ApeCoinと過去のエアドロップ
人気NFTのBored Ape Yacht Club(BAYC)がトークンを発行し、一部をホルダーにエアドロップしました。すぐに大手取引所でも同時に取り扱いがされ、突如として大きな取引ボリュームを発生させるトークンとなりました。
また過去にエアドロップしたプロジェクトと比べると、もっとも高い価値をエアドロップしたことが分かります。
エアドロップした1日目の市場価格での比較になりますが、Uniswapエアドロップの$1Bを超えた、$1.5Bもの価値をエアドロップしています。
■ Last Week in Crypto
1.Expanding the Aptos Community
Aptosというプロジェクトが、$200Mドルを調達しました。
a16z cryptoがリードで、Multicoin Capital、Coinbase Ventures、Katie Haun、3 Arrows Capital、ParaFi Capital、IRONGREY、Hashed、Variant、Tiger Global、BlockTower、FTX Ventures、Paxosが投資しています。
Aptosは元Metaの社員が創業したプロジェクトで、新しいL1ブロックチェーンを開発しています。創業者たちがMeta在籍時に取り組んでいたDiem(元Libra)をもとに作られていて、プログラミング言語「Move」を採用しています(ドキュメントにもDiemのロゴが入っている図がありました)。
2022年2Qには、インセンティブ付きのテストネットを立ち上げる予定です。その後メインネットが2022年3Qにローンチ予定になっています。
2.Announcing the Kiln Merge Testnet
EthereumのPoS移行のためのテストネットKilnが稼働しました。
前回のマージテストネットであるKintsugi(金継ぎ)は、陶器を金で直す日本の技術にちなんで名付けられていました。今回の Kiln は、粘土を陶器のような固い物にするために使われる高温の釜の意味だそうです。
このKilnでのマージはだいたい成功したそうですが、開発者Tim Beiko氏は、1つのクライアントがブロックを生成していないことを指摘していて、その問題を調査中になっています。
今後
しばらくは、アプリやツールの開発者、ノード運営者などが、Kilnでテストすることが推奨されています。その後Kilnに問題がなければ、クライアント実装の詳細を決まり、既存のEthereumのテストネット(Goerli、Ropstenなど)がThe Mergeを実施します。
これが安定し、問題が見つからなかったら、メインネットのThe Mergeの正確な日付を推定できるようになってくるそうです。
3.Bored Ape NFT volumes spike after ApeCoin launch
上でも触れましたが、Bored Ape Yacht Club(BAYC)は、ApeCoinをローンチしました。開発元のYuga Labsは、「ApeCoinは、BAYCエコシステムと将来のYuga Labs製品/サービスの主要トークンとして使用される」と書いています。
そしてこのトークンはApeCoin DAOによって管理されますが、トークン供給の15%がNFT保有者へのエアドロップとなっています。
ちなみにYuga Labsは先週、『CryptoPunks』と『Meebits』 という人気NFTコレクションの知的財産権をLarva Labsから取得したことも発表しました。
Larva Labsの創業者のMatt HallとJohn Watkinsonは、Larva Labsに留まるようです。
4.Ethereum scaling startup Optimism raises $150 million at $1.65 billion valuation
EthereumスケーリングのプロジェクトOptimismは、150Mドルを調達しました。
Paradigmとa16zが共同でリードしていて、この資金調達は人材の獲得に充てられるそうです。
Optimismでは、Calldata圧縮があと数週間で本番稼動し、最大40%のガスコストが削減される予定になっています。
さらに次の大きなアップグレードOptimism: Bedrockでは、新しいFraud Proofである『Cannon』という仕組みが導入されて、トランザクション送信コストがさらに最適化される予定になっています。
5.Teams behind Mina Protocol raise $92 million from Three Arrows, FTX and others
プライバシーに特化したブロックチェーン「Mina」は、$92Mドルを調達しました。
トークンによる調達で、Three Arrows CapitalとFTX Venturesがリードし、Alan Howard, Brevan Howard, Amber Group, Blockchain.com, Circle Ventures, Pantera Capitalなどが参加しています。調達額をすべてMina上の開発者の助成金に充てるそうです。
Mina Protocolは、ゼロ知識証明を使って開発者がプライバシー重視のアプリを作れるようになっていて、「暗号学の専門家でなくても、JavaScriptを知っている開発者であればゼロ知識証明を扱える」ということをウリにしています。
例えば、DAOに投票するときに、自分の投票記録をオンチェーンで公開する必要がなくなる、などのユースケースも考えられます。またID、ゲーム、L2などのプロジェクトが立ち上がっているようです。
6.Instagram is launching NFTs, Mark Zuckerberg confirms at SXSW
Meta(旧Facebook)のCEOとザッカーバーグ氏は「近いうちにInstagramにNFTを導入することに取り組んでいる、今後数ヶ月の間に来るだろう」と述べました。
NFTがどのようにInstagramに統合されるかはまだ不明ですが、ユーザーがInstagram上でNFTを作成・販売できるようになったり、NFTをプロフィール画像にする機能になるかもしれません。
7.Solana Payroll Protocol Zebec Raises $28M in Token Sales
Zebec Protocolは、パブリックセールとプライベートセールで、$28Mドルを調達しました。
$21Mドルのプライベートセールの投資家には、Circle, Coinbase, Solana Ventures, Lightspeed Venture Partners and Alameda Researchが含まれ、
$7Mドルのパブリックセールは、価格がプライベートセールと同じで設定され、Republic上で実施されました。
Zebecプロトコルは、Solana上のSuperFluidと言えます。クリプトを秒単位で送り続けることができ、給与支払いなどに使うことができます。
今後Zebecは、ZBCトークン保有者向けのステーク報酬と、Zebecプロトコル上に開発する開発者向けのインセンティブを導入する予定です。
またZebecは、Solanaベースのデビットカードも予定しています。これは法人用のもので、Zebecのマネーフローで給与を受け取った従業員が、そのまま法定通貨として利用するためのカードのようです。
8.DeFi Analytics Firm Treehouse Raises $18M Seed Funding
DeFi分析企業のTreehouse は、シード資金として$18Mドルを調達しました。Binance、Lightspeed、Wintermute、Jump Capitalなどが参加しています。
Treehouseは、DeFiのポジションに関する分析情報が得られるツールを開発しています。
メインの製品『Harvest』は、アドレスごとに、損益などの過去データを表示して、DeFiデータ分析の標準を作ろうとしています。
また今回の資金で、Harvestのサポートするプロトコルやチェーンを増やしていく予定になっています。
9.Crypto startup Gauntlet raises $23.8 million at $1 billion valuation
クリプトスタートアップのGauntletは、$23.8Mドルを調達しました。Ribbit Capitalがリードで、PolychainとParadigmも参加しています。
Gauntletは、DeFiプロトコルやDAO向けに、プロトコルのリスクを洗い出すための、評価やシミュレーションのサービスを提供しています。
Aave、Compound、SushiSwap、BalancerなどのプロトコルがGauntletのプラットフォームを利用しています。
10.Ethereum Staking Protocol Swell Raises $3.75M as Locked ETH Tops $26B
ステーキングプロトコル Swellが、Framework、IOSG Ventures、Apollo Capitalが共同リードで、$3.75Mドルを発表しました。
いわゆる Liquid Staking を可能にするプロトコルです。現在Ethereum2.0のバリデーターになるには32ETHが必要ですが、Swellを利用すると、最低1ETHからステークすることができます。
他にもLidoやRocket Poolなどが同様のソリューションとして有名で、Rocket Poolは最低0.01ETHからステークでき、Lidoは最低額の制限はなくどの額からでもステーキングすることができます。
Swellは、4月にメインネットでローンチする予定で、その後AvalancheやPolygonなど、他のブロックチェーンに拡大する予定になっています。
11.Katie Haun’s New Fund Joins $10M Round for Polkadot Lending Protocol Moonwell
Moonbeam上のレンディングプロトコル Moonwell が$10Mを調達しました。
Hypersphere VenturesとArrington Capitaがリードしています。また元a16zのKatie Haunが新しく立ち上げたVCや、Lemniscap、Robot Ventures、Signum Capitalなどが参加しています。
Moonwell のレンディングプロトコルは、すでにKusama上のチェーンMoonriverで試験的に稼働させていて、4月以降にMoonbeam上でローンチ予定になっています。
ガバナンストークンであるWELLが、投資家、Moonwellユーザー、コミュニティメンバーに配布される予定になっています。
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Lido は、ETHをEthereum2.0にステーキングできるプロトコルです。
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☕ バックナンバー:
#221 Bspeak! 2022年3月14日号 ゼロ知識証明を利用したブロックチェーン『Espresso☕』
#220 Bspeak! 2022年3月7日号 Paradigm等から$15M調達し、新しい都市/クリプト国家をつくる『Praxis』とは
#219 Bspeak! 2022年2月28日号 Web3コンピューティング『Fluence』
#218 Bspeak! 2022年2月21日号 デジタルIDのプロジェクト『Verite』
#217 Bspeak! 2022年2月14日号 Web3ソーシャルグラフ『Lens Protocol』
#216 Bspeak! 2022年2月7日号 Squeethの『カニ戦略』
#215 Bspeak! 2022年1月31日号 Web3ソーシャルメディア『Solcial』インタビュー
#214 Bspeak! 2022年1月24日号 動いて稼ぐ『Move to Earn』
#213 Bspeak! 2022年1月17日号 ve(3,3) の『Fantomエコシステム配布』
#212 Bspeak! 2022年1月10日号 NFTとDAOとスポーツ
#211 Bspeak! 2022年1月3日号 Arbitrum上のステーブルコインSperax
#210 Bspeak! 2021年12月27日号 Ethereum2.0前の最終テストネット『Kintsugi』
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