Gnosis Pay
Gnosis から Gnosis Payというサービスが発表されました。Gnosis Cardというデビットカードを、Visaに対応している店で使うことができます。
仕組みとしては、Gnosisチェーン上にL2があり(Optimismベース)、そこにSafeウォレットのアカウントが作られます。そのアカウントとデビットカードが直接ひも付き、デビットカードを使ったときに初めてウォレット内のステーブルコインが法定通貨に交換されて利用できる、ということのようです。
つまり基本は自分で管理するウォレットであり、誰かに資金を預ける必要なくクリプトを使うことができます。
ユーザとしてはガス代もかかりません(GnosisチェーンのL2ということで安いのと、ガス代が肩代わりされているようです)。
またカードはコミュニティが色々とデザインできるようになるそうです。
UniswapX
Uniswapが、DEXプールの流動性を集約するUniswapXを発表しました。
異なる流動性プールをまとめて、ベストレートでスワップできる、いわゆる「アグリゲーター」で、1inchやmatcha、cowswapなどと同じです。
UniswapXでは、「フィラー」という役割のサードパーティが、Uniswapの全バージョンにまたがるプールの流動性や、自身のアセットを使って、スワップを実行するために競争します。
このフィラーのおかげで、ユーザはベストレートで取引することができます。
またユーザはガスなしで注文することもでき、フィラーがガスを支払います。さらにMEV保護もついていて、サンドイッチ攻撃のような悪意あるMEVを阻止します。(ほとんどCowswapと同じです)
さらに今後数ヶ月のうちに、クロスチェーンのスワップに拡大する予定です。
画像:ホワイトペーパー
■ Last Week in Crypto
1.RISC Zero secures $40 million Series A for zero-knowledge virtual machine
RISC ZeroがシリーズAで、$40Mドルを調達しました。
Blockchain Capitalがリードし、Bain Capital Crypto、Galaxy Digital、IOSG、RockawayX、Maven 11、Fenbushi Capital、Delphi Digital、Algaé Ventures、IOBC、Zero Dao、Figment Capital、Alchemy Venturesが参加しています。
RISC Zeroはしばらく注目しているのですが、最近はzkVMだけでなく、 Bonsai というネットワークを開発しています。
Bonsaiは汎用のゼロ知識証明ネットワークで、どんなチェーンやアプリケーションからでも、ゼロ知識証明を使うことができます。主にスケーリングやプライバシー、相互運用性のために使うことを想定しています。
例えばEthereumのスマートコントラクトから、図のようにBonsaiを利用することができるようになります。Bonsai内では、RISC ZeroのzkVMを使って、選んだプログラムを証明します(証明を作成します)。
ちなみにzkVMといえば、先週 powdr という新しいプロジェクトが出てきました。元Ethereum財団の人たちなどで創業されているチームで、新しいzkVMをカスタマイズして作るためのツールキットを開発しています。評判の良いチームなので、注目しておくといいかもしれません。
2.Introducing Cymbal, the human readable block explorer
Cymbalは、$18.5Mドルの資金を調達しました。
First Round Capital、Solana Ventures、Coinbase Ventures、Patron、GV、Acrew、UTA Venturesなどが参加しています。
Cymbalは、新しいエクスプローラーを開発しています(エクスプローラーとは、ブロックチェーン上で起きたことを見ることができるツールで、Etherscan などは皆さんも馴染みがあるかもしれません)。
Cymbalは、オンチェーンのアクティビティをより人間が読める形にすることを目指しています。例えば、ウォレットのポートフォリオのランキングや、NFTの購入者数、コレクションの最大の売却額などを教えてくれます。
またAIがリアルタイムでブロックチェーン上で何が起きているかを説明してくれる機能もついています。
Ethenaが、$6Mドルを調達しました。
Dragonflyがリードで、BitMEXの創設者Arthur Hayesと彼のファミリーオフィスであるMaelstrom、またDeribit、Bybit、OKX、Gemini、Huobiなどの取引所が参加しています。
Ethenaは、ステーブルコインUSDeを開発しています。
取引所とDeFiの両方において、Perpetual(無期限先物スワップ)を使って、ETHのデルタニュートラルなポジションをつくって、ステーブルコインが生成されます。
他のDeFiデルタニュートラルのステーブルコインと比較すると、取引所も使うのでよりスケールする(ステーブルコインを発行できる上限がより高くなる)という特徴があるといえます。
取引所の外に、担保付きカストディアカウントという仕組みを開発してそれを利用することで、DeFiの透明性やカストディを維持しながら、取引所の流動性を得ることを目指しています。
またこの方式と平行して、過剰担保にしてステーブルコインを生成する方式(CDP版)もローンチする予定です。
4.NEWS: Opolis Raises $6.6M in Bridge Round
Opolisは、$6.6Mドルを調達しました。
Greenfield、NEAR財団、Draper Associates、Polygon Venturesが参加しています。
OpolisはETHDenverの創設者がやっているプロジェクトで、個人事業主のためのツールを提供しています。
DAOの文脈かと思いますが、ユーザは雇用手当や給与計算を管理したり、障害、税務コンプライアンスなどのサービスを使うことができます。
また会員制プラットフォームになっていて、$WORKという報酬トークンを導入しています。
5.Interface – Explore Ethereum
Interface がシードで$1.4Mドルを調達しました。Polymorphic Capital と Mask Networkがリードし、Seed Club、Safe Ecosystem Foundation、などが参加しています。
Interfaceはクリプトソーシャルのモバイルアプリです。
イベントで知り合った友人とつながる
アーティストの作品を見つける
コミュニティに参加したり管理する
などのことができます。
6.Binance Labs invests $10 million in cross-chain DeFi lender Radiant Capital
Binance Labsは、クロスチェーンのレンディングプロトコルRadiantに$10Mドルを投資しました。
Radiantは、LayerZeroをつかって作られていて、チェーン間をまたいで貸し借りをすることができます。現在はArbitrumとBNB Chainをサポートしていて、今後は対応するチェーンを増やす予定になっています。
7.Polygon and Solana Foundation lead $30 million seed round in crypto startup
Cosmic Wireは、シードで$30Mドルを調達しました。Solana FoundationとPolygonがリードしています。
シードで$30Mも調達するにしては、どのような企業なのか外からみるとよくわかりません。
プロダクトとしては、メタバース関連(3D建築ツールやAIによるアバターなど)や、スマートコントラクト開発ツール、マーケットプレイスなどいろいろと出しているそうです。
またTwitterには「アーティストのIPマネタイズを支援」と記載されていて一貫性がないので、ベンチャースタジオ的な感じなのかもしれません。
8.Side Protocol raises $1.5 million in pre-seed funding to grow cross-blockchain liquidity network
Side Protocolはプレシードで$1.5Mドルを調達しました。Hashkey CapitalやKR1などが参加しています。
Cosmos SDKをつかったEVM互換のレイヤー1のチェーンです。異なるブロックチェーンネットワーク間で流動性を確保することが目的で、メッシュ流動性ネットワークと説明されています。
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