Airchat
AngelListファウンダーで、エンジェル投資家としても有名なNaval Ravikantさんが、新しいプロジェクトを始めています。
非同期の音声チャットソーシャルメディアで、「TwitterとClubhouseを合わせたようなアプリ」と言えばイメージしやすいかもしれません。
現在はクローズドのテスト版のところ、縁あって触っていますが、すごく良いアプリで、ハマっています。いつの間にかNavalとも会話するようにもなり、とても楽しんでいます。
先週は日本にきていたそうで、
「日本は素晴らしかった。西洋社会は何を間違えているのだろうと疑問に思うほどです。とてもきれいで、安全で、機能的なんです。」
と言っていました。初めて来たわけではなかったようですが、やはり最高で、惚れ直したそうです。
Naval以外にも、クリプトのファウンダーや投資家で日本を好きな人は多く、ビジネス環境やビザ制度をうまく整えれば、人材を呼び込むポテンシャルがある国だと改めて感じています。
■ Last Week in Crypto
1.DeFi-Focused Layer 1 Berachain Raises $42M Series A at $420.69M Valuation
DeFiに特化したL1チェーンのBerachainは、$42Mドルを調達しました。Polychain Capitalがリードし、Hack VC、dao5、Tribe Capital、Shima Capital、CitizenX、Robot Venturesなどが参加しています。
Berachainは、Cosmosエコシステムのチェーンで、EVM互換をもちます。2021年からのNFTコレクション「Bong Bears」のチームが開発しています。
特徴としては、ステークされたトークンをレンディングなどDeFi用途に利用でき、流動性や資本効率を高めることができます。
トークンモデル
またBerachainは、3種類のトークンを持ちます。
Beraという手数料に使われるトークン、Honeyというステーブルコイン、BGTという譲渡できないガバナンストークンです。
BeraもしくはwETHやwBTCなどの選ばれたトークンをステークすると、時間経過とともにBGTを得ることができ、ガバナンスへ参加できます。ガバナンスに参加するとその報酬として、ステーブルコインhoneyを得ることができるそうです。
画像: Twitter
今後数週間でインセンティブ付きテストネットを予定していて、今年後半にはメインネットがローンチされる予定になっています。
2.Unlocking Web3's data potential: $8M Series A, web3-native SQL, and reusable data blueprints
分散型クラウドデータベースTablelandは、$8Mドルを調達しました。CoinFundがリードで、Multicoin Capital、Blueyard、A Capitalが参加しています。
Tablelandはパーミッションレスなデータベースを提供しています。
解決したい課題としては、
データをオンチェーンで保存したり、分散型ファイルストレージを擬似データベースとして使用したりすると、コストがかかったり、複雑な設計になる
かといってweb2データベースを使うのは、相互運用やコンポーザブルではない
というものです。
開発者はdappsやNFT用にリレーショナルデータモデルを作ることができ、バリデータからなるTableland Network上に分散して保存されます。(TablelandのテーブルはERC721としてオンチェーンにミントされ、その tokenURI によって、オンチェーンとTableland Networkを紐付けます)。
現在、Ethereum、Polygon、Arbitrum、Optimismでベータ版として利用可能です。
画像: Document
3.Rarimo
ブリッジのプロトコルRarimoが、$10Mドルを調達しました。Pantera capitalがリードし、Protocol Labs、Circle、Eniac、Slow、Hyper、Greycroftが参加しています。
ブリッジのプロトコルと書きましたが、Rarimoは他のブリッジと違って、分散型アイデンティティとソーシャルに注力しています。
メタデータを検索可能にし、クレデンシャルを複製することで、SBT、NFT、オンチェーンアイデンティティなどを、チェーンを越えて利用できるようにします。例えば、クロスチェーンの投票や、クロスチェーンのID証明などがユースケースです。
NFTチェックアウト
また「NFTチェックアウト」というプロダクトを出しています。
例えば、あるチェーンAでトークンを保有するユーザーが、別のチェーンBでNFTを買うときに、「NFTチェックアウト」を使うと、チェーンBのネイティブトークンを使うことなく、NFTを購入することができます。
つまりクロスチェーンにかかる複数のステップを1回のトランザクションに束ねることができます。(各チェーンでアトミックに実行されます)。
デモはこちらから試すことができます。
画像: ドキュメント
また最近では、Circleと提携してCross-Chain Transfer Protocol(CCTP)を統合しました。これによって、USDCで、チェーンをまたいでNFTを購入でき、トランザクション手数料も1回払うだけで済むようになります。
現在、Ethereum、Solana、Binance、Near、Avalanche、Polygonをサポートしています。テストネットでは、開発者の募集を行っています。
Protectorateというプロジェクトが、$1.5Mドルを調達しました。
NFTやNFTfiプロトコルのために、流動性をつくるためのプロジェクトです。
NFTマーケットプレイスやNFTレンディング、NFT AMMなどを集約し、NFTfiの流動性レイヤーとして機能します。
NFTの利回りアグリゲーション、流動性ルーティングのプラットフォームとも言えます。
5.PRE-SEED FUNDRAISE ANNOUNCEMENT
暗号通貨やデータを守るブラウザ拡張機能Wallet Guardが、資金を調達しました。金額は発表されていませんが、Ethereal Venturesがリードし、ConsenSys、IOSG Venturesなどが参加しています。
フィッシングの検出、トランザクションのシミュレーション、トランザクションの説明などを表示してくれます。また攻撃を見つけにいって未然にブロックすることもしているそうです。
ダッシュボードでは、自分の環境のセキュリティ状態をみることもできます。
6.Crypto transparency: Fractal raises $6 million to reshape market structure after FTX, 3AC
Fractalは、$6Mドルを調達しました。QCP、6th Man Ventures、Archetype、Blizzard、CMT Digitalなどがリードし、Golden Tree Asset Management、CoinShares、Spartan Groupなどが参加しています。
Fractalは機関投資家向けのプラットフォームで、「DeFiにおける資産効率を高めつつ、透明性をもってカウンターパーティリスクを下げる」ことを目標としています。
複数のDeFiを扱うときに、共通のマージンアカウントで、担保を設定できるようになります。(借り手としてFractalを利用するには、KYCをする必要があります。)
またカウンターパーティーのポジションをリアルタイムで監視し、カウンターパーティーリスクを軽減することができます。
7.Karate Combat Raises $18 Million in Funding From BITKRAFT Ventures
Karate Combatは、$18Mドルを調達しました。
Bitkraft Ventures、Delphi Digital、The Operating Group、Hashkeyなどが参加しています。
5月10日にKarate Combatのアプリと$KARATEトークンをローンチする予定になっています。
スポーツベッティングと拡張現実をミックスしているようなイメージで、世界中の参加者が$KARATEトークンをお気に入りのファイターに割り当て、ファイターの賞金総額を引き上げることができます。
また、選んだファイターが勝てば、参加者はトークンを獲得することができ、負けてもトークンは減らないようになっています。
Web3決済プロバイダーのCoinflow Labsが、$1.45Mドルのプレシードラウンドを完了しました。
Jump CryptoとReciprocal Venturesがリードし、CMT Digital、Digital Currency Group、Gumi Cryptos、Builder Capital、Prompt Ventures、Blocktech Ventures、などが参加しています。
Coinflow Labsは、クリプトと銀行インフラの間をやり取りをスムーズにします。
例えば「クレジットカードでNFTを購入する」みたいな支払いオプションを、Web3プロジェクトが簡単に統合できるようにします。またウォレットから暗号通貨をすぐ銀行口座に移動することも可能にします。
現在Solana、Near、Polygon、Ethereumの各ブロックチェーンで稼働しています。
9.Helio Raises $3.3 Million to Power Web3 Payments for Merchants
Helioは、$3.3Mドルを調達しました。PeakとLightspeed Factionがリードし、RockawayX、Solana Labsなどが参加しています。
Web3のためのStripeと説明されているように、加盟店にクリプト決済機能を提供していて、Eコマース、NFT販売、SaaSサブスクリプション、コンテンツ課金などで利用されています。
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