドルを調達しました。
Multicoin CapitalとUnion Square Ventures がリードし、Coinbase Ventures、Metacartel、Reciprocal、Digital Currency Groupなどが参加しています。
ちょうど1年前にも書きましたが、もともと3Boxは、Ethereum上のID認証をする 「uPort」 というConsenSys配下のチームから始まっています。そして「Ethereum上でプロフィールを作れるようにしよう」とuPort内のサブプロジェクトとして始まったのが、3Boxです。その後スピンオフして3Box自体がスタートアップとなり、uPortチームの3人が共同創業者となっています。
オープンローンチは間もなくですが、色々なソーシャルアプリで使い回せるプロフィールとして利用されるかもしれません。今は独自のトークンはありませんが、もし発行されれば開発のインセンティブを与えるトークンになるかもしれないそうです。
9.DeFi Project Ref Finance Closes $4.8M Round Led by Jump Crypto
Near上のAMMであるRef Financeが、$4.8Mドルを調達しました。Jump Cryptoがリードで、Alameda ResearchとDragonfly Capitalも参加しています。
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☕ バックナンバー:
#217 Bspeak! 2022年2月14日号 Web3ソーシャルグラフ『Lens Protocol』
#216 Bspeak! 2022年2月7日号 Squeethの『カニ戦略』
#215 Bspeak! 2022年1月31日号 Web3ソーシャルメディア『Solcial』インタビュー
#214 Bspeak! 2022年1月24日号 動いて稼ぐ『Move to Earn』
#213 Bspeak! 2022年1月17日号 ve(3,3) の『Fantomエコシステム配布』
#212 Bspeak! 2022年1月10日号 NFTとDAOとスポーツ
#211 Bspeak! 2022年1月3日号 Arbitrum上のステーブルコインSperax
#210 Bspeak! 2021年12月27日号 Ethereum2.0前の最終テストネット『Kintsugi』
#209 Bspeak! 2021年12月20日号 音楽NFT『Sound』の仕組み
#208 Bspeak! 2021年12月13日号 Blitmapにみる未来のエンターテインメント
#207 Bspeak! 2021年12月06日号 NFTコミュニティ向けツール『Islands』
#206 Bspeak! 2021年11月29日号 メタバース土地NFTの取引
#205 Bspeak! 2021年11月22日号 Siloインタビュー / 分散型ソーシャルグラフCyberConnect
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