USDC
USDC発行元のCircleが、USDCの相互運用性のための「クロスチェーン転送プロトコル」を発表しました。各チェーンで断片的になっているUSDCをまとめ、流動性を高める効果があります。
このクロスチェーンのプロトコルは、今年後半にEthereumとAvalancheで稼動する予定です。
また今後数カ月のうちに、Arbitrum、Cosmos、NEAR、Optimism、PolkadotでネイティブにUSDCが発行することも発表しました。
最近は下落相場もありUSDC発行量が下がっているようですが、うまくマルチチェーン対応できれば、USDTのシェアを追い越す日もそう遠くはないかもしれません。
■ Last Week in Crypto
1.Coinbase Ventures backs crypto firewall provider Harpie’s $4.5 million raise: Exclusive
オンチェーンのファイアウォールを開発するHarpieが、$4.5Mドルを調達しました。
Dragonfly Capitalがリードとなり、Coinbase VenturesとOpenSeaも参加しています。
Harpieを使うと、トークンを送ることのできるアプリやアドレスを「信頼できるネットワーク」として設定することができます。
もしこの信頼できるネットワーク以外にトークンが送られると、盗難とみなされてトランザクションがブロックされます。これによって、フロントエンドの攻撃、フィッシング、偽サイト詐欺、などからユーザーを保護することができます。
今後は防止できる範囲を増やしていき、機関投資家向けにもサービスを拡充していく予定になっています。
ちなみにビジネスモデルとしては、リカバリーできた資産の対して7%の手数料を取る予定です。このとき、ERC20はUniswap v3を参照し、NFTはOpenseaのフロア価格を参照し、その7%を計算するようです。
2.Introducing Blowfish, the Security Service Your Web3 Wallet Needs
上と同じく、ユーザを攻撃から守る機能を開発しているBlowfishが、Paradigmをリードに$11.8Mドルを調達しました。
投資家にはDragonfly、Uniswap Labs Ventures、Hyperspher 、0x Labs も参加していています。
Blowfishは、悪意のあるトランザクションをリアルタイムで見つけ、ユーザーを保護する技術を開発しています。
具体的には API を提供していて、ウォレットが利用することで、攻撃を警告したり、トランザクション内容をユーザーが読めるように表示できるようになります。
すでにPhantomウォレットが利用していて、以下の画像のように、何をしようとしているトランザクションなのかを説明したり、(フィッシング、DNSハイジャックなどの)疑わしいトランザクションには警告が出るようになっています。
上で書いたHarpieもそうですが、このようなセキュリティ技術はより多くのユーザがクリプトに触れるためには欠かせないので、良いプロジェクトと思います。
3.Introduction to Eclipse: Customizable, Modular Rollups Using the Solana VM
Eclipseというプロジェクトが、$9Mドルを調達しました。
Tribe CapitalとTabiyaが共同でリードとなり、Polygon Venturesなどからも支援をうけています。(前回のラウンドではPolychainがリードで$6Mドルを調達しています。)
またSolana Foundationからグラントもうけとり、Solanaの創業者からのエンジェル投資もうけています。
Eclipseを使うと、開発者が Solana VMのロールアップ(アプリ特化チェーン)をいろいろなチェーン上に作ることができます。モジュラー型の構造を活かしたカスタマイズ可能なロールアップで、将来的にはMove言語もサポートする予定です。
またEclipse上のdAppsは、IBCによるブロックチェーン間の通信も可能になります。
Data Availability(トランザクションを記録して、データが利用可能と証明する)の役割には、主にCelestiaのチェーンを利用する予定になっています。またCelestiaとは、お互いのトークン交換をして、協力関係を築いてるそうです。(CelestiaもEclipseもトークンをまだ出していません)。
モジュラー的にいろいろなものの良いところどりをしていて、個人的にはかなり面白いプロジェクトだと思っています。2023年の初めには、テストネットが稼動する予定です。
4.Decentralized exchange Krypton raises $7 million to lower costs for traders
krypton は、$7Mドルを調達しました。Framework Ventures がリードで、Samsung Next、GSR、Foresight Venturesなどが参加しています。
kryptonは、Chainlinkハッカソンで賞をとったプロジェクトで、2023年1QにDEXをローンチする予定になっています。
このDEXはバッチオークションを使って、MEVから保護することを目的としています。その意味ではCowswapに似ていますが、他にも効率的なDEXにする努力をしています。
注文のマッチングには、ChainlinkのDecentralized Oracle Network(DON)を使っているため、計算をオフチェーンで実施することができ、ユーザのコストを下げることができます。
ライトペーパー:https://static.showit.co/file/3S7IOCFiR46DoTzvv4E09A/179658/krypton_-_lightpaper.pdf
Coralというプロジェクトが$20Mドルを調達しました。
FTX VenturesとJump Cryptoがリードとなり、Multicoin Capital、Anagram、K5 Globalなどが参加しています。
Backpackいう新しいウォレットのプラットフォームを立ち上げています。トークンとNFTを保存できるだけでなく、他のアプリケーションへの入口として機能します。
プライベートベータ版では、NFTマーケットプレイスMagic Eden、ゲームDefiLandとAurory、トレードプラットフォームのMango Marketsが、サポートされる予定です。
6.Karn Saroya raises $14 million for insurance protocol Re as insurtech platform Cover is wound down
ブロックチェーンを活用した再保険(保険会社にとっての保険)のマーケットプレイス Re は、$14Mドルを調達しました。
投資家には Framework、Tribe Capital、Defy、Morgan Creek Digitalなどが参加しています。
Reのプロトコルは、Avalanche上に作られていて、投資家が現実世界の保険契約に資金提供できるプラットフォームです。シンジケートと呼ばれる役割が、保険を評価し、資金提供をすることで、利回りが得られる予定になっています。
メインのアプリはAvalancheのプライマリネットワークに作られ、プライベートな情報はサブネットに置かれる予定になっています。
7.Crypto hardware wallet maker OneKey raises $20 million in Series A funding
ハードウェアウォレットメーカーのOneKeyが$20Mを調達しました。
DragonflyとRibbit Capitalがリードとなっています。他にはCoinbase Ventures、Framework Ventures、Sky9 Capital、Folius Ventures、Ethereal Venturesなどが参加しています。
OneKeyは、100%オープンソースで、安全なチップを使用するハードウェアウォレットというのが売りです。
今後はより多くのブロックチェーンに対応し、ステーキングしながら保管するなどの機能を増やしていく予定になっています。
8.FTX Ventures, DCG Back $9.6M Funding for Decentralized Database Solution Kwil
分散型データベース基盤プロバイダーのKwilが、$9.6Mドルを調達しました。
FTX VenturesやDCGが参加しています。
Kwilの分散型プラットフォーム(KwilDB)は、Arweave上のSQLデータベースで、Web2開発者がネイティブな感覚で使える点を売りにしています。
開発者は複雑なクエリを速く実行でき、また他のアプリケーションからデータにアクセスできるようになり、アプリ開発の時間が短縮されることが期待されます。
9.Exclusive: NFT video platform Glass raises $5M, led by TCG, 1kx
クリエイターが、動画をNFTにしてマネタイズできるプラットフォーム Glass が、$5Mドルを調達しました。TCG Cryptoと1kxが共同リードとなっています。
Glassでは、クリエーターが動画をNFTにして、ファンが購入すると動画をみることができます。またファンは、無料の動画NFTをコレクションすることもできます。
創業から1年ですが、TimbalandやKygoなどのアーティストとコラボしています。
Bitqueryが$8.5Mドルのシード資金を調達しました。Binance Labsとdao5が共同リードし、Susquehanna、DHVC、INCE Capitalなどが参加しています。
Bitqueryは、ブロックチェーン上のデータをとってきたり、分析して表示したりするツールを提供しています。今回調達した資金をつかってデータインフラを分散ネットワーク化して、「BITプロトコル」を開発する予定になっています。
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