■ Last Week in Crypto
しばらく注目してきた Axelar というプロジェクトのホワイトペーパーがようやく公開されました。 Axelar は、スムーズなクロスチェーン通信を可能にするためのネットワークです。
PolkadotやAvalanche上のブロックチェーンであれば、異なるチェーンであってもトークンを送受信したりと相互互換性がありますが、それらのエコシステムを飛び越えるとなるとブリッジが必要になります。しかしブリッジにも課題があって、開発が複雑であったり、つながるチェーンのそれぞれのアップグレードに左右されやすい、分散化が難しい、またユーザとして利用しにくい(待ち時間やコスト)といった点があります。
ここで Axelar がメタネットワークとなることで、Polkadot <=> Ethereum や、Bitcoin <=> Avalanche のようなクロスチェーン通信をすることができます。
実現されれば、結果として、
ブロックチェーンの開発者は、自分のブロックチェーンを他のブロックチェーンに、煩わしい処理なくして接続することができ、
アプリケーション開発者は、アプリに使う最適なブロックチェーンを選んで、トークンを転送したり、他のチェーン上のアプリと通信したりすることができ、
ユーザーは、どのチェーンのアプリに対しても自分のウォレットから利用することができる
ようになります。
Axelarは、クロスチェーンのリクエストを処理するためのチェーンとなり、Cosmos Hubと同じように delegated PoS チェーンの形式になります。ローンチ時点では、以下2つのプロトコルに対応するチェーンとなります。
1. クロスチェーン・ゲートウェイプロトコル(CGP)
異なるコンセンサスプロトコル、ルール、違う技術、スマートコントラクトのないブロックチェーンなどの間で「ブロックチェーンを跨いだルーティング」を担当します。ローカルネットワークが、インターネットにつながる構造によく似ています。
2. クロスチェーン・転送プロトコル(CTP)
アプリケーションの層で利用されるプロトコルで、API になります。ブラウザでインターネット閲覧をリクエストする際にHTTP/HTTPSなどが使われますが、それのブロックチェーン版と説明されています。
このAPIを介して簡単な要求(クエリ)を実行することで、クロスチェーン操作を容易に実行できるようにすることが目的です。
あるブロックチェーンアプリ(Dapps)が、色々な種類のチェーン上にあるゲートウェイに対してこのCTPクエリを送信すると、1で説明したCGPというプロトコルが、正しい宛先のブロックチェーンに情報配信し、そして結果を返します。
大切な点
ここで大切なのは、1. クロスチェーン・ゲートウェイプロトコル(CGP)では「ブロックチェーンが互いにステートを解析することを要求しない、かつ、コンセンサスルールやスマートコントラクト言語に制限されない」という点です。ここが既存のブリッジ手法と大きく違う点です。
つながりたいチェーン側は、ゲートウェイアカウントというのを設定することで、簡単にCGPに参加することができるようになります。これらのアカウントでのアクションは、CGPをサポートしているノード運用者が分散的に合意した場合にのみ実行されるようになっています。
このノード運用者は、「CGPゲートウェイに入ってくるパケットを監視して、各パケットに何をすべきかの合意をとり、それらのパケットをルーティングして宛先ゲートウェイに配送する」という仕事を担います。
まだ明らかになっていませんが、おそらくトークンをステークして、悪意のある振る舞いをした場合の没収するようなペナルティを設けることで、正直な振る舞いを保つ、という予想ができます。
さらに、このプロトコルの特徴として、プロトコルのノード運用者がセカンドレイヤーでコンセンサスをとり、接続されているどのチェーンでもブロックをファイナライズすることができるようにするそうです。そうすることで、Bitcoinのような確率的ファイナリティを採用するチェーンでも比較的らくに動作する予定です。
またクロスチェーン・転送プロトコル(CTP)が、API によって利用可能になる点も大切で、おかげでシンプルに利用することができる予定です。
いずれは
Axelarネットワークに接続するブロックチェーン
Axelarネットワーク上でサポートするアプリ側プロトコル
について誰でも提案できるようになる予定です。
技術的にレイヤーの低いプロトコルになりますが、アカデミック出身のチームであり、実現されればクロスチェーンの通信における標準となると思います。
Radicleが $12Mドルの資金調達を行い、Ethereumへの統合と、RADガバナンストークンを発表しました。Radicleは、分散化されたコードリポジトリで、GitHubの分散システム版と言えます。
今回の資金調達ラウンドは、NFXとGalaxyが主導し、Placeholder、Electric Capital、ParaFi Capital が参加し、またエンジェル投資家は、Naval Ravikant、Balaji Srinivasan、Meltem Demirorsが参加しています。さらに Aave、The Graph、Polkadot、Coinmarketcap、CoinGeckoなどの創設者からも支援をうけています。
リード投資家のNFXは、Liftなどに投資したシリコンバレーの大型VCですが、Libraの共同創始者であるMorgan Beller氏がFacebookをやめて NFX ジョインして以降、初のクリプト系投資になります。
Radicle の概要
GitHub は共同でソフトウェアを開発する上では欠かせないツールとなっていますが、2018年に Microsoft に買収されて話題となりました。その後、そして米国の輸出法と制裁を理由に、Githubが イラン、シリア、クリミアのユーザを一時ブロックしたことは、2019年8月5日号でも書いた通りです。
いくらブロックチェーンやクリプトが、止めることのできないシステムだ、通貨だ、といっても、その開発や議論の多くが Github で行われていて、そこに政府がMiscrosoftに対して口を出すことができてしまう、といえばそれも事実です。
そこで Radicle は、(1)信頼が必要な企業や国家に頼らず、自由に協働できるインフラを作ることを目指し、(2)さらにクリプトを利用して、オープンソース開発者に新たな収益の流れをもたらす、ということを目指しています。
Radicle の Funding 機能
Githubのようなリポジトリ機能に加えて、ユーザーは好きなERC20トークンを、任意のEthereumアカウントに定期支払いを設定できます。これによってOSSのチームが予算を設定したり、貢献者リストに対して資金を流すということができますし、お気に入りのオープンソースプロジェクトに継続的に寄付したり、サポートすることも可能になります。
また、コードの進捗目標やマイルストーンに対して支払いをするスマートコントラクトもあるそうです。
したがって、「何か特定のものを開発するために集まった個人個人が、集団(DAO)をつくり、 Radicle上で開発をすすめ、継続的にしていくための資金管理もそのままできる」というプラットフォームになります。
RADトークン
そして Radicleトークン(RAD)が、ガバナンストークンとして導入されます。ユーザーがトークンホルダーでない場合、特定のEthereumのプロトコルとやりとりする際に手数料がかかります。トークンを購入するか、報酬でトークンを得ることで、一定量のRADトークンを保有していると、手数料はかからず(もしくは割り引かれて)利用でき、かつガバナンスに参加することができる、というトークンモデルです。
またトークン供給量の50%以上になる Radicle財源の使い道もガバナンスで決めていくことができます。トークンを導入することで、何らかの不満がある場合は、ガバナンスに提案することで声をあげることもでき、トークンを売ってコミュニティを去ることも自由、というのは、他のプロトコルでも同様です。
Radicleガバナンスは、Compound のものをフォークしていて、各 RAD トークンは 1 票となり、別アドレスに投票権を委任することもできます。委任も含めて、アドレスに 1% の RAD があれば、誰でも提案をすることができます。
トークン配布方法
LBP(Liquidity Bootstrapping Pool)によってトークン配布が行われます。これは以前に書きましたが、価格が徐々に下がっていき、最初に入れると割高になるため、早いもの勝ちではなくガス代競争や加熱を抑えられ、現状のトークン配布ではもっともフェアと言えます。
予定通りいけば、2月23日の午後4時(GMT)、日本時間だと深夜に、総供給量の3.75%がLBPに投入されます。ここでの収益はコアチームに渡るのではなく、すべて Radicleコミュニティの財源となり、トークン保有者がガバナンスで管理していくことになります。
トークンの割り当てとリリーススケジュール
100 million の Radicleトークン(供給量)が発行され、4年間で権利確定します。配分は以下のようになります。
50% コミュニティ財源(4年間かけて権利確定)
19% チーム(4年間かけて権利確定)
20% 初期投資家(1年間のロックアップ)
5% 財団(1年間のロックアップ)
2% シーダーズ・プログラム(1年間のロックアップ)
~4% 流動性の Liquidity Bootstrapping Pool
リバーシブルICO(rICO)という方法でのICOが、初めて完了しました。
このリバーシブルICOは、Ethereumの ERC20 規格の生みの親である Fabian Vogelsteller氏が考案した公平なICOモデルで、投資家がトークンを買う前に予約しておけるというものです。そして買わなかった予約分のトークンは返却して、最初に投下した原資金(ETH)を取り返すことができます。その結果、投資家に対して誠実なICOの仕組みにしようとしています。
考え自体は、以前から提案され、Vitalikから提案されたDAICOなどを含めて継続的に議論されているトピックですが、実際に Fabian Vogelsteller 氏自身のプロジェクトであるLUKSOで、rICOを実施した、という経緯になります。
2020年6月から2021年2月18日まで実施され、この期間中に投資家はETHを送り、LUKSOのトークンであるLYXを予約することができました。そして参加した人は、設定された間隔で徐々に購入することができるという仕組みで、8ヶ月間は「やっぱりやめた」と返却することもできました。
結果として先週の終了時には、約1000万ETH(18億円) ほど集まり、完了となりました。
今では、上で説明した LBP のような、「公平な配布 + 高い流動性プールの形成」 を実現するための方法が揃ってきているので、rICOがどれだけ必要とされるかは分かりませんが、利用されるシーンが出てくるかもしれません。
Liquity、FEIというステーブルコインがまもなくローンチを控えていますが、少し特殊なステーブルコインに似たトークンがローンチしました。Reflexerというプロトコルで発行される「RAI」です。
RAIは、とても新しいコンセプトで、「クリプトネイティブなボラティリティの少ない通貨」、「ドルなどの法定通貨にペグしないステーブルコイン」などいろいろな説明の仕方ができます。
こればかりは、触ってみないとなかなか想像ができないかもしれませんが、ざっと読んでみてください。または使ってみて、読み直してみると、理解の助けになると思います。
ReflexerとRAIの概要
Reflexer は、誰でも自分の保有するETHを担保にし、RAI というトークンを発行することができるプラットフォームです。RAIは、何にもペグしませんが、価格変動の少ない安定的な資産になることを目指します。そのために、独自の価格安定性の仕組みが組み込まれています。
FLXトークン
ちなみに価格安定の話を書く前に、FLXというガバナンストークンを発行される予定になっていて、まだ情報がほとんど公開されていませんが、流動性マイニングの詳細が数週間のうちに発表される予定です。
「それまでの間、RAI/ETH の初期の流動性提供者に対して遡及的な報酬があるとは言っていませんが、ないとも言っていません」とブログ記事には記載されています。
そのためすでにUniswapでは、RAI/ETHペアの流動性が増えていて、執筆している2月20日時点で $84M もの流動性が提供されています。
※2月21日にTwitterでの発表があり、やはり Uniswap での流動性提供者にさかのぼって報酬が渡されることが発表されました。この発表以降は、RAIの発行者と、流動性提供者に、半分ずつで計算されて報酬の配分される予定であると伝えられています。
その後多くユーザが今ETHをロックに RAI を発行していて、RAI/ETHの流動性も高まっています。
RAI 価格安定の概要
安定性を得るために、RAI の市場価格が、目標価格である「償還価格」から乖離すると、償還率(Redemption Rate)という金利のようなものを自動的を調節し、市場が RAI を目標価格に戻すようにインセンティブを与えます。RAI の市場価格が、目標価格から遠ざかれば遠ざかるほど、この償還率が大きく調整され、価格を戻すインセンティブをより大きくします。
償還価格
償還価格は、RAIプロトコル内でロックされたETHを取り戻すためのRAIの価格です。この償還価格と、市場価格(Uniswapで取引される価格)が同じであれば、平衡状態で安定しているといえます。しかし、問題は、市場価格が変動し、償還価格から乖離したときです。
RAIの市場価格 < 償還価格 になった場合(ケースA)
RAIの市場価格 > 償還価格 になった場合(ケースB)
のときに、どのように安定化の仕組みどのように動くか簡単に書いてみます。
ケースA
RAIの市場価格 < 償還価格 で一定期間たったとき → 償還率がプラスになる
Uniswapで取引されているRAIの価格(市場価格)が、償還価格よりも小さくなった場合、RAIの償還率(Redemption Rate)がプラスに調整されます。
そうすると一定期間をかけて償還価格があがっていきます。償還価格は、上で書いたように、「ETHを取り戻すためのRAIの価格」なので、償還価格があがると、ETHを取り戻すのに今よりも不利なレートになります。なので、償還率があがった場合は、それに伴って償還価格が上がる前にRAIを買って、早くポジションを決済しようとするインセンティブになります。また、これで市場価格が上がると予測したトレーダーが、後に売るためにRAIを購入し始めます。結果として、市場価格があがって償還価格に近づくことに繋がります。
ケースB
RAIの市場価格 > 償還価格 で一定期間たったとき → 償還率がマイナスになる
Uniswapで取引されているRAIの価格(市場価格)が、償還価格よりも大きくなった場合、RAIの償還率(Redemption Rate)がマイナスに調整されます。
そうなると、上のときと反対のインセンティブが働き、RAIが売られて市場価格が償還価格に近づくようになることが期待されます。
これは、RAIを発行しているユーザは同じ担保のETHでも多くのRAIを発行できるようになることを認識し、RAIをさらに発行し利益を得るために売却するから、と理解しています。またRAIのホルダーは、償還価格が下がって同じRAIでも取り戻せるETHは少なくなることを認識するので、利益をあげるためにこの間にRAIを売ります。それが市場価格を下げて償還価格に近づけることに繋がります。
しかし、償還率がマイナスになると市場価格が下がっていくという共通認識がまだ薄いせいか、これを書いている時点では、市場価格 $3.3 >償還価格 $3.1 で、償還率がマイナスの状態が続いています。
RAIのユースケース
Reflexer Labsが想定しているユースケースが、Webページに記載されています。まとめると、
ポートフォリオの分散
RAIが、ETHの保有に対する価格変動を軽減する。収益
トレーダーは、RAIの市場価格が償還価格に向かっていくの間で利益を得ることができる。DeFiでの担保
RAIが、ETHのボラを抑えるため、DeFiプロトコルでETHの補足か、代わりの担保として使用できる。DAOの財源
DAOの管理する財源でRAIを維持することで、市場変動の影響を少なくしてETHへのエクスポージャー(投資機会)を得ることができる。
となります。正直のところ、どこまで安定化機構が機能するのか全く予想できませんが、このユースケースの 3,4 あたりが利用されるようになって、業界の標準であるような空気感になってくれば、新しいDeFiの部品(プリミティブ)として色々なDeFiプロダクトに組み込まれて、重宝されるようになると感じます。
投資家
Reflexer Labsは先週、Pantera CapitalとLemniscapが主導する$4.1Mドルの資金調達ラウンドを発表し、他にも MetaCartel Ventures、The LAO、元MakerDAOチームメンバーなどが参加しています。去年には Paradigmや、Standard Crypto、Compound の創設者、Variant Fund、などから調達もしています。
5.SecretSwap is LIVE on Mainnet! - Secret Network
プライバシー重視のプロトコル Secret Network から、SecretSwap がリリースされました。
UniswapやSushiswapのように交換を可能にするものですが、プライバシーが保護されるため、トランザクションを見て先回り(フロント・ランニング)するボットやマイナーから保護することができます。
※フロント・ランニングとは、ブロックチェーン上のトランザクションが透明であることを逆手にとって、特定のトランザクションに対して、少し高いガス手数料を支払って先回りして利益をあげるようなことです。
Secret Network の「シークレット・スマートコントラクト」によって、パブリックブロックチェーン上で情報公開することなく、さらにはノード自身にも公開することなく利用することができます。
ちなみにSecret Networkは、独自ブロックチェーンですが、Ethereumからブリッジして資産を移することができます。
トークン
SecretSwapでもガバナンストークンが発行されるようですが、配分などについては、近々発表される予定です。2021年1Q中には、実際にトークンがでると予想されていますが、SecretSwap上でアクティブに活動しているLPやユーザには、活動に基づいて最初の分配を受け取れるようです。
匿名のオークション
また今月初め、「Secret Auction web3」というオークションプラットフォームも立ち上げました。このアプリでは、プライバシー保護しながら、任意のSNIP-20トークン(Secret Network上のトークン)のオークションを作成したり、入札したりすることができます。
入札者は、他の入札があるかどうかを見ることができず、売り手は入札があったかどうかだけがわかりますが、どのくらいの入札があったかを知ることはできない、という特徴があります。さらに、オークションが終了するまで、入札の価格情報は誰にも知られず、オークションが終了した後には、落札された入札の情報のみが公開されます。
また Secret Network 上の NFT の規格の開発も進んでいて、こちらも面白いプロジェクトになっていくかもしれません。
6.Introducing DeFi Smart Layer
ユーザがDeFiプロトコルを簡単に使うことのできるインターフェースである Instadappが、新しい発表をしました。DeFi Smart Layer (DSL) という、レイヤーの発表と、ガバナンストークンの発表です。
DeFi Smart Layer (DSL) は、ユーザーと開発者が簡単に DeFi にアクセスできるようにするレイヤーになっています。開発者は、純粋なJavascriptを使用して、プロトコル間で複雑なDeFiトランザクションを構成することができ、ユーザも L1 ⇔ L2 間のトークン移動がスムーズになることが期待されます。
DSLのガバナンスのためのInstadappトークン
主にガバナンスを目的としたトークンですが、DSLアカウントを使用しているインターフェイスや、プラットフォーム上に構築される新しいプロトコルによって稼ぎ出す収益の一部が、トークンホルダーに渡るようになります。
ローンチ時のトークンの分配は以下のようになる予定です。
45%:チーム、投資家、新規チームメンバー
55%:流動性マイニング、開発者マイニング、などエコシステムの成長のため
DAOおよびトークンのローンチ、配布は、3月の予定になっていて今後詳細が発表されます。
DeFiでの貯蓄のためのサービス、または損失のない宝くじと言われている PoolTogether が、POOLトークンを発行し、これまでのユーザに対してエアドロップしました。
入金した金額とデポジット時間に基づいてトークンを配分しているそうなので、10万ドルを1週間預けた人と、1,000ドルを100週間預けた人とは、同じ金額を受け取ることになっているそうです。
POOLトークンの配分は、
80.04%:コミュニティ
12.44%:アドバイザー&チーム
7.52%:投資家
となっていて、今後も他の方法で配布していくそうです。
DeFiブーム前である 2019年6月 から稼働している PoolTogether ですが、元は 2019年3月にMakerDAOのsubreddit に “No Loss Lottery with Dai”(DAIを使った損失なし宝くじ)という謳い文句で登場しました。
その後 MakerDAO から$25,000のグラントを獲得し、それ以降開発を続けています。
ユーザーが資産をデポジットし、集まった資金が運用され、そのまとまった利回りが、定期的に当たりのチケットに対して提供されるというサービスです。
8.2M+ in Funding Secured for Async
NFTを作成・取引するプラットフォーム「Async Art」が、$2M ドル以上のシード資金を調達しました。このラウンドは Lemniscap が主導し、Galaxy Interactive、Signum Growth Capital、Semantic、Placeholderなどが参加しています。
2020年2月から開始した Async Art は、累計で $1M ドル以上のアート販売が行われたり、アートを展示するための専用スマートTVアプリを立ち上げたりと、1年以上進めてきました。ここ最近はブームによって、高額なやり取りがされているようです。
またコレクターがデジタルアートの一部にとして作品を変更できるようにすることを支援するそうです。
さらに、時間の経過とともに変化したり、ビットコインの価格変化に基づいて変化したり、新しい所有者のデザインによって変化したりするアートなども可能になります。
先日書いたようなHashmasksのようなアートもそうですが、ブロックチェーンならではの性質を活かして、色々な使い方がされ始めてきています。
9.The Graph Foundation adding Support for Four Additional Blockchains: Polkadot, NEAR, Solana, Celo
The Graphが、EthereumとIPFSに加えて、Polkadot、NEAR、Solana、Celoのレイヤー1ブロックチェーンのサポートすることを発表しました。The Graphについては2020年10月12日号に書いていますので、ご覧ください。
今後、統合が検討されているブロックチェーンは、Bitcoin、Cosmos、Avalanche、Binance Smart Chain、Flowなどが挙げられています。
今後もその他のミドルウェアも含めて、いろいろなチェーンに対応するという発表が増えると思います。
10.Prediction Markets: Tales from the Election
Ethereum創始者の Vitalikの最新ブログ記事です。予測市場に対する分析と考えが書かれています。まとめとしては、予測市場が今後ますます重要なEthereumアプリケーションになると予想しているようです。2020年のトランプ氏 vs バイデン氏の大統領選挙はものすごい盛り上がりになりましたが、それは始まりに過ぎず、条件付き予測や意思決定のための用途も出てくるかもしれないとしています。
Polymarket という予測市場のプラットフォームでは、出来高が増えています。また、知り合いのプロジェクトですが、StakeGGというゲームやストリーマーの予測市場もでてきてました(NEARチェーンとFluxプロトコル上で構築されています)。
現実世界の熱気を、デジタル世界のトーナメントや試合に反映させる、という見方をすると、未来にも見えてきます。
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