NFTのライセンス
最近はNFTのライセンスの話題をよくみかけます。前にBlitmapというプロジェクトについて書いたときにも触れましたが、著作権を放棄してパブリックドメインにする「CC0」が増えてきています。
そして先週はa16z が、NFTプロジェクトのための著作権ライセンス「Can't Be Evil」を発表しました。
このライセンスは、NFTに関連する権利についてできること、できないことを定義するもので、権利をめぐる争いを軽減する目的で作られています。
NFTプロジェクトが目的に応じて選べるように、今回6種類がドラフトとしてあげられていて、「商用利用する権利」「サブライセンスする権利」などいくつかの権利について、異なる許容度で定義されています。
■ Last Week in Crypto
1.Sei has partnered with Axelar Network to enable cross-chain messaging for DeFi on Cosmos
DeFiに特化したL1ブロックチェーン「Sei」を開発しているSei Labsが$5Mドルを調達しました。
Multicoin Capitalがリードし、Coinbase Venturesや大手マーケットメーカーが参加しています。
Seiは、Cosmos SDK使ったチェーンで、高速のL1を目指しています。
EthereumやSolanaなどは「汎用型チェーン」、dYdXなどは「アプリ特化チェーン」といわれますが、Seiはその中間にあたる「ユースケース特化チェーン」となっていて、DeFi用途のためにオーダーマッチングエンジンやフロントランニング保護がプロトコルレベルで内蔵されている点が特徴です。
ウェブサイトでは分散型Nasdaqと自称し、「600ミリ秒のファイナリティ、秒間18,000個の注文をさばく」としています。
SolanaもSeiの両方に投資しているVCのMulticoin Capital的には、SeiとSolanaが直接競合するわけではないとコメントしています。Sei Labsは、今年後半にローンチ予定になっています。
DeFiのオラクルを開発するRedStoneが、$7Mドルを調達しました。
Lemniscapがリードで、Coinbase Ventures、Blockchain Capital、Distributed Global、Lattice、Arweave、Bering Waters、Maven11、7X Venturesが参加しています。
オラクルとは、スマートコントラクトに価格などのデータを提供する役割です。
RedStoneのオラクルは、Ethereum、Avalanche、Polygonなど20以上のチェーンにまたがって、1000種類以上のトークンの価格フィードを提供しています。
またRedstoneは、EVMコネクターという方法で、コストが低くて速いオラクルを実現しています。
仕組み
EVMのストレージへのアクセスするのは、高いガスコストがかかります。そこでRedStoneは、EVMストレージに常にデータを保持させるのではなく、必要なときだけデータをオンチェーンに持ち込みます。それまでデータは、Arweaveブロックチェーンで保持され、利用可能にしておきます。
トークンモデル
トークンについては、他のオラクルと似たモデルですが、データ提供者が正確かつ最新な情報を提供するためのインセンティブとして利用されます。
データ提供者は、データを提供して利用されると報酬が得られ、もしデータに異議申し立てがあった場合は、トークンホルダーによる投票が始まります。
大多数に入れた投票者には報酬が与えら、逆に投票した側にはペナルティを与えることで、正しく投票するようにインセンティブ付けられます。
3.Stacked, the Web3 Version of Twitch, Raises $12.9M
Web3の動画配信プラットフォームのStackedが、$12.9Mドルを調達しました。
Pantera Capitalがリードになっています。
TwitchのWeb3版で、ゲームのストリーミングなど動画配信ができるようになります。
クリエイターは、視聴者からの寄付やサブスクリップションで、フィアットかクリプトを受け取ることができ、またガバナンストークンで、メインページで特集を組んだり、収益率を提案して決定することができます。
要は、クリエーターがweb2のプラットフォームよりも多くの収益を受け取ることができるようにし、かつガバナンス参加権も与えるようにしています。
5.NFT Security Startup Tokenproof Raises $5M to Keep JPEGs Safe From Scammers
Tokenproof が$5Mドルを調達しました。
Penny Jar capitalがリードで、Corazon Capital、6th Man Ventures、Canonical Cryptoなどが参加しています。
BAYCなどNFT保有者だけが参加できるイベントなどが増えていますが、そんなときに高価値のNFTを危険にさらさずに、保有者であることを証明できるアプリがTokenproofです。
NFTを攻撃者の手の届かないところに保管したまま、アプリを通じて、自分がNFTを所有していることを証明することができます。
6.Solana automation network Clockwork raises $4 million
Solana上の自動化ネットワークであるClockworkは、$4Mドルを調達しました。
Multicoin CapitalとAsymmetricがリードで、Solana Venturesもこのラウンドに参加しています。
Clockworkを利用すると、開発者がSolanaのバリデータを使って、定期的なトランザクション(タスク)をスケジュールし、自動化できるようになります。
例えばトークンによる給与の支払いなど、定期的に暗号通貨を支払うときに利用できます。
Solanaのバリデータとしては、Clockworkのプラグインをインストールしてタスクを実行することで、手数料を徴収できるようになり、これがインセンティブとなります。
ブロックチェーンデータを使いやすくするLuabaseが、Costanoa Ventures、6th Man Ventures、先週書いたthirdwebの創業者などから$4.5Mドルを調達しました。
Luabaseを使うと、大量のブロックチェーンデータをSQLでクエリするコストを抑えることができ、またLuabase上で分析をすることができます。またそのデータを、API経由で色々なアプリ(Google Sheets、Discord、Slackなど)に埋め込むことができます。
現在、Ethereum、Polygon、Avalanche、Bitcoin、Solanaなどの主要なブロックチェーンに対応していて、今後はGithub統合やSDKをローンチ予定になっています。
8.Announcing Our $5M Seed Round to Scale Avalanche
GoGoPoolが、$5Mを調達しました。
Framework VenturesとCoinFundがリードで、Republic Crypto、Genesis Block Ventures、Avalaunchなどが参加しています。
GoGoPoolは、Avalanche上のLiquid stakingのプロトコルですが、特にAvalancheのサブネットの障壁を下げることを目的としています。
サブネットとは、カスタム可能なブロックチェーンを簡単につくれるようにする機能です。現在Avalanche上でサブネットの立ち上げるには、バリデータごとに2000AVAXを負担しなければならないので、5ノードだったら1万AVAXのコストがかかります。
そこでGoGoPoolは、委任者のトークンとノードをマッチングすることで、このコストを下げ、1000AVAXで新しいバリデータノードを立ち上げることができるようにします。
9.21-year-old female founder raises $5 million for web3 community protocol Koop
Koopが、$5Mドルを調達しました。
Variant Fundと1confirmationがリードで Ethereal Ventures、Volt Capital、元Coinbase CTOのBalaji Srinivasan氏、元SequoiaパートナーのLiu Jiang氏などが参加しています。
Koopについては去年の10月に書いていました。
現在は、NFTの共同投資だけでなく、グループ内で提案や投票をしやすくしたり、貢献者に報酬を与えやすくしたりといった、コミュニティを作って運営するためのツールになっています。web3のコミュニティは、ウォレットが中心になりますが、Koopはこの分から2%の手数料を徴収しているようです。
今後SolanaとPolygonの拡張を計画しています。
10.a16z leads $50 million in funding for NFT organization Proof Collective
1,000人のNFTコレクターとアーティストからなるNFTグループ Proof が、$50Mドルを調達しました。
a16zがリードで、Collab+Currency、Flamingo DAO、SV Angel、VaynerFund、Seven Seven Sixなどが参加しました。
Proofは、MoonbirdsとOdditiesのNFTを運営する組織ですが、今回「Moonbirds Mythics」というNFTプロジェクトや、Moonbirds DAOを同時に発表しています。
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