EIGENトークンのモデル
先週EigenLayerからついにEIGENトークンが発表され、そのトークンを使ったETHリステーキングを補完する仕組みを発表しています。
42ページにも渡るホワイトペーパーになっていて、単なるトークンではなく、よく設計されたもう1つのプロダクトを発表したというほうが正確です。
それは何かというと、「EIGENトークンによるステーキング」で、ETHリテーキングでは対処できないタスクに対応すること(オンチェーンで即座に検出できない悪意のある行為に対してスラッシュすること)を目的としています。
この「オンチェーンでは即座にスラッシュできない」とはどのようなものがあるかというと、オラクルのデータ隠蔽などがあります。価格データが正しくないときは誰でも判断できるものの、Ethereum上にあるわけではないので、オンチェーンで客観的に判断してオラクルにペナルティを課すことができません。
こういったものをEIGENトークンのホワイトペーパーでは「intersubjectiveな違反」と呼んでいますが、これに経済的なペナルティをかせるようにして、セキュリティを提供するのが今回発表された「intersubjectiveステーキング」です。
具体的には、EIGENトークンをステークし、悪意のある行為や違反があったときは、EIGENトークンをフォークして、この intersubjectiveな違反を解決します。
しかしEIGENそのものをフォークしてしまうと、DEXや取引所などは毎回フォーク後のトークンをサポートしないといけなくなるため、それを避けるために、bEIGEN(backing EIGEN)というトークンが導入されます。チャレンジ(異議申し立て)などによってフォークがおきたときは、ユーザはどちらのbEIGENのフォークを真とするかを選びます。
ガバナンスを信頼するEIGENホルダーは、そのまま持っておくだけにすることもできます。ガバナンスに反対するユーザは、EIGENをbEIGENにして、どちらのフォークが真かを選びます。
ここについて久しぶりにポッドキャストで話してみたので、ぜひ聴いてみてください!
MakerDAOの新しいトークン
MakerDAOがリブランドするそうで、新トークンも発行されるようです。
現状はステーブルコインのDAIと、ガバナンストークンのMKRがありますが、それぞれ新しいアップグレード版が出る予定です。
まずDAIのアップグレード版は、NewStable(NST)というコードネームになっていて、正式名称はブランド公開のときに発表されます。
MKRのアップグレード版は、NewGovToken(NGT)というコードネームで、ガバナンスへの参加を促して、意思決定もより動的にできるよう設計されているそうです。
今後DAI保有者はNewStableにアップグレードでき、MKR保有者は 1MKR = 24,000 NGTで移行可能になります。
この移行はあくまで選択式になっていて、NewStable(NST)は、いつでもDAIに戻すこともできる予定になっています。そしてこのNSTの保有者は、開始直後からファーミングに参加してNGTを獲得できるようになる予定です。
Friend Techトークン
一時期大きな話題となったFriendTechですが、ネイティブトークンがBase上でエアドロップされました。
キーの所有者が運営するコミュニティである「クラブ」という機能が追加されています。クラブに参加するためのキーは、Friendトークンで売買することができます。
■ This Week in Crypto
1.Paragraph raises $5 million from USV and Coinbase Ventures, takes over web3 blogging platform Mirror
web3ニュースレタープラットフォームのParagraphが、ブログプラットフォームMirrorを買収し、さらに$5Mドルを新たに調達しました。Union Square Ventures(USV)とCoinbase Venturesが投資をしています。
Paragraph創業者がCEOを続け、Mirror創業者はアドバイザーになります。
ちなみにMirrorの親会社は、新しく「Kiosk」というプロジェクトを立ち上げていて、$10Mドルを調達したことを発表しました。Electric Capital、a16z crypto、USV、Variantが支援しています。
Kioskは、Farcasterの新しいクライアントで、見る感じではNFTミントやトークンゲートのグループなどオンチェーン機能に特化したクライアントに見えます。
記事内のNFTをミントすると、ウェイトリストに参加することができます。
2.Celestia liquid staking protocol MilkyWay raises $5 million ahead of token launch and airdrop
MilkyWayというプロジェクトが、$5Mドルを調達しました。
Polychain Capitalがリードで、Binance Labs、Hack VCなどが参加しています。
MilkyWayは、CelestiaのLiquid Staking Protocolです。Osmosis上のスマートコントラクトとして作られています。
いまはmPointsというポイントプログラムをやっていて、今後数ヶ月でエアドロップを実施する予定だそうです。
またInitia上でロールアップを作っていて、将来InitiaエコシステムのLiquid Stakingもサポートする可能性があるようです。
3.Multicoin Capital leads $5 million round for Baxus, a Web3 marketplace for wine and spirits
高級アルコールをトークン化して取引できるマーケットプレイスのBAXUSが、$5Mドルを調達しました。Multicoin Capitalがリードし、Solana Venturesなどが参加しています。
ボトルのコレクション市場は、別々のサイトやオークションハウスでバラバラに販売されていて、深い流動性がないそうです。(例えば州同士の取引に限定されるなど)
そこでBAXUSは、マーケットプレイスをひとつのアプリにまとめて買い手と売り手をマッチングさせます。
ボトルの出品者は、ボトルをBAXUSの保管庫に送り、認証を受けます。その後ボトルは温度管理された場所に保管され、対応するNFTが発行され、オンチェーンで保管・取引されます。(Solana上)
出所と価格データは各NFTに紐づいていて、ユーザのダッシュボードに表示されて、出品や取引をすることができます。
クリプトユーザではユーザ向けに、クレジットカードで支払いができるようになっていて、ウォレットを意識しないようにもなっています。
4.Haun Ventures leads $5 million seed round in cross-chain governance platform Agora
クロスチェーンのガバナンスプラットフォームのAgoraが$5Mドルのシード資金を調達しました。
Haun Venturesがリードし、Coinbase Ventures、Balaji Srinivasanなどが参加しています。
Agoraは、ガス投票、提案、提案スポンサー、スナップショット統合、トランザクションシミュレーションなどのツールを提供しています。
Optmismなどでも利用されています。
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