Microsponsors と 0x で新しいマネタイズ
こちらで説明したMicrosponsorsですが、0xを使った新しいマネタイズ方法を準備しています。
簡単にいえばスマートコントラクトを使ったアフィリエイトです。自分のオークションの「シェアリンク」の部分を押すと、リンクが生成され、自分のMicrosponsorsアカウントと紐付きます。そのリンクを友達に共有し、その友達がMicrosponsorsに登録すると、自分が友人を紹介したということがEthereum上のMicrosponsors Registy に記録されます。
以降はその友人がオークションに参加して支払いをしたり、支払いを受けたりすると、直接自分のウォレットに一部の手数料がスマートコントラクトによって送られるることになるようです。
この紹介機能は、0xが「スマートコントラクトに手数料を分割して複数のアドレスに送る」という機能を実装するのを待っている段階で、実装されればすでに登録した人にトランザクションの度に報酬が配布されていきます。
この使い方は 0x の柔軟な点をよく表していて、こういったNFTやトークン化による新しいマネタイズ方法が出てくると、さらにバックエンドで使われるようになると期待をしています。
■Last Week in Crypto(先週のニュース)
1.Crypto Fund II - Andreessen Horowitz
ベンチャーキャピタル大手の a16z のクリプトファンド 『a16z crypto』が、$515 million ドルで、第2号ファンドを調達・組成しました。資金はネイティブトークンと企業株式の両方に投資される予定で、投資カテゴリとしては、
ペイメント
SoV(価値保存の手法)
DeFi
クリエイターの新しいマネタイズ手法
Web3.0
の5つをあげています。これまでのa16zの投資額の合計と、今の暗号通貨全体の時価総額を考えると、a16z が今後も大きな影響力を持ち続けることになりそうです。
2.Figment's First Look: Keep Network | Figment Networks
Keepネットワークが、Keepトークンとステーキングのコントラクトのローンチしました。これにより、初期の投資家は、KEEPトークンを手に入れて、メインネットでのステーキングができるようになりました。またCoinbase CustodyとAnchorageが、KEEPのステークキングをサポートするそうです。
Keepはその後、Summaと共同開発の『tBTC』(Ethereum上のBTCトークン)を5月11日にローンチする予定です。
今は初期投資家しかトークンを動かしてステーキングすることはできませんが、6月8日に stakedrop を開始予定です。これは今後約6ヶ月の間、ETHをステーキング(ロック)し、KEEPトークンを獲得することができるイベントです。この報酬にはトークン供給量全体の18%を割り当てられています。
要はネットワーク初速度をあげるための割当分で、この分が配布し終わるまでは、ETHをロックすればKEEPが配布され、またtBTCの手数料分も得ることができます。
Ethereum上で、BTCトークンを実現するプロジェクトは多くあり、tBTCについても書いていますが、BTC→tBTCへの変換が簡単で、かつ担保資金を管理するために単一のカストディアンに依存しないことを tBTCは目指して開発されてきました。
またtBTCに関連したところでいうと、MakerDAOコミュニティがETH/BTCのプライスフィードを作成し、tBTCをホワイトリスト化する投票を可決しました。ちょうどwBTCもDAIの担保として利用できるように決まったところですが、tBTCも担保になる可能性が高いと思います。
3.Checkout.com joins the Libra association
オンライン決済サービスの Checkout.com がLibra Association に加盟することを発表しました。Checkout は 現在シリーズA調達したスタートアップで、これまでに$230 millionドルを調達しています。また先週、非営利団体のHeifer International が加盟しました。Whitepaperも新しくなりましたが、脱退や新加盟で当初と大きくメンバーも入れ替わりました。ちなみにLibraのビジョンが受け入れられるのであれば、Celoというプロジェクトも有望視しています。そんなCeloはCoinListでのトークンセールが今週始まる予定です。
4.Telegram Caves to US Regulators: Delays Blockchain Launch, Offers to Return $1.2B to Investors
SECによってTelegramはGRAMトークンのローンチを停止していましたが、結局さらに1年間遅らせて、2021年4月まで延期することを決定しました。この延期により、トークンセールに参加した投資家は、初期購入額の最大で72%まで取り戻すことができるようになります。合計は $1.2B (1,200 million)ドルにもなります。
しかしTelegramは「投資家がこの資金をプロジェクトに貸し出し、その代わりに当初の投資額の10%多く受け取ることができる」という別の選択肢も計画しているそうです。恐らくGRAMトークンの受け取りとなりますが、当局との折り合いがつかない場合は、Telegramの株式と交換する権利という可能性も示唆されています。
関連して TechCrunch の記事に数字が出ていますが、Telegramの月間アクティブユーザー数は4億人に達したそうです。さらに創業者のPavel Durovが株式の100%を保有しているので、上記のようなオファーは投資家にとっては魅力的に映るかもしれません。
CoinDeskの記事でも、多くの投資家はトークンの割り当てをTelegramの株式に変換してほしいと考えているようです。
いずれにしても、結果だけ見ればTelegramの当初計画は失敗に終わり、以前書いたように他のSAFT実施のプロジェクトにも大きく波及していくと思います。
5.Anchorage to Support Celo Launch as a Preferred Custody Provider
最大手のカストディアンの1つであるAnchorageは、Compoundのガバナンストークン(COMP)とTrustToken(TRU)をサポートすることを明らかにしました。
カストディのサービスは競争が激化していて、単に預かりの資産種類を増やすだけでなく、ガバナンスやステーキングなど、トークン保有者がネットワークに参加する手段を提供することが期待されています。
6.Uniswap sees its first major token distribution with Universal Market Access listing
UMAプロトコルのトークン($UMA)がUniswapにリスティングされました。個人的には1年以上注目をしてきたプロジェクトなだけに、シード投資家と同じ価格で参加できる点はとても魅力的だったのですが、結局Botによって大きく買われ、一瞬で初期価格0.26ドル→2ドルとなりました。
今回チームがUniswapに提供したのは、総発行量のうちの一部で、残りは他の方法で配布していくとしています。他の配布方法が明かされていない中で公募するのは、正しい価格発見ができるわけがない、買い煽りでしかない、といろいろな議論が起きていますが、残りの配布についてはこちらに草案があり、フィードバックが募られています。
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