Circleのブロックチェーン「Arc」のトークン資金調達
#436 Bspeak! 2026年5月18日号
テキサスできた Starbase という町
先週号で、テキサスのオースティンに起業家や投資家が増えてきているという話をしましたが、それに関連してもう少し書いていきます。
テック企業やスタートアップなど、イノベーションの中心は、なんだかんだ今後もSan Francisco・ベイエリアであり続けると思っています。いろいろな問題があり人材は流出しているものの、起業家や投資家のエコシステムがそれ以上に強く、その場所のもつネットワーク効果は簡単に移り変わるようなものではないからです。
しかし例外を1つあげるとすれば「宇宙」の領域です。
Elon Muskが、数年前に「Starbaseという町を作る」と投稿し、テキサスのボカチカという場所に、SpaceXの製造や打ち上げの拠点をつくりました。当時はなにもない田舎でしたが、2022年あたりからSpaceX社員が住み始め、住宅、学校、コミュニティ施設などが整備されてきています。
そして2025年には、住民投票により「Starbase」は正式に自治体となりました。
Elon Muskは、人類を multi planetary にすること(人類が複数の惑星にまたがって生存する種族になること)を掲げているため、Starbase作りは単なるロケット基地というより、火星につくる都市のプロトタイプを地球で試しているようにも見えます。そしてここを「Gateway to Mars(火星への入口)」とも呼んでいます。
この場所はまだ初期の段階ですが、今後ひかえているSpaceXのIPOによって、社員やその投資家が億万長者となり、その人たちがスタートアップに投資をする、となっていけば、宇宙エコシステムが、Starbaseやテキサスのどこかにできてもおかしくありません。
(ちなみに宇宙産業といえば、Los Angeles が歴史的に強く、今でもRocket Labなど多くの注目企業があります。SpaceXも今でも本社はLAのホーソーンにあります。)
■ This Week in Crypto
Circleが、L1ブロックチェーン「Arc」のトークンプレセールで$222Mドルを調達しました。
a16z cryptoがリードし、BlackRock、Apollo、ICE、SBI、ARK Investなども参加しました。
ArcはUSDCをガストークンとしてつかうエンタープライズ向けL1で、即時のファイナリティ、プライバシー機能、EVM互換を備えています。
さらにAIエージェント向けツール「Circle Agent Stack」も発表し、AIエージェントによる超少額決済($0.000001ドルなど)ができるようになっています。
また同時に公開されたCircleの2026年Q1決算では、売上高が$694Mドル(前年比20%増)となっていて、ステーブルコインビジネスが拡大しています。
2.Announcing our $8M seed, led by Lightspeed
Origin Labは、ゲームデータとAI企業をつなぐインフラを開発している企業で、シードで$8Mドルを調達しました。Lightspeedがリードしています。
これまでゲーム会社が開発してきたゲーム内は、今後のAIに必要な「現実理解データ」の宝庫になっています。(物理演算、プレイヤーの入力、衝突状態、行動の結果など、世界モデルやロボティクスAIの学習に必要な情報がたくさんあるため)
そこでOrigin Labは、ゲーム会社と提携し、ソースレベルでライセンス契約をしてきます。
また、ゲーム画面の録画ではなく、ゲームエンジンから直接データを取得します。そのため映像や音声だけでなく、人間の入力、カメラの軌跡、シーン情報などをとることができ、そこにメタデータを追加し、APIで提供しています。
すでに20社以上のゲームパブリッシャー、50以上のゲームタイトルと提携し、すでに大手AI起業とも契約しているそうです。
単純なスクレイピングではなく、「合法で、構造化されいて、大規模に利用できる学習データ」が重要になっています。
3.Charms closes $1.5M pre-seed to launch the AI character economy
AIキャラクターをつくれるプラットフォームCharmsが、プレシードで$1.5Mドルを調達しました。Lattice、JME、Coinbase VenturesのBase Ecosystem Fundなどが参加しています。
Charmsでは、AIキャラクターを作成でき、そのキャラクターは「魂」「記憶」「個性」「音声」「ビジュアル」「所有権」を持ちます。
ふつうのAIチャットサービスと違って、会話履歴、関係性、感情パターンを記憶して、ユーザーごとに長期的な関係性をつくれる点が特徴になっています。
また各キャラクターには独自の経済圏があり、ファンは単に利用するだけでなく、そのキャラクターの成長や価値形成にも参加できます。(キャラクターを作ったクリエーターにも収益機会があります。)
またアクティビティが増えると、手数料はクリエイター、Charms、紹介者、そしてキャラクター自身へ分配されます。
4.Sky Ecosystem leads $13.5 million round for Stablewatch-incubated stablecoin yield startup Osero
ステーブルコイン利回りインフラ企業 Osero が、$13.5Mドルを調達しました。
Sky Ecosystem(旧MakerDAO)と Plasmaが共同リードしています。
Oseroは、SkyのステーブルコインUSDS(旧DAI)と、利回りつきのステーブルコインsUSDSの普及を目的としています。
具体的には、Skyの利回りプロダクトを、ウォレット、ネオバンク、取引所などが簡単に利用できるインフラを開発しています。
今回の資金のうち$10Mドルはリザーブ資金として確保され、ユーザーやSky Protocolを損失から守るバッファとして使われます。
5.Galaxy-backed Boundary to launch ‘verifiable’ institutional stablecoin USBD
ステーブルコイン企業Boundary Labsが、プレシードで$2Mドルを調達しました。Galaxy Venturesがリードしています。
機関投資家向けステーブルコイン「USBD」をローンチ予定です。
このUSBDの特徴は、「継続的なオンチェーン検証」です。多くのステーブルコインは、月次のオフチェーン監査や第三者証明に依存していますが、Boundary Labsは、準備金、純資産価値、プロトコルの健全性などを毎日オンチェーン上で確認できる仕組みにしています。
また、過剰担保とデルタニュートラル戦略で、価格変動リスクを抑える設計になっています。
対象顧客は、資産運用会社、ヘッジファンド、ファミリーオフィスなどの機関投資家です。
2026年夏にEthereumメインネット上でローンチ予定です。
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