Podcast
1年4ヶ月ほど毎週更新してきたポッドキャストですが、更新を不定期にすることにしました。何かあった際にはたまに配信すると思うので、そのときはまた聴いてみてください!
また今後はconsomeさんのほうでもポッドキャストを配信するそうなので、そちらもチェックしてみてください。
■ This Week in Crypto
1.Scaling Ethereum without Compromise
Espressoが、シリーズBで$28Mドルを調達しました。a16z cryptoがリードとなっています。
Espressoはもともとシェアード・シーケンサーのネットワークでしたが、最近では「シェアードシーケンサーためのマーケットプレイス」を構築しています。
最近のBased Rollupの話を追っていないと、何のことか分かりにくいと思うので、簡単に書いてみます。
今回のEspressoでは、ロールアップが「ブロックを構築する権利」をオークションにかけることができます。そしてEthereum L1のプロポーザーがその権利を買い、ロールアップのトランザクションの順番きめ(シーケンス)とブロック構築をします。
(Espressoを使うかどうかに限らず、このようにEthereum L1をシークエンサーに使うロールアップのことを Based Rollupと呼びます。Taikoがその例です。)
なぜロールアップはブロックを構築する権利をオークションにかけたいかというと、そうすることによって、他のロールアップとの互換性を持つことができたり、さらにはEthereum L1との互換性を持つことができるからです。
(これは「シークエンサーをL1にアウトソースする」と言い換えることもできますが、それによってシークエンサー収益を諦めたとしても、代わりに権利を売ることによる収益が入ってきます。)
では逆にL1プロポーザー側は、なぜお金を払ってまでロールアップのブロックを構築したいかというと、MEVを得ることができるからです。複数のロールアップ間のトランザクションであれば、なおさら収益性が高まる可能性があります。
ちなみにEthereum L1のプロポーザーが関与するということは、ブロック確定までに時間がかかってしまいますが、そこはEspressoのHotShotというコンセンサスエンジンを使って、即時のファイナリティを得ることができるようになります。(これを preconfirmationと呼びます)
このEspressoシークエンサーのマーケットプレイスに参加するかどうかは、あくまで各ロールアップ次第ですが、Ethereumの流動性の断片化を軽減するために、複数のプロジェクトが足並みを揃えようとしている段階です。(そのため技術的な課題というよりは、プロジェクト同士の調整のほうが、大きな課題といえます。)
Espressoは、2024年後半にメインネットを立ち上げることを目標としています。
2.Succinct raises $55M led by Paradigm to make zero-knowledge proofs accessible to any developer
Succinct Labsが、シードとシリーズAをあわせて$55Mドルを調達しました。
Paradigmがリードで、Robot Ventures、Bankless Ventures、Geometry、ZK Validatorが参加しています。
前にポッドキャストで話したことがありますが、Succinct Labsは、SP1というzkVMと、Succinct Prover Networkという証明生成のためのネットワークを開発しています。
SP1は、普通のプログラミング言語でZKを使うことができる汎用システムです。そしてSuccinct Prover Networkのほうは、証明生成をアウトソースできるネットワークです。
つまりSP1を使って作られるアプリが、Succinct Prover Networkに対してリクエストを送り、速く安く証明を得ることができる、という構造になります。そのため、RiscZeroのzkVM + bonsaiネットワークと同じ関係とも言えます。
3.Ethereum Layer 2 Morph raises $20 million from Dragonfly, Pantera and others
Ethereum L2の Morph が、$20Mドルを調達しました。
Dragonflyがリードし、Pantera Capital、Foresight Ventures、Spartan Group、Symbolic Capitalなどが参加しました。
Morphは、Optimisticとzkを組みわせたロールアップで、さらに分散型シーケンサーを備えているそうです。
「コンシューマー向けブロックチェーン」と称しています。
現在テストネットの段階で、メインネットのは今年Q2にローンチする予定です。またメインネットの立ち上げパートナーとして選ばれたエコシステムプロジェクトにエアドロップの最大30%を割り当てるそうです。
4.Sablier Labs Raises $4.5M Seed Round
Sablier Labsが、$4.5Mドルを調達しました。A Capital、Fenbushi Capital、WAGMI Venturesなどが参加しています。またa16z Crypto Startup Acceleratorから資金をうけています。
Sablierは、トークン配布とマネーストリーミングのアプリで、NounsDAO、VitaDAOなど多くのチームで、給与支払いやエアドロップなどに使われています。
またステルスモードで、決済プラットフォームに取り組んでいるそうです。
5.Keyring Network Raises $6M in Funding
Keyring Networkは、$6Mドルを調達しました。
gumi Cryptos CapitalとGreenfield Capitalがリードしています。
Keyringは、金融機関が「コンプライアンスに準拠した取引相手と選択的に接続できるようにするためのツール」を提供します。
ZKPにより機密データのプライバシーとセキュリティを保証します。
6.Web 3 Startup Tensorplex Labs Raises $3M Seed Funding to Decentralize AI
Web3とAIのスタートアップTensorplex Labsが、$3Mドルを調達しました。
Canonical CryptoとCollab+Currencyがリードし、(DCG、Quantstamp、Amber Groupなどが参加しています。
Tensorplexは、分散型AIネットワークのインフラを開発し、BittensorのようなAIネットワークを推進していくことが目標です。
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