■アートをトークン化してOpenSeaで販売する
OpenSeaのエンジニア Dan Viau氏と話したのですが、彼がOpenseaに載せているアートとOpenSeaの仕組みを簡単に書いてみたいと思います。OpenSeaとは、ブロックチェーン上のゲームアイテムやアートなど、NFTと呼ばれるトークンを売買できるマーケットプレイスです。 Dan は、自分のアートではなく、サポートしているアーティストの絵をデジタル化してNFTとして販売しています。
このアーティストは e9Art (Eric) という絵描きで、eBayで9000個もの絵がすでに売れているそうです。
Eric は色を識別できず、50歳になってから絵かきを始めたにも関わらず、絵を書くことに生きがいを感じて、起きている時間は常に絵を書いているそうです。その活動に感銘を受けたOpenSeaのDanが、トークン化をサポートして売り出しているという流れです。
OpenSea上でのトークン化のプロセスはどのようなものかについてですが、例えば5つの現物の絵がある場合、e9Art用のコントラクトに5つの異なるオプションIDを作ります。そしてそれぞれのオプションIDに対して、5つの売り注文を作成します。例えば、0.005 ETH、0.025 ETH、0.125 ETH、0.275 ETH、0.575 ETHなどとします。
その後、買い手がe9Artのコントラクトから購入すると、e9Artの「NFTコントラクト」がNFTを発行し、価格は次に設定された価格になります。
OpenSea上のe9Art はこれまでに、5.9 ETHの取引量でまだまだeBayのそれには届きませんが、今後デジタルなものが将来より売買されていくかもしれません。
■Last Week in Crypto(先週のニュース)
取引所 Bittrex が、来月にも取引所トークンをリリースするとツイートで発表しました。現時点では、すべての米国人が利用できないという事実以外は不明です。
取引所トークンは株式ではありませんが、売上の一部をトークンをバーンし、供給量を減らし希少にする設計にしているものがほとんどです。LEO等、ものによっては市場から買い増すモデルもあり、「自社株買い」のような権利を持ちます。
直近のBinanceの例では、第1四半期で $52 million ドルがバーンされて、流通量から除外されています。
今回のBittrexもトークンバーンを含む可能性が高いと思います。トークンの導入により料金体系やビジネスモデルが大きく変わるかと思いますが、これらをうまく使いこなしているのがFTXで、最近は抜き出て強いです。
2.https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR4418.html
調査機関 RAND が、Zcashの違法利用に関する調査結果を発表しました。Zcashのプライバシーは開発が日々されて強化されているわけですが、そのプライバシー機能をもとに、「マネーロンダリングやテロリストの資金調達、またはその他の違法な取引に多く使用されているわけではない」ということがこの調査結果でわかりました。
むしろそれらの取引では、Bitcoinが主に利用されていることがわかっています。理由としては、Bitcoinのブランド力の高さなのか、Zcashの匿名性に対する疑問なのかはわかりません。
いずれにしてもZcash上のプライバシー機能を使った取引(シールド・トランザクション)は増加していますが、ただプライバシーを守る目的で使われている可能性が高いと言えます。
Libra協会は、Stuart Levey氏が『最初のCEO』に就任したことを発表しました。Libraのプレスリリースを読むと、Levey氏は HSBC の最高法務責任者を務めている人物です。HSBCの前は、ブッシュ政権とオバマ政権の時代に、テロリズム金融情報局の初代財務次官を務めていました。最近、計画の見直しがあり v.2 のホワイトペーパーを公開したLibraですが、いよいよ2020年後半のローンチに向けて、体制が整ってきているようです。法務バックグラウンドのCEOということで、Libraが規制遵守を重視していることがわかります。
4.NEAR Protocol raises $21.6M from A16Z and launches its MainNet, beating Ethereum 2.0
NEARのメインネットローンチの計画が先週発表されましたが、今週は、a16zなどから $21.6 million を調達しました。プライベートのトークン販売です。
今後数ヶ月以内にPoA(予めバリデータが決まっている形態)から始まり、PoS チェーンにするための開発資金と、エコシステム(ツールやアプリなど)を大きくするためのグラントなどの資金に使われる予定です。
先週のメルマガで書いたように、a16z は2つ目のクリプトファンドを$515millionで組成したばかりです。NEARへの投資によってわかるのは、この新ファンドも依然としてEthereumの競争相手(通称Ethereumキラー)となりうる投資先に目を向けていることがわかります。他のスマートコントラクトプラットフォームとしてはすでに、AVA、Celo、DapperのFlow、Dfinity、Oasis などに投資しています。
BitMEX Researchによる Ethereum2.0の詳細なレポートです。まず「大量のETHがビーコンチェーンにロックされればETHの価格が上がる可能性がある」としています。その上で、「しかし、問題はEthereum 2.0が長期的な価値を牽引するかどうかであり、持続可能な需要がある必要がある」と書いています。
結論部分としては、
「多くの committee、シャード、投票タイプがあるため、どこかがうまくいかず、さらなる大幅な遅延が発生する可能性が高いと思われます。しかし、これらの潜在的な問題にもかかわらず、Ethereum 2.0は試してみる価値があり、成功すれば、潜在的に得られるもの(報酬)は大きい」
としています。
6.Telegram Withdraws Offer to Repay Investors With Gram Tokens
TelegramのGramトークン配布の件ですが、米国の投資家は初期投資額の72%の払い戻しが必須になったようです。
先週書いた「投資家の投資をローンに変換することで、初期投資の110%を得ることができる」という選択肢を米国拠点の場合は選ぶことができません。
今後の運営についてTelegramは、「株式売却によって現金を調達する可能性がある」と伝えています。評価額について合意は明らかになっていませんが、ロシアのニュース記事 The Bell では、$4 ~ 10 billion になると予想されています。
Squareは、2020年第1四半期の収益で、360 million ドルのビットコイン出来高(購入のみ)を報告しました。過去最高のビットコイン購入額です。この出来高で $7 millionドルの粗利を得ています。
以下は Messariがまとめているグラフですが、Squareはクリプトフレンドリーな金融機関の代表格になっていて、Bitcoinへの新たな資金流入の入り口の役割を果たしています。
8.Synthetix Exchange meets the OVM - Ethereum Optimism Blog - Medium
Synthetixと研究グループのOptimismが提携して、Ethereumのスケーリング技術のデモを開始しました。レイヤー2の解決策と言われているもので、オンチェーン(レイヤー1)の計算の一部を、オフチェーンで実施する技術です。このテストに関連してSyntheix Exchange上でトレーディング・コンテストが行われています。
上記で、NEARの資金調達の話を書きましたが、Ethereum上でこれらのスケーリング技術が実用化されると、他のスマコンプラットフォームよりもエコシステム(インフラやツールやアプリ)で先行しているEthereumにかなり部があります。
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