今週の市場コーナー
最近は「利上げ」「Clarity否決」「ETF流出」という悪材料が重なったものの、BTCは底堅く、先週はさらにあげて1月以来の高値をつけました。
一番大きく見えるのはETFの流入です。BTC現物のETFは、7月までは「2026年の累計で$5.8Bドルのマイナス」だったのが、そこからどんどん流入にしていき、今では「2026年の累計は$800Mドルのプラス」と、大きなマイナスからプラスに転じています。9月21日に限っては、1日だけで約$1Bドルの流入となり、2026年で最大となっています。
現在は、「高値づかみ勢」の売りを、ETFが吸収している、という構図になっています。
ちなみに勢いを示すRSIをみると、買われすぎの水準にあって、ここ最近の上昇が一服する可能性もでています。ですが中長期でみると、前から書いている通り、新たなサイクルの初期段階に入ったという見方がより一層たしかになってきています。
クリプト資産の証券性について、SECスタッフのFAQ
SECの企業財務部門が、クリプト資産についてのFAQを公開しました。あくまでSECスタッフ見解であって委員会の声明ではなく、法的拘束力もありませんが、参考になります。
大きなところでいうと、
機能しているプロトコル上のトークン買い戻しは「経営的努力」に該当しない(= つまり証券とはみなされない)
リキッドステーキングトークンは、コモディティまたはツールであり、証券ではない
などがあり、基本的には安全側におかれているため、DeFiプロジェクトやトークンプロジェクトにはかなりポジティブなニュースといえます。
■ This Week in Crypto
infiniFiが、シードで$3Mドルを調達しました。Electric Capitalがリードし、New Form Capital、Generative Ventures、Fasanara Capital、2Square、4th Revolution Capital、DCFGod、The Rollupなどが参加しています。
infiniFiは、「部分準備銀行の仕組みをオンチェーンで再現する」というコンセプトの利回りプロトコルです。
銀行が、預金を異なる期間の資産に振り分けて収益を得るのと同じことを、オンチェーンで透明に自動化し、より多くの利益を預金者に還元する、というものです。
すでに$9Mドル以上の利回りを生み出していて、TVLは最大で$180Mドルに達しました。
今後は、機関投資家が運用するプライベートクレジットを、ネオバンクや金融アプリのEarn口座に組み込み、クリプトネイティブ以外のユーザーにも広げていく予定です。トークン発行は2026年Q4に予定されています。
2.Atum Emerges from Stealth with The Open Payments Network for Global Money Movement
Atumが、$13.5Mドルを調達したことを発表しました。Variant、PayPal Ventures、Abstract Ventures、Road Capital、Mirana Ventures、First Commit、Credibly Neutralなどが参加しています。
Atumは、「グローバルな送金のための決済ネットワーク」を開発しています。
決済企業、開発者、企業を1つのコーディネーション層でつなぐものです。仕組みとしては、アプリや開発者が支払いリクエストを出すと、settlementプロバイダーがマーケットプレイス上で競争して、対応するチェーンやステーブルコインで支払いを実行します。送り手は「何を送るか」を指定し、受け手は「受け取りたいもの」で受け取れます。
x402やMPPなどのプロトコルを使ったAIエージェントの支払いにも対応していて、すでに人間とエージェントの両方が決済しているそうです。
ちなみに創業者のPete Cooling氏は、元Visaのクリプトプロダクトチームを率いていた人物です。
CatchBackが、$8Mドルのシードラウンドを調達しました。Foundation Capitalがリードし、Y Combinator、Robinhood Ventures、Coinbase Ventures、Solana Foundationが参加しています。
CatchBackは、トレーディングカード(ポケモンカードやスポーツカードなど)のコレクティブル取引プラットフォームです。誰でもカードのプール・リスク・当たる確率を自分で設定した「ミステリーパック」を作ることができ、開封して当たったカードは、その場で即時買取のオファーを受けることができます。
乱数の暗号学的な証明とカード選択のコードを公開していて、パックの中身を検証できるようにしています。
すでにユーザー数は75,000人以上、開封されたパックは500,000個以上で、ユーザーが自分のミステリーパックを作るために使った金額は$1.8Mドルを超えているそうです。
カードを担保にしたローンや、カード所有権のデジタル化なども手がけていて、現物のコレクティブルに流動性を持たせることを狙っています。
functionSPACEが、$1.7Mドルのプレシードを調達しました。Maven 11 Capitalがリードし、BlockwallとSmape Capitalが参加しています。
数値的な結果(例えば「いくらになるか」「何件になるか」)をオンチェーンで価格付けするための仕組みを開発しています。
既存の予測市場の多くは「Yes/No」のバイナリーな契約で、1つのイベントに対して複数の価格帯のマーケットを作ると流動性が分断されてしまいます。functionSPACEはこれを1つの連続した確率分布(確率曲線)として表現し、すべての取引が1つの流動性プールに集まるようにしています。
5.HIFI raises $37 million Series A to expand tokenized capital markets infrastructure
HIFIが、$37MドルのシリーズAを調達しました。Left Lane Capitalがリードしています。
ステーブルコイン決済・トークン化資産の企業で、銀行レールとデジタル資産をまたいで、送金・コンプライアンス・決済を1つのAPIに統合するインフラを開発しています。87カ国で年間$7Bドル以上の取引量を処理しているそうです。
7月にはDTCCによるトークン化証券の本番取引に、BlackRock、Goldman Sachs、Nasdaqとともに参加しています。また今月はVisaと提携し、ステーブルコインを原資とした送金やカード決済へ対応を広げていて、まずは世界40億枚以上のVisaカードへのペイアウトに対応します。
6.Infini Raises $6M Seed Round to Scale Its AI-Powered Global Financial Platform
Infiniが、$6Mドルのシードラウンドを調達しました。Reforge、Fortwest Capital、Enlight Capital、NextGen Digital Venture、SNZ Capital、Vernalなどが参加しています。あわせてモバイルアプリもローンチしています。
Infiniは、AI搭載のグローバル金融プラットフォームで、ステーブルコインによる即時決済とAIのFinancial Agentを組み合わせています。個人向けにはグローバル口座、利回り付きの決済カード、日々の支払いや送金を提供し、法人向けには帳簿、承認、支払い実行、トレジャリー管理を自動化する「デジタルCFO」を目指しています。
XStableが、資金調達を発表しました。YZi Labs、Sui Foundation、Taisu Ventures、Catcher VCなどが参加しています。
XStableは、金・銀・主要な為替ペアをオンチェーンで取引するための、AIネイティブな取引インフラを開発しています。
マーケットデータ、約定、流動性、リスク管理、API、AIエージェント連携をまとめて提供していて、人間のトレーダーだけでなく、クオンツチームやAIエージェントが同じ取引・リスク管理の枠組みで市場にアクセスできるようにしています。
AIエージェント向けには、統一インターフェースで提供し、レバレッジ、ポジションサイズ、損失上限などのルールを独立して動かした上で、それを通過した注文だけを実行する形になっています。
8.Coinbase opens IPO allocations to US customers, starting with Oura
Coinbaseが、米国のユーザー向けにIPO株の割り当てを開始しました。
第一弾は、スマートリングの「Oura」のIPOです。上場前にIPOの公募価格でCoinbaseのアプリ内から株式をリクエストでき、需要に応じて、全量・一部・ゼロのいずれかが割り当てられます。
Coinbaseは、SpaceXなどを対象としたpre-IPOのパーペチュアル先物を出していたり、今月はじめには、24時間365日の株式パーペチュアルを上場するためにSECに登録届出をしています。
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