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また先週まではニュースレターと同じタイミングで出していましたが、今週からは火曜日に配信していくことにしました。そのため今週分は明日になります。
プロト・ダンクシャーディングについて
順調にいけば2023年にEthereumのアップグレードに組み込まれる『EIP-4844』、別名Proto-Danksharding(プロト・ダンクシャーディング)について書いていきます。
ユーザ視点でみて、大きな改善が見込めるアップグレードになるので、知っておくと良いと思います。
EthereumのL2は、データをEthereumのL1上に公開しているため、現在そこにガス代が高くかかっています。もちろんL1よりは安いですが、それでも「超安い」という状態ではありません。
これを解決するために、「データ・シャーディング」(または単にシャーディング)という新しいデータレイヤーを作成する予定になっています。
このデータレイヤーでは、L2に関するデータのみを、安く保存することができます。また「一定の時間だけ」保持することで、ノード運用のハードルも高くすることなく(分散化を犠牲にすることなく)、L2を使うコストを大きく下げることができます。
この技術的なアプローチは、Ethereum財団のDankradさんが考案したことから、彼の名前をとって、Danksharding(ダンク・シャーディング)と呼ばれています。
ダンクシャーディングは、いくつかの段階で実装されていく予定で、その最初のものが、Proto-Danksharding(プロト・ダンクシャーディング)というわけです。
ちなみに去年の2月に「ETH Denver」というハッカソンで、OptimismのProto.ethさんが、ダンクシャーディングのプロトタイプを作ったことから、Protoさんの名前をとってプロト・ダンクシャーディングという名前がついたようです。
2023年の予想
最近は2023年の予想記事をよく見かけますが、「規制が強くなる」「ゲームがくる」など、似ている内容を目にします。
そんな中、上でも紹介したProto.ethさんは、技術的な視点から 2023年の予想をしていて参考になるので、面白いものをピックアップします。
3月末までには ステーキングETHの引き出しが可能になるだろう
zkRollupのどれかが、設計を大きく変更するだろう(ArbitrumやOptimismがVM設計を大きく変えたのと同じように)
L2 EVMの規格が形作られていく
ロールアップ間のコンポーザビリティが、シークエンサーインフラの中心になる。アトミックなZKロールアップ間のトランザクションは、注目されるがL2市場を変えることはないだろう
EIP-4844(プロト・ダンクシャーディング)が実装される
ブリッジ/オラクル/L2をより良くするために、EVM実行とリンクした、Blobより小さなサイズのBlobスペースを再販するFlashbot的なプロダクトが登場するだろう
EigenLayer、SUAVE(Flashbotの新製品)、取引所などの大口ステーカーなどにより、異なるチェーンの「シークエンサー・アズ・ア・サービス」が始まり、チェーン間の違いが曖昧になっていく
アカウント・アブストラクションが、Scourge(Ethereumのアップグレード)やシークエンサー開発の副産物として成長し続ける
Bitcoinのような、「匿名チーム + ハードフォークしない哲学」を持つL2が少なくとも1つは現れるだろう。そして、おそらくそれはBitcoinのようにトランザクションScriptを使うだろう
もっとDeFiハックが増える
参考:過去のハック
2020年: Eminence, Harvest, Pickle Fi
2021年: Thorchain ($7M), Mirror ($90M), Poly Network ($600M), Cream ($140M), Comp ($147M), Badger ($120M)
2022年: BSC ($568M), Nomad ($200M), Harmony ($100M), Mango ($115M), Ronin ($600M), Wormhole ($325M)
Rustはブロックチェーン界隈でより人気を得るだろう
Solanaはこのまま同じではなく、ピボットをするか人材が流出する
次のDevcon(カンファレンス)は、インドかベトナム
NFTは、Web2に似たソーシャルコミュニティとして、ますます発展していく。Soulbound NFTは、Web3版のアカウントの「プロフィール」部分になる。まだ誰もプロフィール機能については気にしていないが、各ソーシャルプラットフォームには必ず必要になる
Ethereumは2023年下期にはネットでデフレになる
Rustの部分や、VMの改善、zkRollupのところなどは、実際にすでに起きているのを耳にしていて、ポッドキャストでこの辺を話せればと思っています。
2023年のイベント
Ethereum Foundationの開発チームや、世界にメンバーを持つプロジェクトは、オフィスを持たずリモートで働く代わりに、「各国で開催されるイベントに定期的に集まって、2,3週間ほど集中的に同じ場所で働く」というのを繰り返しているそうです。
渡航の規制もゆるくなってきて、2023年はそんな働き方をするチームがもっと増えると思っているので、2023年のイベントを以下に列挙しておきます。これから何かするという人も、ハッカソンに申し込むと良いと思います。
2月 – ETH Denver
3月 – Scaling Ethereum (オンライン)
3月 – ETH Dubai
3月 – ETH Porto
3月 – Ethereum Rio
4月 – Edcon (Vienna)
4月 – NFT NYC
4月 – ETHGlobal Tokyo
5月 – ETHGlobal Istanbul
6月 – ETHGlobal Toronto
7月 – EthCC (Paris)
7月 – ETHGlobal Paris
9月 – ETHGlobal New York
10月 – ETHOnline (オンライン)
そしてDevconが10月あたりになるのかなと思います。
分散型IPとStoryプロトコル
Story Protocolというプロジェクトが、a16zなどの有名VCやエンジェルから出資をうけているそうです。Story Protocolは、ストーリーやキャラクターといったIPを作るプロセスやそのライセンスの管理を、オンチェーンでおこなう方法を開発しています。
詳細はわかっていませんが、最終的には異なるIPをリミックスしたり合成したりすることができる「ストーリーレゴ」をつくることを目指しています。
本、マンガ、映画、テレビ、ゲームなどのIPを民主化していく動きと言えます。クリエーターやファンによる所有権とインセンティブモデルをもつ「コミュニティ所有のIP」は、2023年大きくなっていくテーマな気がしています。
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