2017年ピークと今の比較
週末にかけて相場が下落していますが、2017年ピーク時と今回の盛り上がりがどう違うかについて、Pantera Capitalのインベスター・レターでまとめられています。端的に言えば、「当時とは状況がかなり変わっている」ということが説明されています。
また面白いのが、以下のグラフィックです。
左が2017年のバブルのピーク時のトップ20、右側が現在のトップ20ですが、ビットコイン以外はすべて順位が入れ替わっています。
さらに
両方のリストに入っているは、6つだけ(金色)
現在のトップ20のほとんどは、2017年に存在していなかった(灰色)
以前のトップ20のうち、14がリスト外になり、しかも、かなりのランクを下げている(14個の平均順位は今や90位)
ということがわかります。
※ステーブルコインは含まれていません
■ Last Week in Crypto
1.POAP inc. raises $10M to accelerate human development
POAPが$10M調達したことを発表しました。合わせて9月にデラウェア法人を設立していたことを明らかにしています。
POAPは、Proof of Attendance Protocol の略で、ETHDenverというイベントから始まったプロジェクトです。
POAPを使うと、イベント主催者側が、出席者にNFTの形でバッジを配布することができます。ユーザーはPOAPを集めることで、行ったことのある場所やイベントを証明して自慢することができます。
今回の資金調達は、Archetype と Sapphire Sportがリードで、クリプト系ファンドは、1kx, Libertus Capital, Red Beard Ventures, 6th Man Ventures, Delphi Digital, A Capital などが参加しています。
資金は、POAP発行者サポートエコシステムの立ち上げ、開発、プラットフォームとアプリへの投資、POAP財団の設立につかわれます。財団を組織するのであれば、何かしらのトークンを発行しトレジャリーを持つような気もします。
2.Solana-based 'move-to-earn' startup STEPN raises $5 million in SAFT sale
Solana上のプロジェクト『STEPN』が、$5Mドルを調達しました。
運動することに報酬を与えるプロジェクトで、Play to Earn ならぬ Move to Earnと紹介されています。
Sequoia Capital IndiaとFolius Venturesが共同でリードで、Solana Ventures、Alameda Research、6th Man Ventures、Sfermionなどが参加し、将来のトークンでの調達(SAFT)になっています。
STEPNについて
STEPNはスマホのアプリをすでに出しています。ユーザーは、スニーカーNFTを購入して運動をすると、報酬としてネイティブGSTトークンを獲得できる、というものです。
スニーカーNFTには「歩き用」「走る用」「ジョギング用」の3種類あって、それぞれ価格と得られるエネルギーが異なります。
そしてその購入したスニーカーに応じて、歩く、走るなどをすると、GSTトークンを獲得することができます。獲得したGSTトークンは、STEPNのアプリ内でSOLやUSDCにしたり、ウォレットに送金することができます。
今だと、普通のユーザは10分間のウォーキング or ランニングで1日20-30ドルほど稼ぐことができるそうです。良いNFTをもっていると60分間のウォーキング or ランニングで300-450ドルも稼ぐことができるとのことです。
レンタル
ユーザーは最初にスニーカーNFTにお金を使わなければならないため、Play to Earnのゲームと仕組みと同じです。ちなみにSTEPNのNFTスニーカーの現在のフロア価格は約600ドルです。
そこでSTEPNは、ゲームギルドがNFTをレンタルするのと同じように、NFTスニーカーをレンタルするオプションも用意しています。スニーカーNFTをレンタルした場合、貸してる人が70%、借りた人が30%、のGSTトークン利益を得ることになります。
トークンとビジネスモデル
STEPNには2つのトークンがあります。報酬やゲーム内で使用されるGSTトークンと、ガバナンストークンGMTです。このGMTは、2~3月にIEOまたはIDOをしてローンチ予定になっています。
ビジネスモデルとしては、スニーカーの売買時に4%、スニーカーの発行に6%、スニーカーのレンタルに8%の手数料を得る、というビジネスモデルになっています。
そしてこの利益はトレジャリーに入り、ガバナンストークンであるGMTをステーキングしている人が利益の分配を決めます。
3.a16z leads $20 million investment into African gaming startup Carry1st
アフリカのゲームプラットフォーム「Carry1st」は、$20Mドルを調達しました。このラウンドはa16zがリードで、AvenirとGoogleが参加し、Axie Infinityの創業者やラッパーのNasなども参加しています。
ゲームのマーケットプレイスですが、決済システムも開発しています。銀行口座を持たない人が、暗号通貨などを使ってウェブサイト上のコンテンツに支払うことができる仕組みのようです。
すでにBTC、USDC、DOGEなど10種類の暗号通貨が利用可能になっていますが、近い将来さらに多くのトークンを追加する予定です。
4.Indian Gaming Firm nCore Games Raises $10M for Web 3 Offerings: Report
インドのゲーム会社nCore Gamesは、Animoca BrandsとGalaxy Interactiveがリードの資金調達ラウンドで$10Mドルを調達しました。PolygonとHyperedge Capitalもこのラウンドに参加しています。
nCoreはゲームを多く開発していますが、今後はメタバースに目を向け、独自のNFTをローンチ予定です。
5.Indian TikTok Rival Chingari Raises $15M Round Led by Republic Capital: Report
インドの動画プラットフォーム「Chingari」が、$15Mドルを調達しました。前に書いたことがありますが、TikTokのような動画サービスです。
このサービスのトークンである「GARIトークン」は、クリエイターとファンの間で商品やNFTの売買などに利用されます。またユーザーは、プラットフォーム上でコンテンツを視聴したりアップロードしたりすると、GARIトークンを受け取ることができるようになるようです。
またGARIトークンを使って、クリエイターの特別コンテンツにアクセスできたり、クリエイターとの音声通話やビデオ通話ができる権利を購入したりすることができるようになる予定になっています。
すでにインドネシアへ進出し、今後他のアジア諸国や米国への進出も計画する予定になっています。
Dharma が OpenSea に買収されたことを発表しました。この取引の一環で、Dharmaの共同創業者は、OpeanSeaのCTOになります。そして、今後30日間でDharmaウォレットアプリを終了することも発表されました。
もともとDharmaはレンディング・プロトコルを作るといって資金調達をしたプロジェクトですが、その後コントラクト・ウォレットに舵をきり、DeFiの入り口になったり、法定通貨から簡単にクリプトを利用できるようにしたりと奮闘していましたが、最終的には NFT (OpeaSea)に落ち着きました。
この買収の条件は明らかにされていませんが、AxiosはDharmaの価値を$110Mドルから$130Mドルと推定しています。
7.Solana project Metaplex Foundation raises $46 million in SAFT sale
SolanaベースのNFTプロトコル「Metaplex」が、$46Mドルを調達しました。
Multicoin CapitalとJump Cryptoが共同でリードし、Solana Ventures、Alameda Research、Animoca Brandsが参加しました。
今回のラウンドでは、マイケル・ジョーダン、アレン・アイバーソン、ジョエル・エンビードなど、元または現役のプロバスケットボール選手が多く参加し、ラッパーのスヌープ・ドッグなども投資に参加しています。
将来のトークンでのによる調達(SAFT)になっていて、近い将来METAというネイティブトークンを発表します。
Metaplexプロトコルは、Solana上に独自のNFTマーケットプレイスを簡単につくれるようにするプロトコルです。今回の資金を使って、プロトコル上の開発者ツールを作成するチームを支援していくそうです。
8.Southeast Asia Gaming Guild Ancient8 Raises $4M Seed Round
ベトナム拠点のゲームギルドAncient8は、$4Mドルを調達しました。Dragonfly Capital、Pantera Capital、Hashedがリードしました。
この資金を使って、Play-to-earnゲームを中心としたコミュニティをさらに構築するために、DAOを立ち上げる予定です。
ゲーム系のギルドの調達はこれまで何度か書いてきていますが、ギルドとは、「ゲーム内アイテムを購入し、Play to Earn をしているゲームプレイヤーに貸し出して、プレイヤーが獲得した報酬の分配を受ける」組織です。
9.Animoca Brands Leads $8M Fundraising Round for NFT Platform Built on Solana
SolanaをベースのBurnt Financeが、Animoca Brandsがリードで$8Mドルを調達し、NFTのプラットフォームをローンチしました。
Alameda Research、Multicoin Capital、Valor Capital、Figment、Spartan Capital、HashKey、Terra、Fantomなどの投資家が参加しています。
Burnt Financeは、ストリートアーティストBanksyの作品を燃やしてデジタル化したものをNFTとして販売したことで知られています。今後はTerraやFantomなどの他のチェーンへの拡大をする予定になっています。
Ethereumの2021年の各指標についてまとめた記事です。
長いのですが、前半の部分だけ少し抜粋して紹介します。
まず2021年の、L1チェーンのトランザクション手数料の合計です。
L1だけでなく、アプリやL2、その他L1に対象を広げると、次のようになります。
上図でピンク色になっているものは、Ethereum上のプロトコルですが、ガス手数料ではなく、流動性提供者に支払う手数料などの他の手数料で集計されています。
2021年は「Ethereum上のアプリを利用するために支払う金額が、他のL1をするために支払う金額の合計を上回る」という結果になっています。
今度は、ブロックチェーンではなく、VisaやStripeなどの決済ネットワークの収益との比較です。
また2021年、Ethereum上で約$11.6 Trillionドルが動き、これはVISAよりも多く、ビットコインの2倍以上となっています。
またEthereum上のDeFiにロックされている価値の総額($153 Billionドル)は、Robinhood($80 Billionドル)やBridgewater Associates($140 Billionドル)の運用資産を上回っています。
次は2021年のイーサリアムのL1とL2の両方を含めた累計トランザクション数です。
L2のみの累計トランザクション数だと、以下になります。
StarkExを除いて見てみるとL2の累計トランザクション推移は以下になります。
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#213 Bspeak! 2022年1月17日号 ve(3,3) の『Fantomエコシステム配布』
#212 Bspeak! 2022年1月10日号 NFTとDAOとスポーツ
#211 Bspeak! 2022年1月3日号 Arbitrum上のステーブルコインSperax
#210 Bspeak! 2021年12月27日号 Ethereum2.0前の最終テストネット『Kintsugi』
#209 Bspeak! 2021年12月20日号 音楽NFT『Sound』の仕組み
#208 Bspeak! 2021年12月13日号 Blitmapにみる未来のエンターテインメント
#207 Bspeak! 2021年12月06日号 NFTコミュニティ向けツール『Islands』
#206 Bspeak! 2021年11月29日号 メタバース土地NFTの取引
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