■Last Week in Crypto(先週のニュース)
主に海外の記事や英語の論文について触れます。
1.Consumer Crypto Product Ideas, dani the blog
Union Squire Ventures の Dani Grant のブログ記事です。クリプトを使った一般向けアプリの可能性について書かれています。
まず1つ目の可能性としては、アバタープラットフォームについてです。Twitter等のソーシャルメディア上では、自分の写真ではなく、キャラクターが空想の画像(アバター)を使う人が一定割合いますが、アバター用の巨大なマーケットプレイスをクリプト上で、誰かorどこかの企業が作っている、との予想です。クリエイターが、アバター作ってデジタル販売しお金を稼ぎ、購入者は流通市場でアバターグッズを売買するマーケットプレイスで、もちろん使われるのは暗号通貨、という想定です。
2つ目の可能性としては、ライブ関連です。実際にUSVの投資先でも、多くのチームが、ライブ教育、ライブ瞑想、ライブ音楽、ライブフィットネス、ライブクッキングなどのライブストリーミングの「動画×ソーシャル」体験を作ろうとしています。ここにアイテムやポイントやマネーといった要素にクリプトが必要になったり、ゼロからプラットフォームが作る必要がないホワイトラベルのモジュールが、ブロックチェーンベースで必要になる、というよみです。
3つ目は、「パブリックのRobinhood」という可能性です。Robinhoodとは米国の若者に人気のトレードアプリですが、クリプトの透明性という特性を利用して、投資結果や情報をソーシャルメディア化するようなアイデアです。
使われるコンシューマ・プロダクトの多くは、遊び要素から始まることが多いため、一見大したことのない利用ケースから、DeFi等の社会的意味の大きな用途に対してフィードバックを与えていくのだと思います。
2.Access all DEX liquidity through 0x API - 0x Blog
0x が DEXプロトコル(0x, Kyber, Uniswap, MakerのOasis)からベストレート構成でトレードできる 0x APIを公開しました。他にも色々と機能があって、UXの部分(プロトコルフィーの抽象化)や、REST API経由で0x Meshの流動性にアクセスすることができます。またレンディングのプロトコルである Nuo, bZx (Fulcrum), Zerion, Topo Finance, DeFi Saver も 0x APIのインテグレートを予定しています。
交換をより簡単に安価にするのと同時に、DeFi系には欠かせない流動性に貢献します。今後のロードマップとしては、API経由で交換を促したときに手数料でマネタイズできるようにしたり、メタトランザクションで手数料なしで注文を出せたり、見た目の部分(インターフェース)を提供していくことになっています。
Binance US は本日、2月にAlgorandとCosmosのステーキングへのサポートをすると発表しました。BinanceUSは、おそらく規制上の懸念により現在Tezosを扱っていませんが、BinanceUSのCEOであるCatherine Coley氏はポッドキャストで、より多くのPoS通貨をリストしていき、ステーキングをサポートしていきたいと言っています。
米国の取引所では、ステーキングのサービスが競争激化してきていて、例えばCoinbase、Krakenが昨年Tezosのステーキングをサポートしています。それがXTZの価格上昇につながっていたのも事実です。
4.Dfinity launches an open-source platform aimed at the social networking giants
テッククランチの記事です。Dfinityが、『LinkedUp』というLinkedInのオープンソースバージョン(分散型クラウドサービス)を限定リリースしました。現時点ではデモにすぎませんが、Dfinityの分散型の構造(インターネットコンピューターと彼らが呼んでいるモデル)でアプリがどのように動くかを見せるためのものになっています。
2019年11月に、α版のSDKとスマートコントラクト言語の詳細をリリースして以来の開発アップデートでしたが、一般公開のスケジュールはまだ明かされていません。Dfinityは、ビジョンが大きく慎重なアプローチを取っている印象があり、一般公開が遅れています。そうはいっても、2018年に有名な投資家たち(a16zやPolychain Capitalなど)から $160 million もの金額を調達していて、手元の資金は問題ではありません。
5.https://ir.silvergatebank.com/file/Index?KeyFile=402494493
暗号通貨の企業向けに銀行サービスを提供しているSilvergateは、純利益の55%の減少と報告しましたが、2019年4Qには48もクライアントを増やしているそうです。Silvergateは2019年に、Coinbase、Kraken、Geminiなどの804のクリプト系企業にサービスを提供し、$24.8 millionドルの純利益を生み出しています。
CEOであるAlan Laneは、Silvergate Exchange Network(SEN)という自社開発の送金ネットワークのおかげとしています。このSENでは、異なる取引所間で24時間365日、インスタントに送金が可能という特徴があり、結果として2018年4Qの4,977取引から、2019年4Qで14,400取引まで出来高を伸ばしています。
Silvergateは、クリプト企業に特化したビジネスを行っていてあまり話題にはのぼりませんが、暗号通貨の中で重要な機能を持つ企業の1つであり、この領域のシェアを占めています。このように上手く顧客を獲得しているビジネスの強さを見ると、クリプトビジネスのヒントや洞察が得られます。
6.Swiss Company Gets Green Light to Incorporate for a Blockchain IPO
スイスの会社Overfuture(オーバーフューチャー)は、イーサリアム上でトークン化された株式を上場し取引するための規制当局の承認をうけました。デジタル資産の取引所であるEURO DAXXが提供するスマートコントラクトを利用します。
目論見書によると、同社は主に「コンサルや、ビッグデータの処理と分析」など行っており、IPOで €10.5 million を調達する予定です。
セキュリティトークンは、当初の盛り上がっていた熱量に比べて時間がかかっていますが、今回の件は所有権を移転やコンプライアンス遵守をブロックチェーンを利用するということが実際に行われます。今後も株式をトークン化して、IPO後に関わってくる金融仲介業者が減り、構造が変わっていく可能性が高いです。
最近ではRealTが、Ethereum上でトークンを発行し、Uniswapを使ってデトロイト不動産が販売されています。もし成功すれば色々な資産のトークンが増えていきます。
7.Payment Services Act Comes Into Force
シンガポールの金融当局(MAS)は、電子決済による消費者保護の強化を目的に、決済サービス法(PS Act)の施行を発表しました。この新しい法律により、MASの規制範囲が拡大され、デジタル資産が含まれるようになりました。
シンガポールでデジタルペイメントトークン(通称DPT)ビジネスを運営するには、企業がライセンスを登録して申請する必要があります。1)両替ライセンス、2)標準的な支払い機関、3)主要な支払い機関の3つから、および企業が選べるライセンスを提供するものです。
ヨーロッパが同様のコンプライアンス対策であるAMLD5を制定した後、DeribitやKyberSwapなどの企業は移転を余儀なくされ、他にも多くがシャットダウンしています。
これは昨年、国際機関のFATF(マネロン対策やテロ資金対策の国際基準である金融活動作業部会)が、クリプト企業に対する新しい推奨事項を発表した影響もあります。
FATFには企業を罰する権限はありませんが、規則を順守していない国をブラックリストに載せ脅すことで、各国の政府にルールの準拠するよう圧力をかけています。
準拠しない場合には、経済的にその国の地位を損なう可能性があるので、今回のPS法などの政策を制定する政府が、今後増えると思われます。
8.Nimbus Awarded $650k as Follow-up Grant from Ethereum Foundation
Ethereum財団は、Ethereumのインフラ関連の開発をすすめるNimbusに $650,000ドルの助成金を与え、Ethereum2.0のクライアント実装を継続しました。
Nimbusは、2018年に Status が設立したプロジェクトで、スマホなどの小型デバイスで動作できるクライアントを設計することにより、Ethereumを支援することを目的としています。ノードを運用しやすくすることで、長期的に分散レベルを維持することができます。
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