アカウントアブストラクションの新提案
Vitalik氏が、他の共著者とともに、Ethereumのアカウントアブストラクション(AA)を洗練させるために、EIP 7702を提案しました。
EIP7702では、新しいトランザクションタイプを提案しています。何かというと、「EOA(通常のアカウントアドレス)がトランザクション中に一時的にスマートコントラクトのウォレットとして機能して、トランザクション後に元の状態に戻ることができる」というものです。
このEIP7702は、ERC-4337との互換性をもって「AAのエンドゲーム 」を目指しています。
OP L3
OPスタックを使ったL3チェーンを作り、(シーケンサー収益を共有すれば)Optimismのスーパーチェーンに参加できるようになりました。
そのために今回OPスタックに2つの新機能を導入されています。1つ目はガストークンのカスタマイズ、2つ目がプラズマモード(独自のDAレイヤーを使えるようにする機能)です。スーパーチェーンになると、チェーン同士がインターオペラブルになります。
ちなみにArbitrumやzkSyncがL3機能を実現していますが、これでOptimismもその競争に加わった形になります。
メジャーなロールアップエコシステムの中で、L3構造を志向していないのはPolygonくらいですが、Polygon AggLayer(集約レイヤー)を踏まえると、実質的にL3のエコシステムとも言えるかもしれません。
■ This Week in Crypto
1.Peter Thiel's Founders Fund leads $13.2 million seed round in cryptography startup Lagrange Labs
Lagrangeが、シードで$13.2Mドルを調達しました。
Founders Fundがリードし、Archetype Ventures、1kx、Maven11、Fenbushi Capitalなどが参加しています。
Lagrangeは、ZKコプロセッサを開発していて、大量のデータの証明を、低コストで生成することができます。ユースケースにはクロスチェーンの流動性、AI、機械学習モデルの実行などがあげられています。
流れとしてはまずブロックチェーンのデータを「SNARKフレンドリーなデータ構造」にして、そのあとにLagrangeの証明ネットワークが大規模なデータの証明を低コストで生成します。
2.zkSync 'hyperchain' Sophon raises $60 million via node sale
zkSyncのハイパーチェーンを使ったL2であるSophonが、ノード販売(ノードセール)で、$60Mドルを調達しました。(このSophonは元zkSyncの人が創業したプロジェクトです)
集めた$60Mドルのうち、$45Mドルはプレイベート投資家から、$15Mドルは個人投資家からの調達になっています。
ノードセールはノードのライセンスを販売するもので、SOPHトークンの総供給量の20%が、ノードライセンスホルダーに割り当てるそうです。まだトークンがでていないので、参加者はノードライセンスを意味するNFTを受け取っています。
(ノードセールと新しい名前がつけられていますが、実質的にはICOと同じように見えます。)
今後数ヶ月以内でネットワークを立ち上げる予定で、ノードライセンスホルダーは、シーケンサー収益の分け前を得ることができるようになります。
3.Botanix Labs raises $8.5 million to build a Bitcoin-native DeFi ecosystem
Botanix Labsは、シードで$8.5Mドルを調達しました。Polychain Capital、Placeholder Capital、ABCDEなどが参加しています。
Botanix Labsは、ビットコインL2のプロトコルSpiderchainを開発しています。
ランダム化された分散型マルチシグのネットワークで、ネイティブトークンとしてビットコインを使うことができます。そしてビットコインチェーン上でネイティブにEVMを実行することが可能になるそうです。
すでにテストネットには、DEXであるBitzyやビットコインを担保にしたステーブルコインPalladiumなどがあります。
4.X: Arch
Arch Networkは、シードで$7Mドルを調達しました。Multicoin capitalがリードしています。
Arch Networkは、ビットコインを使ったスマートコントラクトのプラットフォームです。
zkVMであるRISC Zeroを活用し、スマートコントラクト機能をBitcoinに直接導入することで、Bitcoinの実行レイヤーを作成します。
5.Solana DePIN Ambient raises funds ahead of token launch, acquires PlanetWatch's network
Solana上でDePINを展開するAmbientは、シードで$2Mドルを調達しました。Borderless Capital がリードし、Solana Venturesなどが参加しています。
Ambientは、センサーを使って、リアルタイムでローカライズされた環境データを収集します。空気のデータから始め、ゆくゆくは騒音や光害のような環境データに拡大していくことを目指しています。
現在は20カ国以上で25,000以上の環境センサーがあり、5分ごとにデータフィードをとっているそうです。そしてこのセンサーのコストはだいたい$400 - $2,100ドルとなっています。
今後データを取得しやすくするモバイルアプリも予定しています。
またAlgorand上のDePINプロジェクトであるPlanetWatchのネットワークを買収し、Solanaへの移行を決めています。
6.Arcium raises $5.5 million in strategic round to develop 'confidential computing' network
Arciumが、$5.5Mドルを調達しました。Greenfield Capitalがリードし、Coinbase、Longhashなどが参加しています。
Arciumは、SolanaのプライバシープロトコルElusivの開発チームです。
MPC、FHE、ZKなどを組み合わせ、開発者は通常のスマートコントラクトのように暗号化されたアプリをデプロイすることができます。
開発者はインセンティブ付きテストネットに申し込むことができます。
7.ZKM raises $5 million ahead of Bitcoin-based Layer 2 launch
ZKMが、$5Mドルを調達しました。OKX Venturesがリードし、Amber、Metis Foundation、Crypto.comなどが参加しています。
zkVMを開発するプロジェクトですが、現在はそれを利用したビットコインL2を開発しています。Ethereum、Cosmot、TONなどへビットコインを送ることができるそうです。
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