The Based Stack
まだこちらに書いたことはなかったのですが、私がいま進めているプロジェクトSpireで$7Mドルを調達しました。Maven11とAnagramがリードで、a16z CSX(a16z cryptoのアクセラレーター)、Volt capital、Bankless Venturesなどが参加しています。
(また特に発表しませんでしたが、最初のラウンドでも a16z CSX から$1.5Mドルを投資してもらっていたので、累計金額は$8.5Mほどになります。)
Spire Labsが何をしているかというと、based rollup をつくることができるスタックを開発しています。すごく簡単にいうと OP Stack の based rollup版で、名前も「Based Stack」としています。
これを使ってbased rollupのアップチェーンを作る利点としては、(シークエンサーにEthereum L1を利用するので)Ethereum L1とインターオペラビリティを持つことでき、さらなるフラグメンテーションを防ぐことができます。具体的には、L1の流動性、コントラクト、オラクルなどを使うことができ、アップチェーンで流動性を作らないで済んだり、いろいろと再発明をしないで済みます。
また centralized なシークエンサーを運営しないため、Ethereum L1の堅牢さ(ライブネス)や検閲耐性を引き継ぐことができます。
そういう意味では、based rollupのアップチェーンは、L1スマートコントラクトと同じような特性を持てるようになるとも言えます。ユーザ側からしても、1つのEthereumを使ってる感覚のUXになることが将来的にはできるようになります。(証明生成時間がリアルタイムに近づく必要はあります。)
またデザインにもよりますが based rollup にはいくつか課題があります。
Ethereum L1のスロット時間12秒のため、他のL2よりも遅い
シークエンサー収益/MEVが、L1にわたる
L1 interopのtxはコストが高くなる
そのため、分散型のPreconfirmationsを使えるための仕組みや、MEVを再分配する仕組みなども開発しています。また将来はDAコストや証明コストをシェアしてスケールさせることもしていきたいと思っています。
(最近は特に忙しくなってきて、このニュースレターもいつまで続けられるか怪しくなってきました。笑)
■ This Week in Crypto
1.Phylax Systems Raises a $4.5mm Pre-Seed to back Credible Security
ハック防止プロトコル「The Credible Layer」を開発するPhylax Systemsが、$4.5Mドルのプレシード資金を調達しました。
NascentとFigment Capitalがリードし、Robot Ventures、Hash3、Bankless Ventures、Breed VC、Public Worksなどが参加しています。
このプロジェクトは、過去に$190Mドルのハッキング被害をうけたNomadというブリッジで働いてたエンジニアが創業しています。
「The Credible Layer」では、dAppsが自ら定義した不正トランザクションを、ブロック検証プロセスで直接防ぐ、という仕組みを提供します。dAppのセキュリティルールを第三者が検証することも可能です。
このセキュリティを維持するための検証手数料をdAppsが支払うモデルになる予定です。
画像: ブログ記事
2.AI Data Collection Startup Sapien Raises $10.5M Seed Funding Led by Variant
Sapienが、Variantがリードするシードラウンドで$10.5Mドルを調達しました。
AIのためのデータ収集・ラベリングに対して、USDCやポイントの報酬を与える仕組みを開発しています。
このデータラベリングに参加したい人は、証拠金として資金を預け、作業品質に応じて追加報酬を得られるようになります。また不正行為やボット使用が発覚したときは没収されることもあります。
AlibabaやBaiduなどの企業と協力し、数万以上のユーザ(ワーカー)がいるそうです。
3.Announcing Our $14M Series A To Expand Bitcoin into an Active, Programmable Asset
ビットコインのzkロールアップを開発するCitreaは、$14MドルのシリーズA資金調達を発表しました。
Founders Fundがリードし、Maven11、Mirana、dao5などが参加しています。
ビットコイン上でスマートコントラクトを可能にするL2をつくっていて、開発者向けの早期プログラムが開始されています。
4.Ellipsis Labs Raises $21M to Launch 'Verifiable Finance Blockchain' Atlas
Ellipsis Labsは、新しいL2「Atlas」をローンチするため、Haun Venturesから$20Mドルとその他の投資家から$1Mドルの、合計$21Mドルを調達しました。
Ellipsis LabsはSolanaベースのDEX「Phoenix」の開発元として知られていますが、このL2「Atlas」は金融に特化したチェーンで、低遅延、信頼性の高いオラクルの更新などを実現する設計になっています。
最初はEthereumのL2として展開され、その後EthereumとSolanaの両方の流動性プールと接続される予定です。
5.CAP Labs Raises $1.9M in Pre-Seed Round to Scale Crypto-Native Stablecoins
CAP Labsは、$1.9Mドルのプレシード資金調達を完了しました。
Kraken Ventures、Robot Ventures、Anagram、ABCDEなどが参加しています。CAP Labsは、MEVやアービトラージなどの収益を利用して、よりスケーラブルなステーブルコインの開発しています。
MegaETH上で、2025年Q1にメインネットローンチを目指しています。
6.Privacy Blockchain Project Nillion Raises $25M to Expand 'Blind Computing'
プライバシー重視のブロックチェーン「Nillion」が、$25Mドルを調達しました。
Hack VCがリードし、ArbitrumやWorldcoin、Seiなどのエンジェル投資家も参加しています。
Nillionは、機密情報を開示せずにデータを処理できるエコシステムを目指しています。最近の注力はAI向けユースケースのようで、少数の中央集権的な企業によるデータの支配を防ぐことが期待されています。
7.Solana Scaling Infrastructure Developer Nitro Labs Raises $4 Million in Seed Funding
Solanaのスケーリングインフラ「Termina」を開発するNitro Labsは、シードで$4Mドルを調達しました。LemniscapがリードでAnimoca Ventures、Borderless Capital、Finality Capitalなどが参加しています。
Terminaは、Solanaのカスタムロールアップなどを簡単にデプロイできるプラットフォームです。年内にはテストネットのローンチが予定されています。
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