アジア株をパーペチュアルで取引する
#445 Bspeak! 2026年7月20日号
チェーンのエコシステム戦略の見直し
MegaETHは、約2年間にわたり実施してきたアクセラレータープログラム「Mega Mafia」を終了すると発表しました。
約20チームを支援して、合計で$80M以上という多くの調達を成功させたものの、大半は現在MegaETH上を去っていったためです。たとえばGTEは独自チェーンにきりかえ、NoiseはBaseへ、HelloTradeはMonadにいきました。
今後はMegaETH上でのみ実現できるコンシューマ向けの「OMEGAアプリ」、ウォレットインフラ、ステーブルコインなどの自社開発に注力します。
またBaseは、ソーシャル施策(Farcaster、Zora、クリエイターコインなど)があまりうまくいかず、予測市場やPerpで後れを取ったという発言がありました。
今後は、トレード、ペイメント、AIエージェント・エコノミーを優先し、「金融のためのチェーン」となることを強調しています。
チェーンが単に外部プロジェクトを支援する段階から、「自らのチェーンに価値が残るプロダクト」を直接開発する段階になっています。
今週の市場コーナー
市場は依然として「すでに底打ちした」vs「もう一度下落する」の議論となっています。
それが変わるような大きな動きはなかったですが、発表された6月CPIが予想を下回ったことをきっかけに、クリプト全体が反発しました。今回はETHが主導しましたが、ETHがBTCに先行してリカバリーを主導するのは過去のサイクルでも見られたパターンです。
需給面での変化の兆しもあり、ETFフローは8週連続の流出がストップして、流入にかわりました。とはいえ、機関需要が戻ったと言うのは早く、この反転が続くかをみていく必要があります。
前回のATHから9ヶ月がたち、あと1-2ヶ月で「すでに底打ちした」vs「もう一度下落する」の答えがわかりそうです。
■ This Week in Crypto
Multicoin Capitalが、Hyperliquid上に開発されたアジア特化のパーペチュアル取引プラットフォームTrasiaに$1.75Mドルを出資しました。シードラウンドの単独投資家で、MulticoinにとってHyperliquidエコシステムへの初めての投資になります。
(Multicoinは先月、HYPEトークン自体への投資と、その投資仮説も公開していて、HYPEのポジションは、Multicoinのポートフォリオの中でも一番大きくなっているそうです。)
そしてこのTrasiaは、元MulticoinパートナーのMable Jiang氏(直近はStepnの幹部)が共同創業しました。中国語と英語のWeb取引インターフェイスをローンチ済みで、8月にはモバイルアプリを予定しています。
HIP-3(500,000 HYPEをステークすることで、Hyperliquid上に独自のパーペチュアル取引所を作れる仕組み)を使って、アジア株のパーペチュアル市場を立ち上げる計画で、まずはアジアで上場が近いAIインフラ企業の株に注力するとしています。
Hyperliquidをまだ知らない、オンチェーン取引に馴染みのないアジアのユーザを、モバイルファーストの体験とアジアのネットワークで取り込むことを狙っています。
ニューヨークの予測市場スタートアップPascalが、シリーズAで$9Mドルを調達しました。
Union Square Venturesがリードしています。昨年8月にはWintermute VenturesとDBAからシードで$6Mドルを調達しています。
Pascalは、KalshiやPolymarketをつかうようなカジュアルなユーザではなく、プロトレーダーや機関投資家向けの予測市場を開発していて、パーペチュアルに近いプロダクトと位置付けています。
特徴としては、低い手数料、「約定したように見えて実際は成立しない取引」が少ない設計、流動性提供者のツールとインセンティブ、です。
共同創業者のdYdXのCEOも務めた人で、現在はプライベートベータの段階です。
3.Crypto clearinghouse Glacis Labs raises $6.8 million seed to expand ZeroDelta platform
クリプトのクリアリングプラットフォーム「ZeroDelta」を開発するGlacis Labsが、シードで$6.8Mドルを調達し、ステルスから出てきました。
Lightspeed Factionがリードし、Franklin Templeton、Coinbase Venturesなどが参加しています。
ZeroDeltaは、複数のブロックチェーンをまたいでトークンの移転をマッチング・決済する「クリアリングプラットフォーム」です。現在はUSDC、USDT、USDeのステーブルコインに対応していて、今後はトークン化証券、RWA、FXへの拡大を計画しています。
顧客はすべて機関投資家で、チェーン間で資産をリバランスするマーケットメイカー、低コストの決済ルートを求めるアグリゲーター、24時間の流動性を必要とするステーブルコイン発行体などです。
すでに$1Bドル以上の取引を処理しており、ブリッジリスクのないネイティブなミント/バーン型の移転を強みとしています。
4.Exclusive: Cyclops raises $20 million to help payment companies settle faster with stablecoins
マイアミ拠点のCyclopsが、シリーズAで$20Mドルを調達しました。
Nava Venturesがリードし、Coinbase Ventures、Circleなどが参加しています。
Cyclopsは、決済企業向けにクリプト・ステーブルコインのサービスをまとめて提供するインフラを開発していて、決済企業が自前でツールを開発することなく、速い決済やクロスボーダー取引を提供できるようにします。
創業者は、クリプト寄付サービスのThe Giving Blockを創業し、決済企業Shift4に売却した経験があります。このShift4という決済企業で、加盟店にステーブルコイン決済を導入する中で、決済に特化したワンストップのインフラが必要だと気づいたそうです。
現在の顧客にはMastercardも含まれています。
5.Tether leads $7 million round in Pact Labs to boost USAT stablecoin adoption
Tetherが、Pact LabsのシリーズA($7Mドル)をリードしました。
米国市場向けステーブルコイン「USAT」の普及を狙った投資で、Pact Labsは、給与支払い、給料の前払い、クレジット、日常の決済などでUSATを使うためのインフラを提供します。
労働者が給与をより早く受け取れるようにできるようにすることを目指しています。
ステーブルコインのトレジャリー・決済プラットフォームであるVelocityが、シリーズAで$38Mドルを調達しました。
DragonflyとFirstMarkが共同リードし、Coinbase Ventures、Wintermute Ventures、Rippleなども参加しています。
Velocityは、決済プロバイダーや金融機関が、既存の銀行レールやコンプライアンスシステムに接続したまま、ステーブルコインで資金を保有・移動・決済できるようにするインフラを開発しています。
決済時間の短縮、クロスボーダーの資金移動の効率化などを、既存のトレジャリー業務を作り変えることなく実現できるのが特徴です。
法定通貨とステーブルコインの残高を統合し、企業資金で利回りを得る機能も提供しています。
ぜひ今週分をシェアお願いします🎉
☕ Twitter: @CoffeeTimesTW
☕ バックナンバー: Substackのアーカイブからご覧ください。

