最近のポッドキャスト
Bspeak!としてポッドキャストを始めて、すでに3ヶ月が経ちました。
想定していたよりも、ニュースレターと重ならない内容を話しているため、ぜひ聴いてみてください。
例えば先週は、BalajiやArthurが言っている「ビットコインが$1Mドルを超える」話や、ArbitrumのL3システムやライセンスの話などをしています。
また明日は、イーサリアムNaviのDerioさんをゲストに、オンチェーンゲームの話を配信する予定です!
■ Last Week in Crypto
1.ARBITRUM: THE NEXT PHASE OF DECENTRALIZATION
Ethereum L2 の Arbitrum がトークンを発表しました。同時に大切なことがいくつか公開されています。
まずArbitrumは、アプリ専用のL3 (Arbitrum Orbit)を発表していて、開発者が誰でもArbitrum L2の上にL3を作れるようになっています。
Arbitrumの技術を使い、L3としてではなく、Ethereum上のL2としてアプリ専用チェーンを作りたい場合は、ArbitrumのDAOの投票を得る必要があるというライセンスになっています。L3としてやる場合は、permissionlessに許可なしで使うことができます。
またトークンは、オンチェーンガバナンスのためのトークンとなっています。プロトコルのアップグレードに対して、スナップショットの投票をしてどうするか、ではなく、オンチェーン投票がされたら21日-37日後に自動実行されるようになっています。
しかし、すぐに補助輪を外すのは危険ということから、 9 of 12 のマルチシグでセキュリティ評議会が設置され、アドミンキーを持ちます(つまりこの期間は9人の鍵が揃えば、この人たちが何でも実行できます)。
将来「このセキュリティ評議会はもういらない」とDAOが判断したときは、投票によって解散されることになります。
またARBトークンはユーザにエアドロップしていますが、DAOにもエアドロップしていて、Arbitrum上のDeFiやブリッジなどが受け取っています。(TVL、アクティビティ、volume、などを考慮)。これらをユーザに再還元するかどうかは、そのプロジェクト次第となっています。
そしてArbitrumの投資家とチームは、4年間のロックアップ(1年cliff、そのあと線形)という配り方になっています。
zkSyncのメインネットである「zkSync Era」がローンチしました。最初のzkEVMメインネットということで大きなマイルストーンとなります。
L2なので手数料が安いというのはもちろんですが、特徴としてアカウント・アブストラクション(AA)がネイティブに備わっています。
そのため、どのアカウントでも、好きなトークンで手数料を支払うことができますし、手数料を負担してくれるプロトコルは手数料ゼロで使うこともできます。
また今後の展開ですが、zkSyncもL3の構造をすすめています。将来はL2の上に、高性能の「Hyperchain」というアプリ特化L3をつくることができるようになります。
(画像: ドキュメント)
そしてL3同士、またはL3 <> L2はインターオペラブルになる予定です(つまりサードパーティのブリッジがいらず、ネイティブにすぐ資産を移動することができます)。
上で書いたArbtrumと同じような構造になりますし、StarkNetも同じような構造を目指しています。
3.A new AAA title from CCP Games
アイスランド拠点のゲーム会社CCP Gamesは、ブロックチェーンゲームを開発するために、$40Mドルを調達しました。a16zがリードで、Makers Fund、Bitkraft、Kingsway Capital、Hashed、Nexonが参加しています。
人気ゲームEve Onlineの開発元ですが、今回新しく会社をつくり、AAAゲーム(大規模な開発費を投じて作られるゲーム)を開発する予定になっています。
ドメインを見る限り、いまのところは「プロジェクトAwakening」という名前のようです。ちなみに今回の投資は、CCP Gamesの株式への投資ではなく、このゲーム単体への投資になっています。
そしてこの新しいゲームは、「プレイヤー同士がデジタル経済圏で交流する仮想世界」と説明されています。詳細は明らかになっていませんが、元々のEve Onlineではゲーム内通貨と法定通貨の交換はできなかったため、今回はクリプトを使うことによってゲーム内通貨に価値をもたせるものと推測できます。
また主要部分はオンチェーンで開発され、サードパーティによる開発が可能であったり、それらを組み合わせることができるようになるそうです。
似たように宇宙をテーマにしたオンラインゲームとして Influence というプロジェクトがありますが、「経済圏のある仮想世界」を作るようなオンチェーンゲームが増えてきているイメージです。
4.Sequoia, Coinbase, Variant-backed startup ushers in crypto security renaissance
秘密鍵管理のためのAPIを開発するTurnkeyは$7.5Mドルのシード資金を調達しました。
Coinbase Custodyの元幹部チームが創業し、投資家にはSequoia、Variant、Coinbaseなどが参加しています。
Turnkeyは、たくさんのウォレットを生成して管理するためのAPIを提供しています。アプリ開発者がこれを使うと、
ユーザーのために秘密鍵をプログラム的に生成する
秘密鍵を公開することなく、API経由でトランザクションに署名する
権限を柔軟に設定する
同一インフラ上で、セルフカストディ型 or ホスト型のウォレットを作る
ということが簡単にできるようになります。
5.OP3N raises $28M to build ‘WhatsApp meets Amazon’ for web3
ソーシャルプラットフォームのOP3Nは、$28Mドルを調達しました。
Animoca Brandsがリードで、Dragonfly Capital、Galaxy Digital、Republic Cryptoなどが参加しています。
Facebook、Spotify、WhatsAppのような機能が1つまとまっているweb3アプリとなっていて、さらにNFTゲートでクリエイターとファンが交流することができます。
NFTはAvalanche上で作成されています。
6.Ethereum-Based Carbon Tracker Carbonable Raises $1.2M to Tackle Greenwashing
StarkNet上でカーボンクレジットをトラックするCarbonableが、$1.2Mドルを調達しました。
Ethereal VenturesとLa Poste Venturesがリードし、StarkWareなどが参加しています。Carbonableでは、プロジェクトの選定、カーボンクレジットのトークン化、取引、償還などの一連の流れをブロックチェーン上で実施します。
7.Middleware platform Particle Network raises $7 million
ミドルウェアのParticle Networkが$7Mドルを調達しました。
ABCDEがリードし、Animoca、Longhash Ventures、GSR Ventures、Hashkey、OP Cryptoなどが参加しています。
開発者がこれを使うと、Web3認証のログインとウォレットを自分のアプリに簡単に組み込むことのできるミドルウェアです。
具体的には、既存のウォレットからログインするか、電話番号やソーシャルメディアのアカウントからログインするなどを選べるようにし、自動的にウォレットを作成できるようになります。
いまは主要なEVMチェーン、Solana、Tronで利用可能で、NEARとAptosもサポート予定です。
ビジネスモデルは、Saasとしてサブスクモデルになっていて、月間アクティブユーザが2000人以下のときは無料、それ以上のときは1ユーザあたり月額料金をとる、というモデルになっています。
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☕ バックナンバー:
#274 Bspeak! 2023年3月20日号 バグ発見に報酬をあたえるDAO「Code4rena」
#273 Bspeak! 2023年3月13日号 web3アプリ開発をたすける「Cubist」
#272 Bspeak! 2023年3月6日号 Web3ウォレットインフラ『Portal』
#271 Bspeak! 2023年2月27日号 web3グループチャット『Towns』
#270 Bspeak! 2023年2月20日号 $19Mドルを調達した新しいL1チェーン Monad
#269 Bspeak! 2023年2月13日号 モジュラー型ブロックチェーン「Dymension」
#268 Bspeak! 2023年2月6日号 zkロールアップ as a service
#267 Bspeak! 2023年1月30日号 AR + マイクロチップ + クリプト
#266 Bspeak! 2023年1月23日号 AIとweb3のゲームプラットフォーム
#265 Bspeak! 2023年1月16日号 新しい「クリエーター・トークン・コントラクト」でできること
#264 Bspeak! 2023年1月9日号 コミュニティ・ロイヤリティ
#263 Bspeak! 2023年1月2日号 2023年のEthereum・インフラ
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