Modularハッカーハウス
先月フランスのパリで、EthCCというイベントがありました。それに合わせて、CelestiaとArgusのチームが、Modularハッカーハウスというイベントを開催していました。そこで生まれたプロジェクト5つを見ていきます。
CelestiaのDAブリッジであるQuantum Gravity Bridgeを、ゼロ知識証明をつかって軽量にするプロジェクトです。
Uniswapで流動性が提供されたら、Hyperlaneを使ってアプリチェーンに通知できるものです。
(背景としては、アプリチェーンが増えるにつれて、流動性にインセンティブを与えたいと考えるようになるので、アプリチェーン側がEthereum上のUniswapの流動性を参照しやすくしたほうがいいだろう、というものです。)
ArgusのWolrd Engineを実装した最初のプロジェクトです。Unityで作られたチェスのプロトタイプを、World Engineを使ってフルオンチェーンにして、マルチプレイヤー機能をつけています。
SuiやAptosの実行環境であるMoveをベースにしたロールアップやアプリを作っていろいろな環境にデプロイするためのツールです。
フルオンチェーンの共有キャンバスです。インターネット掲示板のRedditに、ユーザーが1ピクセルずつ色を塗ることができる巨大な共有キャンバスがありますが、それのオンチェーン版です。
マイクロロールアップ (Stackr) を使って開発されていて、Stackrのユースケースとして試されています。
■ Last Week in Crypto
1.a16z-backed Eco unveils Beam, a P2P crypto transfer service aiming to be a ‘global Venmo’
a16zから出資をうけている決済スタートアップEcoが、Beamという決済プロジェクトを発表しました。
Beamは、ウォレットを直感的に使えるようにすることで、クリプトに慣れていない人でも数分で使いこなせるようにしています。
ユーザーとしては、ウェブサイトにアクセスするだけで、ウォレットアドレスが作られて、QRコードが自動的に生成されます。
そのアドレスに対してUSDCを送ったり、Moonpayを使って暗号通貨を買うことができます。(現在は、OptimismとBaseチェーンのみに対応しています。)
またアドレスだけでなく、ユーザ名に対して送金ができるので、グローバルに使えるVenmoのようなシステムになっています。
ウォレットのない人への送金
実際に試してみたのですが、他の人に送金するときに、URLを共有することで送金することもできます。
このリンクを開いた人なら誰でも受け取れる仕組みになっているため、受け取る側がすでにウォレットを持っている必要がありません。
そして受け取るときは、URLを開くだけで以下のようにClaimして受け取ることができます。
2.Binance Labs, Sequoia China and others invest $2.5 million in zkPass
プライバシープロトコルのzkPassが、シードで$2.5Mドルを調達しました。Binance Labs、Sequoia China、OKX Ventures、duo5などが参加しています。
zkPassは、ゼロ知識証明やMPCといった技術をつかって、ユーザーが詳細情報を公開せずに、個人のデータを証明することができます。
ユースケースとしては、
現実世界のクレジットを開示せずに、クレジットを元に融資限度を決めるDeFi
ソーシャルプラットフォームでユーザのプライバシーとセキュリティを高める
ゲームでのユーザ認証を簡単にして、プライバシーを保ったまま年齢制限をする
などが考えられます。
3.Conductive.ai launches engagement platform for game developers
Conductive.aiが、シードで資金調達をしました。Animoca Brandsがリードし、Kraken Ventures、Bixin Ventures、Sound Venturesなどが参加しています。
Conductive.aiは、ゲーム開発者むけのプラットフォームです。
ゲームプレイヤーに、ステーブルコインやNFTで報酬を与えることが簡単にできるシステムです。
また分析ツールや、web3アカウント作成と登録を簡単にするツールも含まれています。
4.New $6M in Funding Powers Solv’s On-Chain Fund Mission
Solvプロトコルが、$6Mドルを調達しました。Laser Digital、UOB Venture Management、Mirana Venturesなどが参加しています。
Solvの新しいバージョンであるv3は、オンチェーンファンドのインフラになっています。
ファンドマネージャーが自分の戦略を元にオンチェーンで資金を調達して、ファンドを運用することができます。
5.Twitter
The Animal Ageが、シードで資金を調達しました。
Spark Digital Capital がリードで、Angelist、Alumni Venture、Kraken、Vega Venture、Celo Stellar、Founders Fundなどが参加しています。
The Animal Ageは、動物をテーマとしたメタバースで、IPやブランド、動物団体と協力したNFTなどが用意されているそうです。
ユーザーは、社会活動で獲得したアイテムを消費することで、動物を育てることができます。そして動物NFTを育てると、ガバナンストークンを入手することができ、動物NFTの属性によってトークンの生成率が決まります。
最初のNFTシリーズとして、子猫のNFTがzkSync Era上で作られています。
6.Terminal 3 Raises Pre-Seed Funding for Decentralized User Data Infrastructure
Terminal3は、プレシードで資金調達をしました。金額は明かされていませんが、Consensys Mesh、500 Global、CMCC Global、Bixin Ventures、BlackPine、DWeb3、Hard Yaka、Bored Room Ventures、Mozaik Capitalなどが参加しています。
Terminal3は、ゼロ知識証明をつかったデータストレージのプロジェクトです。
ユーザはプライバシーを保ったままデータを保存することができ、企業側はコンプライアンスやセキュリティの負担を軽減することができます。
7.Coinbase to widen mainnet access to Base on August 9, releases Ethereum bridge
CoinbaseのL2であるBaseが、8月9日にメインネットを一般公開する予定になっています。
すでにブリッジ機能が動いていますが、この一般公開のあとは「Onchain Summer」というキャンペーンが1ヶ月間予定されています。
ここではAtari、OpenSea、Showtime、Optimism、Rainbow Wallet、Manifold、Parallel、FWBなど、ローンチパートナーとのコラボレーションが計画されています。
また8月9日からは、NFT機能がはじまり、記念のNFTをミントしたり、Coinbase Walletでユーザ名を予約できるようになります。
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