2030年までに変わるEthereumの設計
Vitalik Buterin氏は「The cryptographic world computer」というブログ記事で、2030年までにEthereumの設計がどう変わるかについて書きました。Ethereumは「もはやただのブロックチェーンではない」とし、ブロックチェーンと最新の暗号技術を組み合わせたハイブリッドな仕組みになっていくと説明しています。
来年予定されているアップグレードHegotaが、おそらく最後の普通のフォークになるそうで、それ以降のロードマップの中心は、自動化された形式検証、コンセンサスの最適化、量子耐性、再帰的なSTARKになる予定です。
2030年のEthereumはたとえば、
ノードはブロックをすべてダウンロードして再実行するのではなく、PeerDASでデータをサンプリングし、SNARKを検証する
署名はオフチェーンで集約され、オンチェーンには1ブロックにつき1つだけになる
1人がブロックを作るという前提がなくなり、FOCILなどによって複数の参加者でブロックを作る
などです。
また2030年までに、スロットは4〜8秒、ファイナリティは8〜32秒になる見込みとのことです。
さらにこれまで分散化は「安全性のために払うコスト」でしたが、最新の暗号技術によって、一部のケースではパフォーマンスの面でも強みになるとしています。
今週の市場コーナー
10月にはいり、BTCの最高値(ATH)から1年が経ちます。そんな中、9月下旬はETFへの流入が週$2.4Bドルあり、2025年10月以来の規模となりました。
さらに雇用統計がでて、9月の雇用者数が予想を下回ったため、10月のFOMCでの利上げ確率は13%まで落ち(数日前は70%)、その結果、BTCは一時87,000ドルを超えました。
しかし12月の利上げ確率は、まだ75%を超えています。それに加えて原油価格の高騰と、長引くイラン戦争などのマクロのリスクがあります。
そうはいっても個人的には以前と変わらず、強気サイクルにこれから入っていくというスタンスでいます。
■ This Week in Crypto
1.The Read Layer for Machine Intelligence
Multicoin Capitalが、Grassへの投資を発表しました。ヘッジファンドとベンチャーファンドの両方から投資していて、金額は明かされていません。
Grassは、ユーザが使っていないインターネット回線の帯域を共有すると報酬を得られるDePINです。公開されているWebの情報を集め、AI企業に学習用データとして提供しています。
すでに600万人以上のコントリビューターに、売上を原資としたドル建ての報酬が支払われています。売上は2025年が$17Mドル、2026年上半期も$17Mドルで、2026年通年では学習データだけで$75Mドルを見込んでいるそうです。レベニューがしっかりあるAIクリプトプロジェクトという意味ではVenice($VVV)に重なるところがあります。
ちなみにMulticoinが期待しているのは「推論時のデータ取得」です。AIモデルやエージェントは、質問に答えたり行動したりするたびにWebを検索して最新の情報を読む必要があり、この市場は学習データよりも桁違いに大きくなると主張しています。
2.NG.CASH Raises $15 Million to Expand Credit and Financial Access for Brazil’s Next Generation
ブラジルのフィンテックであるNG.CASHが、$15Mドルを調達しました。Blockchain Capitalがリードしています。2021年の創業からの累計調達額は$65Mドル以上になりました。
NG.CASHは、若い世代向けのデジタル口座アプリです。もともと登録者1,000万人(現在は2,000万人)のYouTubeチャンネルから派生して始まったサービスで、今では1,000万以上の口座があります。
ユーザの多くは中・低所得の家庭の若者で、親が銀行口座を持ったことがなく、NG.CASHが家族で初めての金融口座になるケースも多いそうです。
ブラジル中央銀行のライセンスを2つ持っていて、VASP(暗号資産サービス事業者)のライセンスも申請中です。
今後はこのユーザ基盤を活かして、ブラジルでステーブルコインやクリプトを広げていくとしています。
Jeevesが$110Mドルを調達しました。CoinFundがリードし、a16z、Coinbase Ventures、ParaFi、Y Combinatorなどが参加しています。
既存の法人向け金融サービスは、銀行口座、クレジットカード、ACHのような各国の決済レールの上に作られているため、遅くてコストも高くなります。事業をする国が増えるほど、銀行との関係、複数の法人カード、通貨の違う請求書などが増えていき、月次決算が大変になります。
そこでJeevesは、ステーブルコインネイティブな銀行プラットフォームをつくっています。
法人カード、クロスボーダーの送金、クレジットライン、現地通貨とドルの口座、経費管理や買掛金のソフトウェアを1つのプラットフォームで提供しています。
BMW、Lululemon、H&M、Burger King、Nubankなど数千社が使っているそうです。
4.Coinbase Ventures and CMCC Global close strategic funding round with trading firm Raven
Ravenが、Coinbase VenturesとCMCC Globalから戦略的ラウンドで資金調達をしました。金額は明かされていませんが、プレマネー評価額は$90Mドルです。
Ravenは、予測市場に流動性を提供するマーケットメイカーです。もともとはCEXやDEXで高頻度取引をするトレーディング企業で、2025年の第2四半期から予測市場に参入しています。創業者はWintermute出身の2人です。
KalshiやPolymarketなど10以上の予測市場で取引していて、スポーツ、クリプト、マクロ経済、エンタメなどでマーケットメイクをしています。
新しく立ち上がる予測市場に対しては、ローンチの数週間前からAPI仕様やマーケット設計をサポートし、ローンチ初日の流動性を提供しています。
5.PERPTools secures $8 million to develop AI-native perpetual trading
PERPToolsが、2回のトークンラウンドで合計$8Mドルを調達しました。
プレシードは、DEXTools VenturesとOrderly Networkがリードし、シードはBigBrain Holdings、NEAR、Animoca Brandsなどが参加しています。
PERPToolsは、DEXToolsの開発者によるパーペチュアル取引プラットフォームです。
DEXToolsの中に組み込まれていて、裏側ではOrderly Networkのオーダーブックを使っています。ユーザはブリッジをせずに、複数チェーンで共有された流動性で取引できます。
すでに3つのプロダクトがローンチされています。
Perp DEX:ノンカストディアルのパーペチュアル取引所
AI Arena:自然言語で戦略やリスクを指定して、AIエージェントに24時間トレードさせるマーケットプレイス
Tap Prediction:価格グリッドのマスを選んで賭ける短期の予測市場(最大25倍)
ベータ期間の取引高は$240Mドルと主張しています。トークンのTGEは2026年の第4四半期を予定しています。
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