VanEckの予想15個
2024年最初の配信になります。今年も宜しくお願いします!
さて、色々なところから2024年の予想記事が出ていますが、その中でもVanEckという資産運用会社が出している「15個の予想」がコンパクトで面白いので、ここで紹介したいと思います。(ちなみにVanEckは、ビットコインのスポットETFを申請している企業の1つで、ティッカーシンボル「HODL」で上場される見通しになっています。)
読みやすいように項目だけを列挙しますが、それだけでは分かりにくいものは、内容を一部抜粋して追加します。
米国リセッションがついに到来するが、最初のスポット・ビットコインETFも到来する
ビットコイン半減期は無事に完了する
ビットコインは第4四半期に史上最高値を更新する
ドナルド・トランプ氏が大統領の座を奪還し、SECの敵対的な規制アプローチが解体されるなどの楽観論が高まり、ビットコイン価格は、前回の史上最高値からちょうど3年後の11月9日に史上最高値を更新すると考える。(ビットコインが2020年11月にブレイクアウトしたのも、2017年11月の頂点からちょうど3年後のことだった)
Ethereumは2024年にビットコインをflipしない
ETHがビットコインをアウトパフォームし始めるのは半減期の後で、2024年全体で見るとアウトパフォームするかもしれないが、時価総額で追い越すことはないだろう。ETHは好調なパフォーマンスを示すにもかかわらず、Solanaのようなスケーラビリティのロードマップの不確実性が低い他のスマートコントラクトプラットフォームにシェアを奪われるだろう。
ETH レイヤー2は、EIP-4844以降、EVM互換TVLと出来高の大半を獲得する
NFTアクティビティが新たなピークに
投機筋が戻り、EthereumのトップNFTコレクション、クリプトゲーム、ビットコインNFTに引き寄せられるため、月間NFT取引量は過去最高に近づくだろう。
Binanceがスポット取引でトップの座を明け渡す
Binanceは米国規制当局との40億ドルの和解により、取引量No.1の取引所の座を失うだろう。OKX、Bybit、Coinbase、Bitgetは、1位の座を奪う可能性のある競争相手として登場する。
USDCの市場シェア回復で、ステーブルコインの時価総額が史上最高を更新する
ヨーロッパで規制準拠したステーブルコインが開始され、利回りを保証するステーブルコインが普及し、取引量が回復し続けるにつれて、チェーン上のステーブルコイン総額は史上最高に達するだろう。また物議を醸す内容だが、USDCのシェアがUSDTを逆転する。(機関投資家の利用が増えればUSDCが好まれる。そして米国司法省が、KYC違反や市場操作などの理由でJustin SunとTronにアクションを起こしたら、 Tetherシェアが下がり、USDCが逆転する可能性がある。)
DEXの現物取引のシェアが過去最高を記録
ビットコインの利回り機会が増える
AmbossのようなLightningノードを管理する技術的な部分を抽象化するプロトコルの普及と、Fediのような連携型セルフ・カストディのソリューションにより、ユーザーはコールドウォレットから利回りを得ることができるようになる。またビットコイン保有者は、(Babylonのようなプロジェクトを活用することで)PoSチェーンへセキュリティ提供して利回りを稼ぐことができるようになる。
ブロックチェーンゲームをリードする企業が出現する
Solanaの成長は、DeFiのTVL復活によって、Ethereumを上回る
DePinの本格的な普及
新しい会計基準により企業のクリプト保有が増える
Coinbaseは、オンチェーン収益(Base L2の収益)を、四半期報告書で報告する初の上場企業となる。企業がクリプト時価評価益を計上できるようにするFASBの新ガイドラインによって、クリプトを保有する企業が増えるかもしれない。これらの会計変更は2025年に施行されるが、企業はそれより早く採用することも可能なので、大手金融機関(銀行、取引所)がL2のような準パブリックブロックチェーンの構築を発表する可能性がある。
KYC規制でDeFiの整理
UniswapはHook機能でKYCサポートし、permissioned defiをリードする。特に機関投資家の流動性と取引量をもってくることができるため、プロトコルの手数料が増え、最終的にUniswapプロトコルの手数料スイッチをオンにしたら、トークンの上昇を促進するだろう。
となります。
■ This Week in Crypto
Vitalik Buterin氏が、EthereumのPoSを改善する3つの案をフォーラムに投稿しました。
課題としては、Ethereumは多くのバリデータをかかえているため、Ethereumチェーンが大量にデジタル署名を処理しなければならず負担がかかるというものです。
アプローチの1つ目は「分散型ステーキングプール」で、バリデータになるために必要なETH量をもっと高くし、バリデータ同士でチームを組ませてリソースを組み合わせることを強いるという案です。
2つ目の方法は、ステーカーを2つのレイヤーに分けるというもので、要求の重いレイヤーと軽いレイヤーの2つにわけ、ブロックのフィナリティを得るプロセスで異なる扱いとする案です。
3つ目の方法は、参加者を交代制にするというものです。各スロットでランダムにバリデーターを選ぶことで、作業負荷が分散して、署名の総数が減らすということのようです。
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