シードフレーズのいらないハードウェアウォレット
先週のポッドキャストでも触れたのですが、Cypherockの創業者と話す機会ありました。そしてお願いをしたところ、$199ドルで販売されているハードウェアウォレットをBspeak!読者2名にギブアウェアできることになりました🎉
ニュースレターに登録してるメールアドレスが対象で、応募フォームは以下になります。
フォーム:リンク
締め切り:1月30日(来週号まで)
※当選した場合でも、お試し用として使ってみてください。不具合などの際は Bspeak!側で対応できないことをご了承ください。
僕もCypherockのウォレットを試してみましたが、物理カードを管理しておけば、シードフレーズをメモした紙が不要になります。
また面白いのは、物理カードがあることによって、「他のウォレットのシードフレーズのバックアップとして使う」という使い方もできます。
外部のウォレットのシードフレーズなどを紙などに書いていると思いますが、Cypherockの物理カードにインポートしておくと、紙を紛失した時に物理カードをつかって復元ができます(このインポート機能はまもなく実装されるらしいです)。
またNFTコレクションなどがコラボしやすいように、物理カードにNFTなどの写真をプリントできるようにする予定だそうです。
かゆいところに手が届くハードウェア・ウォレットになっていて、個人的には良い製品だと思いました。
ちなみにハードウェアといえば、DEXアグリゲータの1inchも、ハードウェアウォレットを発表しています。ハードウェアウォレットの需要は高まっていて、使い勝手の良い製品も増えてきています。
■ Last Week in Crypto
Web3ゲーム企業の Plai Labs が、$32Mドルのシード資金を調達しました。a16z crypto と a16z Games が共同でリードしています。
Plai Labsの創業者は、Chris DeWolfe氏と Aber Whitcomb氏の2人で、ソーシャルメディアMySpaceや、モバイルゲーム企業Jam Cityの創業者でもあります。起業家としては成功した2人が今回は、AIとWeb3を組み合わせたソーシャルプラットフォームを開発しています。
ユーザーが一緒に遊んだり、戦ったり、取引するためのプラットフォームになるということで、まずはこの上にChampions Ascensionというゲームを出していく予定です。
多人数参加型のロールプレイングゲーム(MMORPG)になっていて、プレイヤーはNFTキャラクターを使ってクエストにいったり、戦ったり、アイテムを取引したり、独自のカスタムダンジョンを作ったりすることができます。
また、ユーザー生成コンテンツ(UGC)や、3DレンダリングをするAIプラットフォームも構築中です。詳細は今後発表されていきますが、ソーシャル要素のあるゲームプラットフォームといったほうが良いかもしれません。
2.ZK tech developer Nil Foundation raises $22 million at a $220 million valuation
Nil Foundationは、$22Mドルを調達しました。
Polychain Capitalがリードで、Blockchain Capital、Starkware、Mina Protocolなどの他の投資家が参加しています。
Nilは、L1やL2がゼロ知識証明(ZKP)の生成をアウトソースすることができる Proof Market というマーケットプレイスを開発しています。
一般的にZKP(証明)の生成は、コストや時間がかかります。プロジェクトによっては、コストがかかっても生成時間が短いことが大事だったり、逆に遅くてもいいから安さ重視だったりと、異なるニーズがあり、Nilではそれら条件にあわせて証明生成を要求でき、証明生成者とマッチングします。
現在はNil Foundationがいくつかタイプの証明生成をしていますが、他のプレイヤーも参入してくることを期待しているそうです。ZKPを使ったインフラやアプリケーションが増えるにつれて、ZKPマイニングのような市場が立ち上がっていくのだと思います。
またNilはこの製品以外にも、ブロックチェーンの性能をあげるための他の製品も開発していくとしています。
3.ZK proof startup Ulvetanna raises $15 million in seed funding
ゼロ知識証明(ZKP)用のハードウェアを開発するUlvetannaは、$15Mドルのシードラウンドを発表しました。Bain Capital CryptoとParadigmがリードで、Jump Cryptoも参加しています。
Ulvetannaは、ZKPの生成を速くするための専用ハードウェアを構築しています。主にzkEVM用に注力する予定だそうです。
今後おそらくZKPを生成する証明者に報酬を与えるプロトコルが出てくるので、PoWマイナーのような競争がおき、そこで使われるハードウェアのポジションを目指しているのだと思います。
4.Hyper Oracle Closes $3M Pre-Seed Round Led by dao5 and Sequoia China Seed Fund
こちらもZK系のプロジェクトですが、Hyper Oracleが、プレシードで$3Mドルを調達しました。DAO5とSequoia Chinaがリードで、Foresight Ventures、FutureMoney Groupなどが参加しています。
zkIndexing と zkAutomation といったZKPを利用したミドルウェアや、オラクルネットワークを開発しています。最近はPoSに関する研究も発表しています。
5.Blue comes out of stealth with a $3.3M raise to bring institutional capital to DeFi
DeFi向けのKYC/AMLプロダクトであるBlueが、$3.2Mドルを調達しました。
Blockchange VenturesとFenbushi Capitalが共同リードし、DoraHacks、Knollwood Investment Advisory、Gate、Wave Financialが参加しています。
Blueは、パーミッションありのDeFiサービスを構築しています。
パーミッションありDeFiの流れは
ユーザーはKYCをして「Blue ID」をミントする
Blueが、ERC20トークンを「セーフトークン」にラップする。このセーフトークンは、Blue IDを持ってるウォレットかどうかを自動的にチェックして、KYC済みユーザのみが取引できる
となります。
Uniswap、Curve、Balancerなどの主要プロトコルの流動性プールを、ローンチと同時に利用できるようになる予定で、2023年1Qにも開始する予定です。
デジタルファッションブランド + プラットフォームのSykyは、$9.5MドルのシリーズAラウンドを完了しました。
Seven Seven Sixがリードで、Brevan Howard Digital、Polygon Venturesなども参加しています。
Sykyは元ラルフローレンでデジタル&コンテンツ責任者だったAlice Delahunt氏が創業した企業です。
デジタル世代がファッションコレクションを作ったり、キュレーションしたり、売買できるプラットフォームを開発しています。デザイナーの卵に機会を提供したり、ブランドがファッションコミュニティを作ることができるそうです。
また先週1月20日には最初のNFTシリーズもリリースされています。ファッション好きの人のための会員権となっていて、ホルダーは将来のファッションイベントやネットワーキングのイベントに参加できるようになります。またデザイナーによるコレクションのドロップにも早めにアクセスすることができるという特典がついています。
7.Sleepagotchi raises $3.5M to gamify sleep with digital collectibles
デジタルアイテムを使って睡眠をゲーム化するSleepagotchiが、$3.5Mドルを調達しました。
投資家には、6th Man Ventures、Collab+Currency、Shima Capital、1kx、DeFi Alliance、Sfermion、Emoote、LCA Game Guildが含まれています。
Sleepagotchiでは、ユーザーが寝る時間と起きる時間の目標を設定します。この睡眠目標を達成すると、デジタルアイテムの報酬をうけとることができます。
目標にどれだけ近いか、安定しているかに応じて、いろいろなレベルの報酬を受け取れるそうです。そして集めたアイテムを使って、バーチャルの部屋をカスタマイズするという機能もついています。
8.Ex-FTX US President Harrison Taps Coinbase, Circle for New Crypto Firm
元FTX USで代表をやっていた Brett Harrison氏が、Architect というスタートアップを創業し、$5Mの調達を発表しました。
Coinbase、Circle venture、SV Angel、Third Kind Venture Capital、Motivate Venture Capitalなどが参加しています。
Architectは、機関投資家のような大口投資家がクリプト市場を使いやすくするための取引ソフトウェアを開発する予定です。
できればFTX USの元同僚たちを雇いたいそうで、プロダクトは数ヶ月以内にローンチ予定になっています。最終的には今回の投資家であるCoinbaseやCircleのプラットフォームに組み込まれることを目指しています。
9.Web3 credential protocol Gateway raises $4.2 million
Web3クレデンシャル Gateway が、$4.2Mドルを調達しました。
Reciprocal Venturesがリードで、6th Man Ventures、Spartan Group、Figmentなどが参加し、PolygonのSandeep NailwalやMessariのRyan Selkisなどのエンジェルも参加しています。
web3プロジェクトが、コミュニティのためのNFTクレデンシャル(証明書)をノーコードで発行できるプラットフォームになっています。発行されたクレデンシャルは、ストレージのプロトコルArweaveに保存され、永続性を持ちます。
将来的にはweb3プロジェクトだけでなく、いろいろなブランドがクレデンシャルを発行できるように、SDKやAPIも構築しています。
10.Metahood Raises $3M to Build the Zillow of the Metaverse
メタバースのランド検索 & マーケットプレイスのMetahoodが、$3Mドルを調達しました。1confirmationがリードし、Volt Capital、Flamingo DAO、Neon DAOが参加しています。
地図ベースのインターフェイスで、利用可能なランドを表示したり、販売動向や近隣の所有者などの情報を視覚的に見ることができます。現在は、Decentraland、The Sandbox、BAYCのOthersideなどをサポートしています。
11.Y Combinator leads $4.3 million round for multichain wallet Cypher
マルチチェーンのウォレットCypher Walletは、$4.3Mドルを調達しました。
Y Combinatorがリードで、OrangeDAO、Samsung Next、元Coinbase CTOのBalaji Srinivasanなどが参加しています。
特徴としてはマルチチェーン対応で、EVMチェーンとCosmosのチェーンの間をブリッジすることができます。
またフィアットのオンランプ(法定通貨→クリプト)をサポートしますが、RampやMoonPayなどのサードパーティを使わずに、独自でサポートしています。また決済カードもローンチしていて、今後は銀行との提携を進めていく予定になっています。
12.FilSwan Raises $3M USD to Revolutionize & Simplify Building dApps
Web3のクロスチェーン・インフラFilSwanは、$3Mドルを調達しました。
Binance LabsとSNZ holdingsがリードし、Waterdrip Capital、FBG Capital、Protocol Labs、Unicorn Hunter Ventures、Chain Capital、LD Capital、Cabin VC、Betterverse Dao、DAO Kondr VCなどが参加しています。
ストレージやマイナー向けサービスなど複数のインフラ製品がありますが、最近 Multichain Storage というプロダクトを出していて、Polygon上のステーブルコインコインでIPFS/Filecoinストレージを支払うことができます。
13.Announcement: Intella X Private Funding Closed
Intella Xは、$12Mドルを調達しました。
Polygon, Animoca Brands, Magic Eden, Planetarium, Big Brain Holdings, Global Coin Research, WEMIXなどが参加しています。
Intella Xは、Web3ゲームに適したプラットフォームです。
2023年1Q中に、独自のDEX、NFTマーケットプレイス、ローンチパッド、ウォレットなどをローンチし、ゲーム自体も出していく計画です。
ゲーム開発者、ユーザ、貢献者に、収益シェアやトークンで報酬を与える予定になっています。
14.Pantera and Archetype co-lead $12.5 million Series A funding round for Obol Labs
Ethereumのステーキングを安全にする技術を開発している Obol Labs が$12.5Mドルを調達しました。
Pantera CapitalとArchetypeがリードで、Coinbase Ventures、Ethereal Ventures、BlockTower、Nascent、Placeholder、Spartan、IEXが参加しています。
Obolについては以前かいたことがありますが、マルチシグの考えをバリデーターに応用したもので、複数のバリデータ運用者によるステーキングが可能になり、単一のオペレーターによる障害を防ぐことが期待されます。
15.Createra Raises $10 Million Led by Andreessen Horowitz to Boost Gen Z-Focused Gaming Metaverse
クリエイターがゲームやコンテンツを作成、配信できるプラットフォームCreateraが、$10Mドルを調達したことを発表しました。a16zがリードとなっています。
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☕ バックナンバー:
#265 Bspeak! 2023年1月16日号 新しい「クリエーター・トークン・コントラクト」でできること
#264 Bspeak! 2023年1月9日号 コミュニティ・ロイヤリティ
#263 Bspeak! 2023年1月2日号 2023年のEthereum・インフラ
#262 Bspeak! 2022年12月26日号 次世代ハードウェアウォレット
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#260 Bspeak! 2022年12月12日号 コミュニティで作って所有する動画ショー「Shibuya」
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#258 Bspeak! 2022年11月28日号 ETHSanFranciscoのファイナリスト
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