CoinbaseのSpindl買収
Coinbaseが、オンチェーン広告プラットフォーム「Spindl」を買収しました。
Spindlは、以前にこのニュースレターで触れたことがありますが、オンチェーン広告とアトリビューションのインフラを作っています。(Discordの投稿、フォーラム、広告インプレッションなどを測定し、チェーン上の行動を組み合わせて、トラフィックがどこから来たのかを把握できるツールなど)
この買収後、Spindlは CoinbaseのBaseの一部として運営されます。
■ This Week in Crypto
1.Paradigm co-leads $24 million Series A for ZKP infrastructure startup Irreducible
Irreducibleが、ゼロ知識証明(ZKP)の高速化とコスト削減をするインフラ開発のため、シリーズAで$24Mドルを調達しました。
ParadigmとBain Capital Cryptoがリードし、Fenbushi Capital、L2 Iterative Ventures、Robot Venturesが参加しています。
Irreducibleは、CPUやGPUではなく、FPGAのチップをつかったZKP生成サービスを提供しています。
CPUやGPUは汎用的な計算向けですが、FPGAは回路をカスタマイズして、特定の計算に最適化できるため、より速く、かつ低消費電力にすることができます(さらに最適化するための選択肢としてASICsがありますが、一度製造したら変更できないというトレードオフがあります)
このようなハードウェアによるZKP高速化のスタートアップには、過去にとりあげた「Ingonyama」、「Fabric Cryptography」、「Cysic」などがありますが、IngonyamaはGPUベース、FabricとCysicはASIC開発と、それぞれ異なるアプローチを採用しています。
2.Execution platform Mevvy raises $2.8 million in seed round led by Multicoin Capital
MEVサーチャー向けの実行プラットフォームMevvyが、シードで$2.8Mドルを調達しました。Multicoin Capitalがリードし、Chapter One Ventures、Hypersphereなどが参加しています。
Mevvyは、MEV取引をより簡単に実行できるようにすることを目的としています。現在はEthereum、Sui、Seiをサポートしていて、プラットフォーム上でサーチャーがMEV戦略をえらんで実行できます。
MEV戦略とは例えば、アビトラ、バックランニング、Liquidation(清算)などの戦略のことで、それらを手軽に実装することができます。
今後は、SolanaやEthereum L2をサポートし、最終的にオープンソース化する予定です。
3.Paradigm leads $25 million Series A round for web3 domain infrastructure firm D3 Global
Web3ドメインインフラ企業 D3 が、シリーズAで$25Mドルを調達しました。
Paradigmがリードし、Coinbase Venturesが参加しています。
D3は、ドメインをトークン化されたリアルワールド資産(RWA)として活用し、ドメイン担保のレンディングや分割所有、デジタルIDなどの金融ユースケースを開発しています。
Web2ドメイン(.comや.net)とWeb3ドメイン(.shibや.ape)をつなげる分散型ネットワーク「Doma Protocol」をローンチする予定です。
オンチェーン・トークン配布インフラ「Sign」が$16Mドルを調達しました。
Binance Labsから名前を変えたYZi Labsがリードし、HackVC、Amber Venturesなどが参加しています。(ちなみにYZi Labsへのリブランディングは、AIやバイオテックにも投資していくためのリブランドだそうです。)
Signは、契約の署名ツール「EthSign」や、トークン管理サービス「TokenTable」、ブロックチェーン上の情報検証プロトコル「Sign Protocol」などを開発しています。
5.Pantera Capital and Jump Crypto lead $20 million funding round for Humanity Protocol
分散型IDプラットフォーム「Humanity Protocol」が、$20Mドルを調達しました。Pantera CapitalとJump Cryptoがリードしています。
Humanity Protocolは、オンライン上でのボット、ディープフェイク、不正行為を減らすためのデジタルIDインフラを開発しています。手のひらをスキャンすることで、(個人データの管理権を保持したまま)ID認証することができます。
6.New Layer 1 network developer Pod raises $10 million in seed funding
新しいLayer 1ネットワークを開発するPodが、シードラウンドで$10Mドルを調達しました。a16z CSXと1kxが共同リードし、Flashbots、Blockchain Builders Fund、Protagonistが参加しています。
Podは、従来のブロックチェーンのようなコンセンサスメカニズムを持たない「コンセンサスレス」L1を開発しています。トランザクションを直接バリデーターにストリーミングして、即認証とタイムスタンプを付与する方式を採用することで、約200ミリ秒という高速処理を目指します。
EVM互換の独自フレームワーク「EVMx」を導入して、Solidity開発者がつかえる環境にし、2025年Q3にテストネット、2026年Q1にメインネットをローンチ予定になっています。
7.Analog reaches $300 million valuation in $5 million round ahead of token launch
ブロックチェーン相互運用プロトコルのAnalogが、$5Mドルを調達しました。Foresight Ventures、Gate Ventures、BackerDAO、Black Label Venturesが参加しています。
Analogは、異なるブロックチェーン間で、情報共有やトークン転送ができるプロトコルを開発しています。外部オラクルや仲介者を必要とせず、クロスチェーンアプリを作ることができます。
現在「Zenswap」も開発中で、TON、Solana、Bitcoinなどの間でクロスチェーントークンスワップができるようになります。
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