Fusakaアップグレード
Ethereumの次期アップグレード Fusaka(フサカ)が、2025年12月3日にメインネット実装予定であることが発表されました。まだ暫定的ですが、以前よりも早いスケジュールとなっています。
Fusakaは、スケーラビリティ向上を目的とし、主に以下が含まれます:
Peer Data Availability Sampling(PeerDASといわれてるもの):バリデーターが「ブロブ」というデータセットを、全体ではなく一部のサンプルから検証可能になります。
Gas Limitの拡大:Gas limitが30M→150Mに増え、処理可能なトランザクション量が増えます。
Verkle Treeの導入:データ証明を小型化し、ストレージ効率があがります。
EVMのパフォーマンス改善:スマートコントラクトの実行速度があがります。
Fusakaに続く次のアップグレード「Glamsterdam(グラムステルダム)」は2026年を予定していて、EVM Object Format(EOF)の完全実装やブロックタイムの短縮など、よりスケールしていく予定です。
Baseトークン
Baseが、ネイティブトークンの発行を検討し始めたと、Jesse Pollak氏がBaseCampカンファレンスで発表しました。これまでCoinbaseは「Baseにトークンを発行する計画はない」と明言していましたが、方針をかえたことを発表しています。しかし現時点では確定的な計画はないとのことです。
またこのカンファレンスにて、Solanaとのブリッジを発表し、SOLやSolanaトークンが、Base appで利用できるようになります。
AIエージェント支払いプロトコル
Googleは、AIエージェント同士が支払いをできるようにするオープンソースの決済プロトコルを発表しました。
従来のカード決済とステーブルコインの両方に対応しています。Coinbaseをはじめ、Salesforce、American Expressなど60社以上と協力して開発されました。
今年4月に発表されたエージェント間通信の規格「Agent-to-Agent(A2A)」に、決済機能を追加する形です。
AIエージェントが買い物や取引をするようになったとき、企業間やソフトウェア間での自動的な取引を実現すると期待されています。
また同時期に、Ethereum財団が分散型AIチーム「dAI」を立ち上げていて、AIとブロックチェーンの融合の動きが加速しています。
■ This Week in Crypto
1.Exclusive: Senpi raises $4M to build the AI-powered crypto wallet
AI搭載ウォレットを開発する「Senpi」が、$4Mドルのシード資金を調達しました。
LemniscapとCoinbase Venturesがリードしています。
ユーザーごとに自律的なAIエージェントを割り当て、オンチェーンで自動取引を実行できるウォレットです。
Baseチェーン上で4ヶ月前にローンチされて以降、25万件以上のトランザクションを実行しています。
機能としては、コピー取引、カスタム戦略、リアルタイムの損益管理、市場センチメント分析などが備わっています。手数料は、実行されたトランザクションにのみ課金されます。
今後は、複数チェーン対応、ポートフォリオの自動運用、イールドファーミングへの対応も計画されています。
2.ZKsync-based hybrid DEX GRVT raises $19 million Series A
ZKsyncのスタックを使ったDEX「GRVT」が、シリーズAで$19Mドルを調達しました。ZKsyncとFurther Venturesが共同でリードし、EigenCloud(旧EigenLayer)や500 Globalなどが参加しています。
GRVTは、取引所のUXと規制準拠を取り入れつつも、資金をどこかに預けず自分のウォレットから使うことができる、ライセンス取得済オンチェーン取引所を目指しています。
現在はパーペチュアル取引、スポットやオプション取引も対応してて、今後はクロスチェーン対応やRWA取引にも対応予定です。
3.Bio Protocol raises $6.9 million in seed funding led by Arthur Hayes' Maelstrom Fund
分散型サイエンス(通称DeSci)のプロトコル「Bio」が、$6.9Mドルのシード資金を調達しました。
Arthur Hayes氏のMaelstrom Fundがリードしています。
このプロトコルには、研究者が研究成果を、AIエージェント「BioAgents」としてトークン化できる機能があります。
研究のスピードとコスト削減をし、トークンセールによって資金調達も実現できます。
初のBioAgent「Aubrai」は、VitaDAOや長寿研究者Aubrey de Grey氏と共同で開発され、1,000以上の科学的仮説をトークンとして生成し、$250Kドルを調達しています。
今後は、皮膚科学、腸内環境、脳科学といった分野でも、新たなBioAgentが登場予定です。
Stablecoreは、地域銀行や信用組合がステーブルコイン、トークン化預金、デジタル資産商品を提供できるようにするプラットフォームで、$20Mドルの資金調達を発表しました。
Norwestがリードで、Coinbase Venturesなども参加しています。
既存の銀行システムと連携可能で、技術インフラの変更なしに使えるのが特徴です。
国際送金や暗号資産のカストディ、レンディングなど、銀行が新しい収益源や顧客獲得することを手伝うプラットフォームです。
🎙 ポッドキャスト
ぜひ今週分をシェアお願いします🎉
☕ Twitter: @CoffeeTimesTW
☕ バックナンバー: Substackのアーカイブからご覧ください。