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支払いにインセンティブを与える『Fluidity』

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支払いにインセンティブを与える『Fluidity』

#255 Bspeak! 2022年11月7日号

TheCoffeeTimes ☕
Nov 6, 2022
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支払いにインセンティブを与える『Fluidity』

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Instagram

Instagram上で、今週からNFTを発行して販売できるようになると発表がありました。

一部のユーザ限定に、NFTの作成、販売のためのツールが提供され、当初はPolygonブロックチェーン上でローンチします。

またEthereum、Flowもサポートし、MetamaskやRainbowなどのウォレットへの接続も可能のようです。今後はSolanaとPhantomウォレットのサポートを追加する予定で、動画ベースのNFTも表示できるようになります。

ローンチ当初は、クリエイターもコレクターもガス手数料を支払う必要がないとしています。

またNFTクリエイターは、ロイヤリティの割合を5%から25%の間で選択できるようです。そして売れた後は、銀行口座やペイパルのアカウントと紐付けて、お金を受け取ることができるようになります。

Product mocks of selling digital collectibles on Instagram

さらに、InstagramのNFTのデータ自体は、分散ストレージプロトコルArweave上に保存されることも発表されました(ArweaveのネイティブトークンARは、このニュースをうけて75%も急騰しました)。

 

ちなみに企業の採用でいうと、Revolutもメッセージ機能にNFTのプロフィール写真を統合すると発表しています。

来年の頭には、RevolutのトークンであるRevcoinをローンチ予定していて、ユーザーがサービスの利用頻度に応じて報酬を得る、航空会社のマイルと同じにような機能となります。Revcoinでキャッシュバックを受けたり、より高い利息を受け取れるなどの特典がつくそうです。

 

■ Last Week in Crypto

1.Fluidity announces $1.3 Million Seed Round led by Multicoin Capital

Fluidityが、$1.3Mドルを調達しました。Multicoin Capitalがリードで、Circle Ventures、Solana Ventures、Lemniscapなどが参加しています。

Fluidityは「トランザクションに報酬をあたえる」プロトコルです。これがけっこう面白いので、どういうことなのかを書いていきます。

 

ユーザーはFluidityでステーブルコインをラッピングします。例えば、USDCをラップすると、fUSDCが生成されて、元のUSDCはCompoundのようなDeFiプロトコルで貸し出されます。

この貸し出しによる利回りがプールに貯まっていき、その分が「fUSDCでトランザクションをした人にランダムで配布される」という仕組みになっています。

トランザクションをするたびに宝くじを引くようなもので、当たったら送金者と受金者で、それぞれ 80% - 20%で分け合います。例えば報酬が10ドルだったら、8ドルが送金者に、2ドルが受金者のウォレットにすぐ送られます。 

消費にゲーム性をもたせる感じになるので、以下のようなユースケースが考えられます。 

 

①日常の支払いにインセンティブをつける

クリプト払いを受け付けるコンビニで買い物をしたとします。$100ドルの買い物をƒUSDCを使って支払うにしました。

すると支払ったらすぐに、ウォレットに$800の報酬が入ってきて、払った金額よりも大きいおまけが得られました。同時にコンビニ側は$200ドルを追加で受け取ることができました。

 

②Dappsを無料にしつつ、マネタイズする

Dapp開発者は、無料のアプリを開発します。ユーザーがそのDappを使って、fUSDCで取引をし、報酬があたったら開発者のウォレットに20%を得るようにすることができます。このように無料のアプリで利用者を増やしながら、同時にマネタイズすることができます。

 

攻撃への対策

ここまでみると「報酬だけを目当てに、ボットでたくさんトランザクションをつくる攻撃がでてきそう」と自然に考えると思いますが、これに対しては対策を考えているようです。

何かというと、「ガス代やその他の手数料が、攻撃によって得られる利益よりも常に高くなる」ように、報酬を調整するというものです。

ガス代などの手数料によるコスト > 攻撃によって得られる利益

例えば、攻撃者が fUSDCのトランザクションを1000回繰り返して、ガス代が5000ドルかかったとします。攻撃者が得た報酬が5000ドル以下だったら(例えば2500ドルだったら)、攻撃者はこの行為を続けるほど損していきます。

このようにして攻撃インセンティブをさげるのは「Optimisic オラクル」の考え方と同じで、Fluidityのホワイトペーパーでも「Optimistic Solution」と説明されています。

 

今後の展開

11月中にメインネットでのローンチを予定しています。その後はUtility miningなどのトークン配布を実施したり、他のステーブルコインもサポートしていく予定になっています。

 

 

2.NiftyApes liquifies your NFTs to evolve lending

NFT担保にローンを組むことができるNiftyApesは、$4.2Mドルを調達しました。

VariantとFinTech Collectiveがリードし、Robot Ventures、Polygon、Coinbase Ventures、The LAO、FlamingoDAOなどが参加しています。

 

NiftyApesは、NFT を担保にして、お金を貸し借りできるプロトコルです。

NFTを担保にしてお金を借りられることで、NFTという資産を眠らせているよりも有効に利用できるため、NFTの資産効率が高まるとも言えます。

NiftyApesが他のNFTレンディングプロトコルと違う点

NFTローンは他にもありますが、NiftyApesと他プロトコルとの違いは、主に以下のようになります。

 

①オファーを選んですぐにローンを組むことができる

お金を貸す側のオファーが一覧になってリストされるので、それを選ぶだけでローンを開始することができます。

 

②急に清算されない

他のプロトコルは、「NFTの市場価値が一定水準を下回ると借り手が清算される」という方法をとっていますが、NiftyApesの場合は、借り手が「期間終了までに合意した元本+金利を支払わなかった場合」にのみ清算となります。なので、NFT市場が短期間だけ暴落して担保のNFTを失ってしまう、というリスクが軽減されています。

 

③借り手がベストな条件で借りられるように、ローンの変更ができる

これはけっこう面白い仕組みで、すでにローンが組まれている場合でも、それより良い条件を貸す側が掲示すると、いつでもローンを変更することができます。

良い条件とは、「金利」「期間」「LTV」の3つのうちどれかでより借り手にとって有利なものであれば、という意味です。

ローン変更の何がいいかというと、競争がおきて、借りる側はよりよい条件でローンを受けやすくなります。

貸し手にとっても良いことがあって、ローンの借り換えがおきたら、新たな貸し手は、手数料を「元の貸し手」に払います。元の貸し手は、最初にローンの協力をした努力が報われるようになっていると言えます。

(例:この手数料はローン元本の0.5%なので、もともとの貸し手が 100 ETH で貸していたら、次の貸し手から0.5ETHを受け取ることができる) 

 

 

3.Pantera backs Braavos' $10 million raise to simplify crypto wallets on StarkNet

StarkNet上のウォレットを開発するBraavosが、$10Mドルを調達しました。Pantera Capitalがリードし、Brevan Howard Digital、Crypto.com、Road Capital、Matrixport、Starkwareが参加しています。

 

Braavosを使うと、スマートコントラクトを使ったウォレットを作成することができます。

1日の送金の限度額を設定したり、セキュリティのために送金をあえて遅らせる、といった機能を(どこかの企業に頼らず)スマートコントラクトで可能になります。

 

今後は、

  • シードフレーズに依存しなくて済む「パスワード忘れ」機能

  • セキュリティのための多要素認証

  • ウォレット内から利回りを稼ぐDeFi機能

などが追加される予定で、ポジショニングとしては Argent のウォレットと近いです。

 

 

4.How Y Combinator-backed Web3 startup Courtyard raised $7 million and plans to redefine NFTs and the marketplace for digital collectibles

Courtyardが$7Mドルを調達しました。NEAがリードで、Y Combinator、OpenSea Ventures、VaynerFund、Brink's、Cherry Venturesなどが参加しています。

 

Courtyardは、3D技術をつかって、スニーカーなどの物理的なモノの「デジタル版」をつくって、コレクターが所有権を売買することができます。実際のモノは、Brink’sが運営する保管庫で、保険つきで保存されます。

プロジェクトを見ると、たとえばポケモンカードのNFTなどが作られています。

またスニーカーのマーケットプレイスをローンチしていますが、今後は、高級車や美術品などにも展開する予定になっています。

 

 

5.Spice Finance Raises $1.7M Led By Shima Capital To Solve & Scale NFT Lending

Spice Financeは $1.7Mドルを調達しました。Shima Capitalをリードに、Big Brain Holdings などが参加しています。

Spiceは、NFTレンディングのプロトコルです。まだ詳細の説明はありませんが、流動性をまとめて、利回りを最適化する機能をもつ予定になっています。 

 

 

6.VenturePunk Raises $1.5m to Build Web3 Product Studio

VenturePunkが、$1.5Mドルのプレシード資金を調達しました。

Bain Capital Crypto、ConsenSys Mesh、Polygon Ventures、PunkDAO、The LAOなどが参加しています。

VenturePunkは、同じチームとリソースを使って、DeFi、メタバースなどの新しいプロダクトを実験的にたくさん作っていく「プロダクトスタジオ」です。

最初の製品は「インタラクティブなオンチェーンアートのプラットフォーム」で、今後数カ月のうちに発表される予定になっています。

 

 

7.Immutable unveils tool to enforce NFT royalties on Ethereum

先週の冒頭にも書きましたが、ここ数ヶ月、NFTクリエイターのビジネスモデルやクリエイターフィー(ロイヤリティ)について多くの議論がされています。

そんな中 Immutable が「クリエーターがロイヤリティを確保するためのツール」を発表しました。

NFTクリエイターがこのツールを使うことで、ロイヤリティを執行するコントラクトでのみNFTを取引できるようにすることができます。つまりクリエーターが収益を守ることができます。

 

またその数日後、OpenSeaからも、ロイヤリティをオンチェーンで執行するためのツールが発表されました。これを使うことで、新しいNFTコレクションの販売を、「ロイヤリティが執行されるマーケットプレイス」に限定することができます。

OpenSea上では今週 11月8日から、このようなオンチェーン執行ツールを使用する新しいNFTに対してのみ、ロイヤリティを執行する予定になっています。

Twitter avatar for @opensea
OpenSea @opensea
3/ To that end today we’re launching a tool for on-chain enforcement of creator fees for *new collections* Starting 12pm ET on Tuesday Nov 8 OpenSea will enforce creator fees only for new collections that use an on-chain enforcement tool such as this one.
github.comGitHub - ProjectOpenSea/operator-filter-registryContribute to ProjectOpenSea/operator-filter-registry development by creating an account on GitHub.
12:55 AM ∙ Nov 6, 2022
271Likes44Retweets

既存のNFTコレクションに対しては、ロイヤリティをオンチェーンで執行するのが難しいため、2022年12月8日までは既存のNFTコレクションへの変更はなく、それまでにコミュニティと協力して解決策を決めていくとしています。

 


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